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隠れ里の鬼姉妹 あらすじ&解説

このお話はテレビアニメRe:ゼロから始める異世界生活 シーズン1の円盤特典小説の2つ目になります。アニメ2期以降(五章以降)のネタバレはありません。

あらすじ

これはスバルが召喚される約9年前の出来事ーーラムとレムが8歳の頃のお話。双子は忌み子として出生後すぐ殺されるのが慣わしである鬼族。族長のセタンタが薙をふりかかった所ラムのツノが光り鬼神の再来を悟った鬼たちは跪く。

極々平凡な日々を送っていたがある夜に魔女教徒が襲撃する。レムは目覚めると両親(クオークとテマエ)は死亡しており、目の前で族長のセタンタが焼かれる。更にレムを庇おうとしたラムのツノが折られる。


ラムとレム以外の鬼族は滅んだ。逃げる途中でロズワールに拾われロズワール邸の本邸へ。ラムはレムを救うことを対価にロズワールと契約を施し、その一方でレムもラムを救うことを対価に何でもすると誓う。ロズワールの思惑通りか、姉妹をメイドとして引き留めることに成功する。その後ラムとレムはメイドとしてクリンドやフレデリカの指導のもと働くことに。


ある日、ロズワールはラムを連れて聖域に行く。フレデリカ、クリンドも不在の中レムは一人でお留守番をすることに。屋敷の地下にある一室の掃除を言いつけられ向かうと、魔法陣のかけられた扉があった。レムはその先から魔女の瘴気を感じ取り本能のままに扉を突き破る。そこには鬼族の里を襲い取り逃した魔女教徒四人のうちの一人(フォッグ)がいた。レムはこの地下で見つけた鉄球(モーニングスター)を武器に嬲っては治癒魔法で癒すという拷問を施し殺した。


レムが魔女教徒を殺す一件の数日後ロズワールに連れられラムとレムとフレデリカは王都に訪れる。目的はメイザース家の分家であるミロード家に生まれる子への祝いの品を選ぶこと。二手に分かれレムはフレデリカと行動するも王都で魔女の瘴気を感じ取る。ロズワールから追撃の許可を取り貧民街で例の四人のうちの一人(サド)を見つけるものの風に乗り空へ逃げられてしまう。他の魔女教徒に囲まれるも10歳前後の剣聖ラインハルトの助力で追撃を再開する。最後はレムの視界を千里眼で知覚したラムが遠距離風魔法で撃ち落とす。


王都での一件から10日後、一行はミロード邸に訪れる。妊婦のグレイス・ミロードとの喋り相手をしているとグレイスの夫であるダドリー・ミロードが立ち往生していることを御者から聞き、ロズワールとレムで迎えに行くことに。するとダドリーは切り刻まれ肉片として残っていて、御者が魔女教徒(セルゲイ)だった。ロズワールの指示でロズワールをセルゲイの相手として残し、レムはミロード邸に戻る。


ロズワールとレムが出発後、魔女教徒に囲まれたことを悟ったラムはグレイスらと共に逃げるも魔女教徒(ファウスト)に追いつかれる。ファウストを相手にツノのないラムは瀕死に追い込まれるが戻ってきたレムの拳により危機を脱し鬼の里を襲撃し取り逃した四人を滅し復讐を完了する。


後日ラムは復讐を完了した見返りにロズワールに絶対の忠誠を誓う(契約の内容と思われる)。その後旧鬼族の里にあるロズワールが建てた慰霊碑を訪れたラムとレムは報告と決意を亡き同胞たちに語る。


ラム

鬼神の再来と言われた神童。8歳でありながらプリシラ同様に精神年齢は非常に高く完成された存在。主であるロズワールや先輩メイドのフレデリカたちにも敬語は一切使わない。ツノが折られたことで普通に生活するのも一苦労でメイドとしての仕事もレムに頼ることが多くなる。

妹至上主義であるものの、妹の欠点や性格などをしっかり把握していて的確な言葉を投げかける。

レム

このお話はほとんどレム視点で語られている。
完成された姉に尊敬と慈愛の念を持つ一方で自分自身に劣等感を感じていて、精神的にはかなり不安定である。姉至上主義であり姉を全肯定する。魔女教を目の前にすると理性を失い先走ってしまうのは本編同様。フォッグを拷問した場面は本編ニ章でスバルを拷問した場面を彷彿とさせる。


ロズワールから姉の代替品になるよう唆されそれに納得し受け入れる。姉様ならああした姉様ならこうしたと劣等感を抱きつつ殻を被ったまま本編ニ章に繋がる。

鬼族

鬼族最後の生き残りが集まる隠れ里。鬼族は巨人族同様に亜人の中でも強力な人種であったため、恐れられた結果排斥の対象となる。また繁殖能力が著しく低いため子供が少なく、8歳であるラムとレムが里の最年少だった。


