殺人家族
この記事は、脚本風味のお話です。
普通に小説を読む様な感覚で読んでも良いですが、どこかの演劇サークルなどで演じても良いと思います。朗読劇でも演出次第で面白くなるかもしれません。
本当は本にしてイベントで頒布したかったのですが、このご時世で色々中止になってしまって、出し所を逸してしまった作品です。ただ、演劇の方も上演出来ない状態になっていますが。
ただ、やっとこ緊急事態宣言も解除になって、劇場もそろそろ使える様になって来たと言う事で、有料設定でしたがしばらくの間無料で公開いたします。
そんな境遇の話ですが、楽しんでいただけましたら幸いです。因みに殺人家族と言うタイトルですが、内容はタイトルとは違った方向に進みます。
<殺人家族>
舞台:至極普通の一軒家 4LDK
登場人物:お父さん(父) お母さん(母) 姉(15歳位) 弟(13歳) 猫 男
◎演出効果指定
★動作指定
ある日近所で殺人事件が起きた。
殺人事件は、ほんの目と鼻の先の家で起きた。
その家の家族とは付き合いがあり、先日もお父さんはその家のお父さんと一緒にゴルフに行っていた。
※シーン1 ダイニングキッチン※
◎BGM 時計の秒針がカチカチ言う音。1分間に60回、規則的にカチカチ鳴らす。それ以外の音は効果音でまな板で何かを切る音。◎
お母さん 「物騒ね、殺人事件だなんて
★台所で、まな板の上の大根をカットしながら、テーブルに向って新聞を読んでいるお父さんに話しかける
お父さん 「しかも、凄い近所だよ、お隣さんだよ
お母さん 「それもとても親しい付き合いがあった人が
お父さん 「まさか殺されるなんて
お母さん 「・・・・・
★別の野菜を切り始めるお母さん
お母さん 「物騒と言えば、先週3丁目のお宅で火事もあったわよね
お父さん 「俺が帰宅途中に通りかかったら、すすが降って来てさ
お母さん 「あれは災難だったわね~ハハハ、真っ黒になって帰宅してきて
お父さん 「笑い事じゃない(少し怒り気味)
★お父さん、新聞をめくった後に話し始める
お父さん 「でもさ、思うんだよ
お母さん 「何がですか?
お父さん 「彼等や俺たちの様な普通の、普通に人生を送っていると、結構色んな経験をして来ている気がするけど実際は、
お母さん 「実際は?
お父さん 「実際の所は、そんなに大した人生なんて送っていない事に気付くんだ
お母さん 「そうかしら?
★大根を切り終わって鍋に入れ、鍋の蓋をしてコンロに火をつける動作
お父さん 「普通の人生って、何て平凡なんだろう?でも金さえ稼げるようになると割と何でも出来る様になった気がしていた
お母さん 「私は割とこの生活に満足していますよ?
お父さん 「どうかな?本当に満足している!と、正々堂々胸を張ってどこかで叫ぶ事が出来るのか?俺は出来ない。何故なら、これまでの人生でやってみたいと思った事の中でまだやった事が無い事があるからだ。
★新聞を読むのを止め、たたんでテーブルの上に置く
お父さん 「この間さ、殺された旦那さんと俺、ゴルフに行ったよな
お母さん 「行きましたね、それはそれは楽しそうに見えましたけど?
お父さん 「あの日な、アイツ言ったんだよ俺に
お母さん 「何をですか?
お父さん 「俺に言ったんだ確かに、アイツは。自分がそろそろ誰かに殺されそうだって
お母さん 「その事、事情徴収に来た警察の人には話してなかったわよね?
お父さん 「そんなの!何の根拠も無いのに、話せるわけ無いだろうが
★お父さん、ちょっと声を荒げながら答える。顔はちょっと興奮している様な感じに
お母さん 「ちょっとアナタ?一体何をそんなに怒っているの?
お父さん 「怒ってなんかいない
お母さん 「そうかしら?
★お父さん、深呼吸して気持ちを静める。そしてまた新聞を手に取る
お父さん 「アイツはさ、他にもこんな事を言ったんだ
お母さん 「・・・・・・
お父さん 「誰かに殺される位なら、自分も誰かを殺してから殺されたいよって
お母さん 「確かに、人は殺人するのは悪い事だって教えられて生きて行きますもんね
お父さん 「そうだな
お母さん 「私も、出来れば誰かを殺すって言う感覚、知ってみたいと思う時はありますよ
★お母さん、鍋で煮立ち始める大根を箸でつつく
お父さん 「実は俺も、人を殺すって言う感覚を一度は味わってみたいと思っている
お母さん 「あら、私達気が合いますね
★お母さん、お父さんに向き直って笑顔を見せる
お父さん 「だから俺たち結婚したんだろう
お母さん 「基本的に世間一般の夫婦はみんなそうですけどね
★お母さん、笑いながらコンロの前に戻る
お父さん 「刑務所とかは怖くないのか?
