人類発展の黒歴史感染症史から人類普遍の課題を解き明かす〜今も昔も変わらない私達〜
なぜ、生命科学や感染症史からウイルスについて考えるのか
なぜ、新型コロナのウィズコロナの時代を考えるのに、ウイルスのことを生命科学や生命進化のレベルまで含めて考える必要があるのか、専門家でない私が、たった数冊の本や数名の研究者から聞いて得てまとめた知識を紹介する意味があるのか。聞かれることもある。
そうかもしれない。
ただ、私自身は大きな転機、機会、危機に遭遇した時は、専門外の領域の本も読み、自分から話を聞きに行き、関係する物事の本質的な構造と文脈を考え抜くように努めてきた。自分自身のために。
私は、研究者の人々が探求している専門知識の一部を知りたいのではない。
ジャーナリストが追う新しい真実(News)を追い続けたいのではない。
情報爆発、Post Truth、誰もがSNSで玉石混交の情報を大量に発信し拡散する時代に、世の中を動かしている大きな構造と延々と因果をつないでいる大きな文脈を知りたい。
それは、具体的には社会課題解決型の投資家(Social Impact Investor)としても、また自分自身の100年人生を切り拓くためにも、必要なことだったから。
また、私の知っている経営者でも、一見迂遠にみえる、自然科学から理解する構造や歴史や哲学の文脈を大きな経営方針の決定に活かしている人も多い。
歴史を振り返ると、悲惨な感染症の歴史
新しい病原体に感染すると人類は多い時は普通に1/3から9/10死ぬ
・BC500 ペロポネソス戦争時のアテナイでは人口の1/3が疫病で死亡
・ユスティニアヌスのペストと呼ばれたペストでは、首都コンスタンティノープルの人口の40%が死亡
・中世黒死病ではヨーロッパの人口の30-60%が死亡
・新大陸進出のスペインが持ち込んだ感染症により現地インディオの人口は95%減少した
と言われる。
そしてその恐ろしい感染症が広まると不安からデマが広がり、医療従事者が最初の被害者もなる。
日本でも、26度のお湯でコロナが治る等のデマが流れた。
ニューヨークでは4月上旬までに医療従事者9000人が感染し、治療に携わった27名が命を落としている。(NHK特集)
そして、2020年アメリカでの暴動はもはや軍の派遣まで視野に入っている。
毎回危機には、日本でもトイレットペーパーや食料品の買い占めが起きる。
そして医療崩壊の危機が訪れる。
徐々に、感染は地方に拡大し(コロナ帰省、コロナ疎開)、経済そのものが弱い部分から徐々に崩壊し(レナウン倒産)、困窮した人々の犠牲者が出る。(雇い止め)
時系列で起きる事が、現在でも驚くほど酷似している。
そして、危機管理に追いて国民の不安と不信を招いた安倍政権、トランプ政権の支持率は急降下している。
人類文明の発展には常に感染症が伴う
7万年前、認知革命を起こし言語と創造力を獲得した我々の先祖は大型動物の獲物を追って、かつまた寄生生物や病原体から逃れるためにアフリカを離れて世界拡散の旅にでた。(ハラリ)
農業革命を経て、始めて家畜と暮らす密集居住の都市を形成し、その時から様々な感染症との闘いの歴史が始まった。
その後の大帝国間の交易(グローバリゼーション)は、世界に富をもたらすとともに、その人・モノの交流は常に病原体の拡散も伴った。
また、近代国家は行政組織により隔離や検疫等の対応策を提供したが、同時に国家間の戦争は常に、戦場や兵士の移送において3密状態をもたらし、戦死者以上の戦病死(主に感染症死)をもたらした。
3つの大きな革命的な変化は副作用としてにウイルス(感染症)の爆発を伴った。
そして国家は、その感染症の課題を解決する存在であったと同時に、感染症を拡大する戦争の主体者でもあった。
そして人類は現在2020に至る。
追記
以下の投稿では、感染症と人類史のエッセンスと現代のこれからの4つの課題について、より詳細に追加スライドとともに記しています。
さらにご興味があればお読みください。
また全体理解には「新常態の前に」のマガジンも合わせてご参考頂ければ幸いです。生命科学編、この人類史編に続き、政治、経済、社会編も時間の許す限り書いていきたいと思います。
新常態を考えるにあたって大きな流れを俯瞰する視座を得たい経営者、経営企画担当の方、ポストコロナ、ウィズコロナの社会課題を考えるに当たって、違った切り口の新しい知見を探している方には参考になるかもしれません。
また、人類史や感染症の歴史に興味があるが、本を読んでる時間がないという方にとっては概略を理解した上で、興味のある原著に当たるというのも良いかもしれません。
自身の頭の整理、仲間での勉強会等、等活用いただければ幸いです。
また、専門家の観点で修正点、補足アドバイスなど頂ければ幸いです。
私自身は、今回の作業を通じて、今後のポストコロナ時代を考えるにあたっての明確な視座ができました。また、その自信からか、この話を周囲にしているうちに、銀行や製造業のポストコロナ時代のビジネスモデルのコンサルティングの依頼が複数きました。
何よりも、私自身がこれからの社会を生きていく上での不安がなくなりました。
ウイルスはアルゴリズムでしかなく、我々の行動次第で論理的に反応するだけです。8割削減した後、3割削減するなど、取るべき課題と行動も比較的明確です。
我々は2019年の課題に向き合って解くだけです。
(テレンスフロイド 殺害されたジョージフロイドの弟)
私達は世界規模での共通体験を得ました。
「連帯」は醸成されつつあると信じています。
参考図書:
サピエンス全史
感染症と文明 山本太郎
感染症と世界史 石弘之
いいなづけ アレッサンドロ・マンゾーニ 河出書房新社
病気日本史 中島陽一郎 雄山閣
ペスト カミュ 新潮文庫
銃・鉄・病原菌 ジャレドダイヤモンド 草思社文庫
戦史 トゥキュディデース 岩波文庫
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