鬼族はツノからマナを吸収して本領を発揮するが、炎の夜にはマナを汚染する体質のセルゲイの影響で本領を発揮できなかった結果里は滅びる。

ロム爺

プロローグで登場したロム爺ことバルガ・クロムウェル。亜人戦争の大参謀でありルグニカ王城血戦でヴィルヘルムに斬られたものの辛うじて生き延びていた。族長のセタンタとは長い付き合いであるそう。登場時には亜人戦争の頃の血気はなく、この時点で既にフェルトを庇護下に置いている。

ロズワール

叡智の書の記述に的確に従った行動が多く見受けられる。相変わらず用意周到な悪巧みが多い…が、ラムがロズワールに敬語を使わない場面は滅多に見れるものではない。

ダドリーとグレイスの死に責任を少しは感じているが目的の為の犠牲は厭わないという強い意志は変わらない。

ベアトリスはロズワール別邸にいるため登場なし。

フレデリカ、クリンド

フレデリカ
クリンドとはやはり相性が悪い。レムやラムにフレデリカ姉様と呼ばれたがるも断られる。最終的には両親を亡くしたアンネローゼの為にミロード邸に本編四章まで残ることとなる。

クリンド
ラムやレムのメイド服をぴったりに仕立て上げる。過度のロリコンであり、ミロード邸に残れること(アンネローゼが目当て)を非常に喜ぶ。戦闘描写はゼロ。クリンドはエキドナを見たこともありロズワールとはかなり古い仲である。

フレデリカ、クリンドが活躍する話はGolden Siblings

魔女教徒

里を襲った魔女教徒の内ラムから逃げ延びた4人、死亡した順にフォッグ、サド、セルゲイ、ファウスト。


フォッグ
ロズワールがラムとレムを連れ帰るのと同時に、捕虜として捉えていた。口癖は「ちっちっちっちっ」(メィリィも21巻で同様の発言)。爆風を使う。ロズワール本邸の地下に拷問され監禁されていた。
最終的にレムにも拷問を受け仲間の名前を教えて死亡する。

サド
タンムズ祭で賑わう王都で怪しげな動きをしていた魔女教徒。風を操り浮遊することができる。ラムの遠距離風魔法で堕ちる。サドの部下約20名はラインハルト単騎により捕縛。

セルゲイ
ダドリー・ミロードを斬り刻み肉片とし、ミロード邸に訪れる。周囲のマナを汚染させる体質を持っていてロズワールのアル・ゴーアも威力がかなり下がっている。セルゲイの体質が鬼族が勝てなかった最大の要因であろう。

ファウスト
ツノがないとは言えラムを瀕死まで追い込む実力者。ミロード邸の庭に地雷のような術式を準備しているあたり用意周到である。レムの体技やモーニングスターでダメージを受け、最後は自分の仕掛けた術式により死亡。

ミロード家

ダドリー・ミロード
名前と肉片だけの登場。。。ロズワールの親戚にあたり、ロズワールの意見を踏まえグレイスと結婚したり、リムリルなどのかつてロズワール邸で働いていた亜人をメイドに迎える。


グレイス・ミロード
生まれつきゲートに欠陥があり、その不調を治してくれるロズワールと親交がある。魔女教徒襲撃時に破水しアンネローゼを産む。死に際の一言はかなり考察の余地あり。

「愛しています、あなた。……幸せにしてくれて、ありがとう」

これはロズワールに向けた発言です。ダドリーと見間違えた…なんてことはないでしょう。つまりどういうことか…下に続く。

アンネローゼ・ミロード


魔女教徒襲撃の際に生まれる。外伝などに主に登場するが本編にはほとんど登場しない。アニメ50話で登場。エミリアに親愛の目を向けている。


グレイスの死に際の一言からロズワールの娘である可能性がある。仮に娘なのだとしたらロズワールLが死亡すれば精神はアンネローゼに移るのかもしれない…。女性なのに?と思うかもしれませんが剣鬼恋歌で登場する先先代のロズワール・J・メイザースは女性でした。

まとめ

主にラムとレムの過去であるがロズワール、フレデリカ、クリンドにも焦点が当てられている。計285ページ(挿絵2ページ)でテンポも良く他の外伝に比べて読みやすい。ラムレムの姉妹愛やレムが本編開始までに至る心情の変化が良くわかる一冊です。読んでないラムレム推しは是非!


次回予告 〜Ex5緋色姫譚&特典ss3冊〜

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