お母さん 「むしろ願ったり叶ったりかしらね、私昔から、三食昼寝付きみたいな暮らししてみたかったから
お父さん 「刑務所は昼寝は出来ないと思うぞ
お母さん 「そんなの知ってますよ
★殺人について談笑する二人を、ダイニングに続くドアの陰で聞いている二人の影
◎ここで、お父さんとお母さんが舞台後方に下がるが、撤退はしない。舞台奥で殺人についての話をしているような動きを続ける
弟 「聞いたか?
姉 「聞いたわね
弟 「どうすんの?このままだと僕たち殺されるよ?
姉 「何となくだけど、大丈夫な気もする
弟 「何を根拠に?
姉 「多分殺し合いをするのは、父さんと母さんって事
★弟、驚きと恐怖のあまり声が出そうになるが咄嗟に手で口を押える
姉 「あの夫婦、流石私達の親って言うか、腹の探り合いがドロドロしていて逆に、見ていて面白みがあるのよね
弟 「それって、僕たちにも素質があるって事?
姉 「そうなるわね、殺人をする素質が
弟 「姉ちゃんまで、止めてよ。僕は社会で後ろ指さされて生きて行く人生なんて送りたくないよ
姉 「アタシもよ
弟 「だったら!
姉 「しっ!(手を口に当てて)何か父さんたちが動き出したわ、この続きは私の部屋でしましょ!
弟 「(敬礼のポーズをする)
★二人がそそくさと舞台から消える。夫婦がまた舞台中央に戻る
お母さん 「煮物の仕込みも終わったし、私寝るわ
お父さん 「そうか、俺も寝るかな。いや、寝る前にアレを飲まないと
お母さん 「そうね、寝る前に飲まないと、明日の朝のお肌が心配だわ
★お母さんは冷蔵庫からオレンジジュースを出し、冷蔵庫の上に置いてあった白い粉の入った瓶とガラスのコップを持ってくる
◎コップにオレンジジュースを注ぎ、白い粉を入れる
お母さん 「アナタは何で飲むの?
お父さん 「ん~~、俺はそうだな~
★お父さんのセリフの途中で照明落ちる、真っ暗になった所で撤収。次の場面に移る
◎お父さんが撤収した後、ソファーを置く、猫役の猫のぬいぐるみを配置。シーン2では猫役は鳴き声だけになる
※シーン2 姉の部屋※
★少し息を切らせつつ、笑いながら話す
姉 「少し危なかったわね
弟 「・・・・・本当
姉 「ビビってるの?
弟 「ビビってるよ
姉 「だよね~、アタシも
弟 「やっぱりそうだと思った
姉 「弟のくせに~~!
弟 「アハハハ
★呼吸が整って落ち着く、姉、ソファーに座り猫を撫でる
◎この時、猫が撫でられたタイミングで猫役は鳴き声を出す
姉 「あの、毎晩母さんが飲んでる粉、コラーゲンだってよ
弟 「知ってる、僕も1回飲んだ
姉 「あれ飲んで寝ると、次の日の朝お肌がツヤツヤになるんだってね
★姉、両手で頬を持ち上げてクルクルマッサージ。ツヤツヤな感じを表現する
弟 「つまり、あの粉が怪しいと?
姉 「絶対父さん、予め何か仕込んでいると思うわね
弟 「先に母さん飲んでたよね
姉 「つまり、今夜決行する気なのよ、あの二人
★弟、頭を抱えて苦悶の表情
弟 「何とか回避出来ないのかな
姉 「二人とも、刑務所生活を満喫したい願望があるからね、回避は難しいかもね
弟 「じゃあ僕たちが出来る事は?
姉 「とりあえず、標的にならない様にしましょ!
弟 「標的・・・・
姉 「父さんが母さんを殺し損ねた後、次に手っ取り早く殺せる相手として、私達を選択する可能性があるからね
猫 「ニャ~~~
★姉が猫を撫でると猫が大きな声で鳴く
弟 「お前が、僕と契約して魔法少女になってよ!とか言ってくれたらな~
姉 「アンタ、アニメの見過ぎじゃないの?
猫 「ニャ~~ニャニャ
★猫と会話?する姉弟の姿を、窓の外から見ている怪しい影の存在
◎怪しい影は舞台の端から、二人の会話を盗み聞きしている
姉 「そろそろアタシ達も、いざと言う時のための準備をしましょ
弟 「一体何を・・・・?
姉 「まず、刺されても死なない様に、服の下に硬いモノを入れておくのよ!
弟 「何かそれ、ヤンキー漫画に出てきた気がする
姉 「喧嘩系の漫画は、こう言う時に役に立つわね~
弟 「服の下に仕込める硬いモノなんてあったかな?
★この時、姉は自分の部屋の中をゴソゴソと探索する
姉 「あったあった、アタシが通販で買った鉄板があった!
