漫画の縦スクロール横スクロール問題について
はじめに
最近Twitterで少し話題になってたこの問題。 何かというと漫画のフォーマットとして
縦スクロール
横スクロール
どちらが良いか?ということ。
縦スクロールと横スクロールの説明
縦スクロール?横スクロール?なに?って人に説明しておくと、 まず基本となるのは横スクロールです。
普通の紙の漫画をイメージして欲しくて、普通日本の漫画は右から左にページをめくっていきますよね。 つまり、横方向にめくっていくわけだけど、これをスマホ等で読めるようにした場合横にスクロール(画面遷移)していくことになる。
一方で、縦スクロール。 これはWebサイトなどをイメージして欲しいけど、上から下に画面遷移させていきますよね。 これを漫画に落とし込んだ時に同様に上から下にスクロール(画面遷移)していくことになる。韓国の漫画を読んだことある人はイメージしやすいかも。 まぁ要はどちらもUI(ユーザーインターフェース)の違いという事。
それぞれの長所短所について
どちらにも長所短所はあるんだけど、それぞれについてまとめると
■横スクロール
メリット
・一画面で複数のコマを視認可能
・単行本化しやすい
・従来の漫画技法(めくり※や視線誘導)を活用可能
※こちらのブログでめくりについて作品のレビューの中で説明してますー
デメリット
・スマホ等の小さい画面で見るのに適さない(拡大が必要)
・スマホで見開きが表現される時にページとページの間(タチキリ線)の部分で切れてしまう。
・アプリによっては1ページずつしか読めない(見開きの時にもスクロールが必要)。
・アプリによっては横画面に対応していない。
■縦スクロール
メリット
・基本1コマ1画面となるのでスマホで見る際に拡大が不要
・縦スクロール用の表現が可能
デメリット
・従来の漫画表現の活用ができない(めくり、視線誘導)。
・コマごとの大小によるリズム(見開き含む)がつけられない。
・1コマ1スクロールしなければいけないので面倒くさい。
・単行本化がしにくい。
と言ったところだろうか。 総じて言えることとすれば、
縦スクロール→スマホ
横スクロール→紙媒体
と言ったメディアの違いにより最適な表現方法って違うよねという事。良い悪いを論じる話ではない。
縦スクの是非
2行前に良い悪いを論じる話ではないと言っておきながら、2秒で矛盾するのだが、個人的には横スク(横スクロール)の方が好き。 これは自分が紙媒体に慣れ親しんだからであって、懐古厨だとか老害だとか言われるのかも知れないけど、既存の漫画表現の素晴らしさを知ってるからこそ横スクの方が好き。 個人の趣味の範疇なので、人によるとは思うが。
一方で商業的な目線で見た時にどちらがいいのか? これも今の段階では横スクロール優勢だと思う。 縦スクロールは主にスマホに適していて、アプリで漫画を読む若年層及びそれにおもねる韓国や中国の漫画が中心となっている形式なのだが、 まず海外市場と日本市場を考えた時には、日本の漫画市場の方が確か5倍くらいでかい。
なので、中国韓国をデファクトスタンダードとする意味もない(今は)。また、アメコミやバンドデシネと言った海外コミック勢力も横スクだしね。
年齢層については、これは特に日本で顕著なのが比較的上の年齢層でも漫画を読む(海外みたいにコミック=オタクってイメージがない)ので、特段若い層に合わせる必要もない(今は)。電子書籍が台頭してきたとは言え紙媒体は漫画においてまだ強い(今は)。
上記の理由からまぁまだ縦スクは現状キワモノの域を出てないんだけど、今後どうなるかと言うと割と勢力図は変わり得るかも知れないとも思っている。 年齢層については時間が解決する(今の若者がメインボリュームの年代に移行していく)し、昨今の韓国中国勢の漫画文化の発展は目覚ましいものがあるので、現在はまだ日本の漫画に届いていないものの、今後メインストリームになる可能性は十二分にあると思う(韓国中国の漫画にも面白いものが沢山ある!でも、現在はその数や質に関して日本に届いてはいないと言う評価)。
なので現状は横スク是としつつ縦スクが非とは将来的なことも考えると言えないよねと言うなんとも締まらない結論なのであった。
結論
と言うことで、どちらも良いところ悪いところあるし、私は横スク好きだし、今は横スクがメインとなってるけど縦スクは今後伸びるかもねーーーと言うのが結論。
ちなみに、若い人=縦スクというのも間違っていて、まだまだ若い人でも横スクで漫画読んでますよ。また、今の若者は漫画の読み方が分からないから縦スクだ!って暴論吐く人もいるけど、小学生が鬼滅のコミック読む世界線で何ほざいてんの?(暴論)って話。 あと、縦スクのメリットにも書いた新しい漫画表現には期待!縦スクの傑作(俺だけレベルアップな件は商業的な成功を収めてるけど作品の面白さとして傑作には至ってないと評価)が生まれると良いね!ジャンプ+でやってた縦の国は良い挑戦してた。 と言う今後の縦スク界への期待も込めつつ以上としたいと思います。
では 漫画レビューブログもやってるので是非遊びに来てください。
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