弟 「何でそんなモノを・・・・
姉 「アンタの分もあるわよ!
★ここで証明落ちて真っ暗になる
◎姉弟が撤収、ソファーは舞台端へ、猫のぬいぐるみだけが残る◎
猫 「ニャ~~、にゃ~
★舞台の陰から猫役登場
猫 「これは困ったニャ、弟君とお姉ちゃん殺されちゃうニャ!それは嫌だニャ!
★毛づくろいをするポーズをする
猫 「仕方がにゃい・・・・ボクが何とかするしか・・・・って言っても、一体どうすれば・・・
★その時、窓の方から物音がする
◎まどは客席側◎
猫 「ニャ!?何者ニャ?
★舞台の方から謎の男登場
猫 「ニャニャ!!お前、泥棒だな?
★男を指さして、警戒する
男 「失敬な、猫にまでそんな事を言われるとは
猫 「ニャニャ!?何でお前、ボクの言葉が分かるんだニャ?
★男、不敵な笑みを浮かべて笑う
男 「フッフッフ・・・・教えてやろうか?・・・・・いや、止めた
猫 「な、何でニャ!?
男 「使命を忘れたお前に言っても、無駄な事だからだ
★猫は床の上でキョトンとして首をかしげる
猫 「使命
男 「そうだ。俺はその使命を果たすために今日、ココに来たんだが、どうやら予測より早く事象が動き出しているらしい
猫 「え?事象??
★猫、かなりわざとらしい感じの驚きのポーズをする
男 「その反応、どうやら少しは思い出してきた様だな
猫 「ニャニャ~そうだ、思い出してきたニャ。ボクは弟君とお姉ちゃんを救うためにこの家に来たんだニャ
男 「そうだ、もっと思い出せ、そしてお前の救いたい者達を救うがイイ!!
★男は中空を指さしながら高笑いする
◎照明落ちてシーン変更ベッドを登場させる
※シーン3 お母さんの寝室※
◎お母さん、ベッドの上に何やら等身大の人形の様なものをセットして「ヨシ!」と小さく呟いてガッツポーズをする。
その後、押入れの中(押入れ用の箱を用意してその中に隠れる。箱の中は観客席から見える)に隠れる。
お母さん 「昔、お父さんが私に似ているとか言って買ったダッチワイフ、取っておいて良かったわ、お腹に血のりも仕込んだし、多分大丈夫大丈夫・・・・
★お母さんが息を潜めると、廊下の板を踏みしめる音が(ギシッギシッと)聞こえてくる。
お母さん 「来たわねお父さん!私はそんなに簡単に殺されてやりませんよ!」
★そう言って、お母さんは手で口をふさぐ
お父さん 「フフっ フフフ・・・
★最大限にニヤニヤしながらやって来る。
お母さん、寝息の真似をする。
お父さん 「どうやら良く寝ている様だ。 お母さんは不用心だね?こんなみすみす殺してくださいって感じで寝てしまうなんて。
★ニヤニヤしながらベッドの周りを歩く
おとうさん「まぁね、いつも毎晩飲んでるコラーゲンにね、まさか睡眠薬が仕込んであるなんてね、お母さんも気付くまい。
★そう言って、くっくっくと笑う。
お父さん 「ま、そーゆー訳なんでね、俺は殺人欲求を満たすためにね、お母さんを殺すよ。
★お父さんは服の内側から包丁を取り出すと、迷わず横たわるダッチワイフの腹に包丁を突き刺した。
すると、ジワジワと血が滲みだしてくる。
お父さん 「悲鳴も上げられない程深く眠っていたか、まぁある意味幸せに死ねただろう。包丁は・・・抜くと血が噴き出しそうだな~このままにしておくか。
★お父さんは満足そうにまた「くっくっく」と笑いながら、元来た廊下へ去っていく。
お母さんはそれを見送った後、こっそりベッドの横に立つ。
お母さん 「ふぅ~~。危ない危ない。けど、睡眠薬の事は知ってたのよ。結構前からオカしいなと思って、普通のコラーゲンに戻しておいたのよ。
★観客席の方向へグッドポーズをする。
そして、押入れの隅にあったリュックを背負って廊下とは反対方向の壁に向かう。
お母さん 「前々から、お父さんには不穏な動きがあったのよね。こんなにアッサリ人を殺して満足気にしている点がそもそも怪しい。と言う事で、この部屋には隠し通路を作っておいたの。ウフ☆彡
★お母さんは隠し通路から颯爽と去る。
◎照明落ちて真っ暗になる
※シーン4 姉の部屋※
★ソファーの上でくつろぐ姉と、落ち着かない弟
◎弟、何やら何かを探す
弟 「そーいや猫が居ない
姉 「猫だもの、好きな所に歩いて行くでしょ?
弟 「僕、探しに行きたい
姉 「今行ったら、お父さんに殺されるわよ?
弟 「その事なんだけど
姉 「言ってみなさいよ?
弟 「そんなに簡単に、子供である僕たちをお父さんは殺すかな?
姉 「う~~ん、分からないよ
弟 「だよねー
姉 「ってゆーか、お隣のオジさん、何で殺されなきゃなんなかったんだろう
弟 「殺される一週間くらい前に、ストーカー騒ぎがあったよね。だからストーカーに殺されたのかな
姉 「とすると、隣のオジさんは浮気でもしてたのかな?で、ストーカーに殺された?
弟 「でも、そんな感じでも無かったよね~
姉 「ああ~難しい
★姉がソファーでうなだれていると、ベランダの窓の方から猫が登場
弟 「あ!猫!どこ行ってたんだよ~(と言いながら抱きしめる)
猫 「ニャ~~ゴ(この時の猫は役の人)
猫? 「ニャニャニャ~~お、弟君
姉 「ひぇ!? 今猫喋ったわよね?
★その時、ベランダの方から見知らぬ男が入ってくる
男 「ちわ~っす、おい猫、オレの事紹介したか?
猫 「まだだよ、はやいニャ
弟 「お兄さん誰?
男 「あ、オレ?オレは世界の秩序を正すものだ(と言って偉そうにする)
姉 「ちょっと、アンタ勝手に人の家に入って!不法侵入罪で警察に通報するわよ?
男 「おっと、それは勘弁。でないと君ら二人ともお父さんに殺されちゃうよ?
姉 「どうしてその事を!
弟 「シッ!大きな声出すとお父さんに聞こえちゃう!!
★全員でシ~~~と口に指をあてて顔を見る
◎ここからは小声で進行
姉 「って言うか、どーして今のウチの現状知ってるわけ?それと、世界の秩序を正すってどう言う事?
猫 「そ、それはボクから説明するにゃ
弟 「猫!喋れたんだね?
猫 「それはとりあえず置いとくニャ。実はボクとそこの男は未来から来たんだニャ。未来では、この家のお父さんが一家惨殺をしたのを始めに、この町内の家に忍び込んで何軒もの家の人を皆殺しにして行くんだニャ!
姉 「ナニソレ・・・ただの惨殺魔じゃん
猫 「未来ではかろうじて弟君が生き残ったんだけど、鉄板をお腹に入れていたお陰で致命傷にはならなかったんだニャ
弟 「それってコレの事?(言いながら、服の中から鉄板を出す)
猫 「そうだニャ!それが弟君の命を救ったニャ。けどお姉ちゃんは鉄板でお父さんを攻撃してしまって、返り討ちに遭ったニャ
姉 「・・・・・・
姉 「確かに、アタシそうするつもりでいたわ
弟 「姉ちゃん!!
男 「お前らの父さん、結局この町内の人の半数の150人を殺すんだ、それはそれは凄惨な事件だったよ。
男 「そしてその日を境にこの国の人は隣人を信じなくなった
弟 「それってつまり?
男 「この国は、この町内から戦争が始まるんだ
弟 「戦争・・・・
★愕然とした表情になる姉弟
姉 「父さんを、止めればいいのね?
男 「しかし既に、お前らの父さんは人を殺めてしまっている
弟 「もしかして母さん?
男 「いや、違う。しかし人を殺すと言う快感を知ってしまった可能性は高い
姉 「そんな・・・・でも、どうやって父さんを止めればイイの?
男 「まず、お母さんを探すんだ。多分お母さんは既にお父さんと交戦した筈だ
弟 「マジか・・・・
姉 「お母さん、大丈夫だったかな
男 「大丈夫だ、お前らのお母さんは忍者の里出身の、生粋の忍びだ
弟 「何だよそれ・・・・
男 「お母さんと合流したら、皆で一旦時空の狭間に逃げるんだ
姉 「時空の狭間?
男 「そこで、お父さんが殺人を犯す前の日に戻って、お父さんを止めるんだ!
弟 「マジか!!
★猫うなずく、姉驚きのポーズをする
◎その後ライトが落ちる
※シーン5 庭※
◎草のセット配置 木のセット配置
★四つん這いになって家の方を見るお母さん
お母さん 「お父さんは台所に居るようね、しめしめ・・・・
★四つん這いのまま、ハイハイで進む
◎家の中にお父さんのシルエットが見える
お父さん 「さっきの包丁、取りに行った方がイイかな~、何かもう少し刺す感触を楽しみたいからね~。お母さんの死体また刺しに行こうかな~。あ、でも新鮮な肉の方が斬った瞬間の感触が良いよね~
お母さん 「・・・・・・
お母さん 「何言ってんのかしら?既に殺人鬼心理に入ってる?
お父さん 「やっぱり、この間隣の旦那さん殺した時が今までの人生で一番楽しかったな~。命乞い?している人殺すのって、こんなに楽しかったんだ
お母さん 「え?何?ナニ言ってんの?この人
★お母さんは恐怖のあまりガクガク振るえる
お父さん 「次は誰にしようかな、やっぱり弟かな?姉にするかな?それとも、お母さんの死体を切り刻むかな~楽しみだな~
★そう言って、別の包丁を研ぐ
お母さん 「ヤバいわ、あの子たちに知らせなきゃ、早くこの家から逃げる様に!って
★お母さんはハイハイを加速させて台所の前からは脱出する、草木を動かして場所の移動をしたかの様に見せる
◎お母さんがハイハイしていると、向こうの端の草むらで固まっている3人と1匹を発見
◎発見される前に男は姉に話しかける
男 「向こうからお母さんがほふく前進で近づいて来る
姉 「良かった~お母さん無事だった
男 「お父さんは台所で包丁を研いでいる筈だ、しかしお母さんと交戦した部屋で真実を知ったら発狂してくる、急げ!
弟 「お母さんと合流したらドコに向かうの?
男 「オレが侵入してきたベランダの真下に、時空のひずみに入るための穴が開いてる。そこに飛び込むんだ
★姉弟が頷く
猫 「にゃー、にゃ~~(おかあさ~ん)
お母さん 「アンタたち!こんな所で固まって!一体何やって・・・・あ!
男 「どーもどーもその節は
姉 「お母さん、このお兄さんの事知ってるの?
お母さん 「知ってるも何も、お母さんの遠--------い親戚の子みたいなモノよ
弟 「どれ位遠いの?
お母さん 「300年位かしらね?
男 「姐さん、冗談はそれ位にして、行きますよ
お母さん 「分かったわ、アンタ達!付いてきな!」
姉 「事情が全然見えないんですけど!!
★4人と1匹、ベランダの真下の穴に向かって走る
◎草を動かして場面変更
★台所の方から物音がする
◎鍋などの金物が落ちる音を出す「ドンガラガッシャーン!!」的な
男 「ヤバい!お父さんがこちらの動向に気付いた様だ、子供は後ろに下がれ!
姉 「でも、お兄さんがやられちゃったら、元も子も無いでしょ!?
お母さん 「そうよ!何度でもやりなおしが利く私らが応戦した方が、効率が良いわよね!
弟 「何度でもやり直しが利く?ってどゆ事?
男 「その話は、この場を乗り切ってからだ!!
お父さん 「クックック・・・そんな所で皆で、何をやってるのかな?
★お父さん、お母さんと目が合う。お母さん、シェー!など驚きのポーズを取る
◎照明、赤い色合いにして音楽はファイティング系に切り替わる
お父さん 「お母さん、生きてたんだね~~、って事はアレはダッチの
お母さん 「そうよ、ダッチの美里(みさと)よ!!
お父さん 「おのれぇぇ~~!!定年後の楽しみに保管しておいたのに!!
★お父さん手に持っていた包丁を、まるでペンでも回すようにクルクル回転させる
お父さん 「こうなったら皆殺しだ!!長女も、長男もオレの刃(やいば)の餌食にしてくれる!!
姉 「そんなに簡単に私達は殺られないわよ!!
お母さん 「お姉ちゃんは下がってなさい!!
弟 「姉ちゃん!!
★姉、お腹に仕込んだ棒状のものを取り出し、長く伸ばす
姉 「こんな事もあるかと思って、アタシの秘蔵の武器を持ってきたわ!
弟 「どー見ても伸縮性の細いだけの棒にしか見えないよ!
姉 「まぁ見てなさいって!
★姉、何やらブツブツと呪文を唱え始める
姉 「仄暗き深淵の闇の彼方より出でし光、白刃を持って混沌を切り裂け!、封印されし聖剣よ!今ココに目覚めよ!!
★何かが出て来る様な音楽に切り替わり、男・母・弟・猫は姉の後ろで変な動きをする
姉 「えくす・・・
猫 「あ、あれは!!時空間移送デバイス聖剣エクスカリバー!?
弟 「エクスカリバー?!
姉 「ちょっとそれ!アタシのセリフだから!!
★姉の手元には、エクスカリバーが現れる(エクスカリバー風味の小道具を作るか、実物大フィギュア的なのを用意しておく)
お母さん 「いつの間にアンタそんなモノを?
男 「さっき俺が渡した、何か強い武器が欲しいと五月蠅いので
弟 「空間移送デバイスって必要じゃないの?
男 「あれは1回使い切りなんだ。帰りは別のデバイスを使おうと思っていた
★と言ってポケットから、水戸黄門の印籠風のモノを見せる
男 「こうやって、過去の時代の遺物に模して運ぶことが多いんだ
★姉と父、交戦する
◎姉、巧みな剣さばきで父の包丁攻撃をかわして行く、姉は父に剣を振り下ろすも、決定的なダメージを与えるのを躊躇する。
★父、姉の行動を見ながらニヤニヤして言う
父 「どうした?防戦一方な様だけど、まさか父さんを殺さない作戦とか言うんじゃないだろうな?
姉 「そのつもりだけど何?
父 「甘いね、お姉ちゃんは昔から、いつも弟をかばってばかりで自分の事は顧みない。そんな風に生きていたらいつか必ず損をする。そう、今みたいにね。
姉 「だったらどうなの?特にお父さんには何の損得も無いと思うけど?
★チャンバラのタテの様な攻防が繰り返される
男 「とりあえず、あと5分だけ持たせてくれ!俺たちは策を講じてまた戻ってくる
★交戦中の姉に男が叫ぶ
姉 「本当に?アタシ本当マジであと5分位しか持たないから、5分経ったら戻るのよ?!
弟 「姉ちゃん!僕が必ず助けるから!だから!
姉 「分かった!アタシも頑張るから、アンタも頑張りな!
弟 「うん!!
★男は舞台端に現れたグルグルとした渦の様な絵のセットに飛び込む。続いて弟と母と猫も飛び込んだ
◎舞台上は姉と父だけになる
姉 「さ~て、邪魔者も居なくなったし、本気出すとしましょうかね!
★そう言って、エクスカリバーをグルングルンと振り回す
父 「ほほう~、それは楽しみだな
★父、包丁をもう一本腰から取り出し、二刀流になる
姉 「マジか・・・・・
★姉、少し絶望気味に呟く
※シーン6 狭間の空間※
◎全員、洗濯機にでも入ったかのような動きで舞台中心に現れる。舞台には、イスが2つ置かれてる
★椅子にお母さんと猫が座る
男 「話せば長くなるんだが、いや二人が交戦している時間とこの空間とでは時間の流れ方が違うから、話しておこう
弟 「どれ位違うの?
男 「向こうで流れる時間は5分だが、ここでは約3ヶ月まで滞在出来る長さだ
弟 「そんなに長い話は聞けないよ・・・・精神的に
母 「長いと言っても多分10分位よ
弟 「なら聞いてもイイ
★男は、椅子に座る猫の背もたれの所に手をかけ、話し始める。椅子は観客の方を向いている
男 「最初にこの事象が何かしらの因果に引かれて起こった事象だと気付いたのは、俺たちの住む25世紀の歴史の中から見つけたんだ
弟 「ひぇ!25世紀?
男 「俺は、その時たまたま大学で日本史を専攻する大学生だった。数百年前に日本から始まった第三次世界大戦のその開戦する前に発覚した事件について調べていたんだ
弟 「第三次世界大戦?! 日本から始まったの??
男 「そうだ。そして世界は22世紀に入る頃には2020年の頃の人口の半分にまで減っている
弟 「・・・・そんな・・・・・
男 「その第三次世界大戦が始まるキッカケとなったのが、今庭先で死闘を繰り広げているお前の父と姉との壮絶な殺し合いや、姉を殺し終わった父が近隣の人を虐殺していくその事件だった事が分かったんだ
弟 「え?でもどーして?お父さんの殺人程度の事件で戦争が起こったの?
男 「実はこの、お前の父の凶行の原因になっているモノがある
弟 「原因?
男 「今から約13年前に、太陽系とは別の星系から謎の彗星が地球に向かって飛来してきた。そしてつい最近、地球スレスレに飛行して行くまで天文学者がなかなか気付けなかった
弟 「あ!それ知ってる!この間地球の近くを通過して、あわや激突?大惨事?ってニュースでやってたよ!
母 「もしかしてその日って、お父さんが近所で起こった謎の火事の現場の近くを通った時に、ススだらけになって帰ってきた時かしら?結局あの火事の原因、つかめず仕舞いだったみたいだけど
男 「それだ
母 「えええ?!それ??
男 「実はお前の父は、飛来してきた彗星、N95ブラック彗星の破片を浴びている可能性がある
弟 「ああ!その謎の火事の原因って、その彗星から落ちた破片が燃え残ったカスが家に落ちたから?って事
男 「そう言う事になるだろう
★男、椅子の周りを歩きながら2周ほどした後、お母さんの椅子の後ろに立つ
男 「俺は、お父さんが凶行に走らない様にするため、今あるこの世界線をコピーして、更に何千通りもの実験を重ねて来た。
まず、お父さんとお母さんが会わないようにしてみたり、お母さんが学生時代まで遡ってみたり、お父さんが凶行に走らない様に住宅街の道を通らせない様にしてみたり~と、
とにかくお前たちの人生に色々と干渉する実験をして、良い結果が得られた世界線に移行して行こうと模索してきた。
しかし見つからなかった。どんなに頑張ってもお前(弟)だけが生き残って世界は地獄になった。戦争を食い止めようとしたけど、N95ブラック彗星のススが蔓延したのか何なのか?人々は殺戮を好む様になった。
★男は、話しながら自分達が何も出来なかったことに対しての憤りを露わにする。時々床に胡坐をかいて床を叩いたり、荒々しい声で訴える
母 「私がこのお兄さんと知り合いと言うか、記憶に残っているのは、私が幼少期に干渉したデータがこの世界線に残っていると言う事になるかしらね?私の住んでいた忍者の隠れ里の村で、一緒に忍者修業した記憶が
弟 「お母さんのその、忍者の話マジだったのか~。
母 「そうよ!まぁ~信じてなかったのね。確かにアニメの見過ぎみたいな展開よね
猫 「しかも、そうやって世界線の実験をしているうちに、弟君やぼくに因果律が収束してきたニャ
男 「・・・・・
猫 「ぼくもかなり思い出してきたんだニャ、ぼくは弟君と一緒にずっと、この地獄の様な複製された世界で何度も何度も世界の終わりを見て来たんだニャ
弟 「猫!ずっと僕と一緒に居てくれてたんだね!
猫 「そうだよ、ぼくはずっと弟君と一緒に居た猫だったんだ、そして25世紀の猫に転生した
男 「コイツ、猫のくせに人語を介するからさ、25世紀にして猫股に会うとは?!ってマジで思ったけど、研究所で検査したらなんて事は無い、実験の産物で転生してきた弟の猫だったと言う訳だ
★男、やれやれ~と言った感じのポーズを取りながら、一つ咳払いをする
男 「さて、前置きが長くなったが本題だ、つまりはこれから起こるであろう第三次世界大戦やお前の父の凶行の原因になっているN95ブラック彗星が飛来して来ない世界にしなければならない
弟 「ゴクリ
男 「その為に、彗星が飛来してくるために必要なフラグを洗う必要があった。世界線をコピーしてコピーして薄くスライスする様にたくさんのこの時代の世界を作って実験してきたのは、正にそのためだと言っても過言では無いだろう。
猫 「そうしてボクは見つけたニャ。彗星が来ない様にする方法に、ボクは気付いてしまったニャ
★猫、そう言って涙を拭う
弟 「え?猫?どーして泣いているの?
猫 「彗星を飛来させないためには、弟君が生まれない世界を作らなければならないのニャ・・・・・
母 「そんな・・・・
弟 「・・・・・・
男 「何度も何度も、何度実験をしても必ず生き残るお前が、彗星をこの地球に飛来させている鍵になっていたんだ
★全員、中空を見上げて絶望的になる
弟 「・・・・・
★弟、しゃがみこんで頭を抱える。
弟 「・・・・・わかった
母 「それで、本当にイイの?弟はこの、世界と言う世界での存在を赦されなくなってしまうのよ?
弟 「でも、そうしないと、地球がオカシな事になっちゃう
母 「アナタの人生は?どーなってもイイの?母は反対です!弟が居ない世界に行かなければならないなんて!悲し過ぎる!!
★母、涙を拭う
弟 「でも、それでお母さんやお姉ちゃん、お父さんが助かって、平和な世界になるんだったら僕は嬉しいよ。僕が生まれない世界線だったら、元から居ない事になってるから、お母さんも多分僕の事気にしないで生きて行けるよ?そうだよね?お兄さん?
男 「そうだ。お前の言う通りだ・・・・・もしかして?
★男、弟の前に来て弟の肩を掴む
弟 「何か、僕も猫みたいに色々分かっちゃったみたいだよ。これからする事とか、これからどうなるのか。
男 「収束した因果律が、このタイミングで収束率が限界に達したか!
弟 「そうだね。そう言う事なんだろうね・・・・
★弟、全てを理解したかのような、スッキリした顔で皆の顔を見る
弟 「お姉ちゃんに、ちゃんとお礼が言いたかったな
母 「こ、これから言うのよ!これから狭間の空間を出て!
弟 「僕はこのままこの空間から、色々やって色々終わらそうと思う、それでイイよね?お兄さん
男 「ああ、それで頼む
母 「何言ってるの?アナタに何が出来るの?!
猫 「お母さん、今弟君には収束し過ぎた因果律のエネルギーが絡み合って、弟君のスペックを最大限に引き上げているんだ。だから、さっきまでの普通の中学生の弟君じゃなくなっちゃったんだニャ
母 「そんな!!
男 「別れの挨拶をした方がイイ・・・と言っても、俺たちはこの狭間の空間を出た瞬間、弟の事はおろか、弟が居たと言う事実も彗星が飛来してきた事も何もかも知らない事になるし、俺も多分強制的に25世紀に送還されるだろう
母 「それでも!私は、あなたの事忘れたりしない!!だって、私が産んだ子供なんだから!!
弟 「お母さん!!
★母と弟、抱き合って泣く。しばらく後離れる
弟 「じゃ、お姉ちゃんをお願いね。僕の事、お姉ちゃん忘れちゃうかもしれないけど、でも・・・・
★弟、涙を拭う
男 「そろそろお前の身体に因果律収束の限界が来る、力が最大限に引き出されている今のお前なら、ありとあらゆる事象の書き換えが可能だろう。
猫 「ボクもサポートで残るよ
母 「猫ちゃん!この子の事、お願いね
猫 「分かったニャ、お母さん!
弟 「お兄さん、色々ありがとう。僕、世界を正しい方向に戻すよ。お母さん、ごめんね。ありがとう。今まで楽しかったよ。僕、頑張るね。
男 「弟の力の収束にこの狭間の空間が耐えられなくなってきている!俺たちは外に出るぞ!急げ!!
猫 「お兄さん、またニャ!
男 「お前だけでも、戻って来いよ!!
◎照明が明るくなり、舞台全体を白い光で包む
★男と母、舞台から撤退 猫と弟だけが残る
※シーン7 因果律収束の空間※
★弟と猫向き合って座る
弟「手始めに何をすればイイ?
猫「まず、お父さんを原子分解して再構築する。その時に、N95ブラック彗星の燃えカスを除去するニャ
弟「もしかしてそれが?お父さんの殺意の正体?
猫「そうニャ、お父さんが殺意を抱いたのは、この彗星の燃えカスがお父さんの細胞に巣食った所為だニャ。お父さんから燃えカスを除去したら、キレイなお父さんへと再構築する
弟「そして、僕の生まれない世界線に送るんだ
猫「弟君、そしたらこの後、君は消えちゃうのニャ
弟「それでイイんだ、そうしないとまた彗星がこの星の上を通過して、第二のお父さんを生む
★弟、立ち上がって猫の周りを歩く
猫「この彗星がこの星の上を通過するためのフラグが、まさか弟君彗星が通過する13年前に生まれて来る事だったなんて、思いもしないんだニャ
弟「世界は、人が思っているよりも複雑な事象やフラグが絡まって出来ているからね、仕方が無いよ、お母さんはお父さんと出会わない世界線に、お姉ちゃんはそうなると生まれなくなっちゃうのかな?僕みたいに。
猫「お姉ちゃんは別の時代で生まれて来るにゃ、心配しなくても大丈夫だニャ、でも弟君はもう永遠にこの世界では生まれない。永遠にお別れなんて、サミシイにゃ。
弟「これが多分、僕と猫に課せられた使命だよ。って言うか、僕の夢とか希望とか好きなアニメみたいな展開になって、僕は結構満足だよ。
猫「弟君!
弟「だから猫、もしまた僕が世界に赦されて、この世界のどこかに生まれたらまた、僕の猫になってくれる?
猫「ニャニャ!!
★立ち上がって猫と弟握手をする。
◎握手している手の間から光が溢れて行く様に照明を当てる
―ーーー終幕―-----
☆後日談☆
男 「気が付くと俺は、25世紀の日本史研究所に戻って来ていた。記憶は・・・・何故か消えていない。
弟の事もしっかり覚えている、不思議だ。焦った俺は、300年前の日本史の資料を漁る。21世紀末に起きたであろう、第三次世界大戦の記録を探した。
しかし、そんな痕跡は無く、代わりにオリオン座のベテルギウスが超新星爆発を起こして人類の半数が犠牲になったと記載されていた。
つまり、戦争が起きなくても何らかの要因で人類が半数居なくなる事象は書き換えられなかったと言う事になる。
人口が半分になってからの歴史は、オリオン座が原因でも戦争が原因でも、さして変わらなかった。
つまり、N95ブラック彗星が来ても来なくても、この地球の人口が減る事だけは宇宙を管理しているかも知れない神の配剤で決められていた事なのだろう。
だからある意味、弟の選択は無駄だった・・・・のかも知れない。
いや、家族を殺されたり周囲の人も死んだりする、悲惨な現実にならなかっただけ、ある意味弟の選択は間違って居なかった。
人々が、一定期間だけでも幸せを感じられる時間を共有し続けられたと言う事だけでも、弟の判断は間違って居なかった。
俺は、そう思ってこれからを生きて行く。
そういや、全然猫が戻ってこないが・・・・
あいつも、因果律の彼方に飲まれたか?
猫 「ニャーニャー
☆道端に、普通の猫現る
男 「あいつも。見つけた時はこんなだったな
猫 「ニャーニャ~~ン
男 「ま、イイか。アイツが転生して、やっとこ戻ってきたのかも知れないしな!
☆男、猫を抱きかかえて歩き出す。その足取りは、軽やかだった。
ーーーーーーー完全終幕ーーーーーー
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
後日談の部分は、劇として演じる場合は演じても、演じなくても良いと思います。この辺は上手い事編集してやってみてください。
なるべくハッピーエンドになる様に仕向けたかったのですが、微妙な終わり方です。賛否両論あると思います。それと、広げた風呂敷もちゃんと畳みたかったので、途中で無理している部分も見え隠れしているかも知れませんが、ご了承頂けるとありがたいです。
それでは、この脚本が、どこかの演劇サークルなどで生かされる未来がある事を祈って・・・・・・