🇨🇱チリ 想像を遥かに超える大都会、サンティアゴ
チリのカラマから飛行機でサンティアゴへ移動した。
ここでの目的は狂犬病ワクチンの接種と、クスコ行きの飛行機に乗ることだ。
狂犬病ワクチンの接種のため、サンティアゴまで戻ってきた話
この1週間でパタゴニアのプエルトナタレスからサンティアゴを経由してカラマへ飛び、そこからサンペドロ・デ・アタカマ、アタカマ砂漠と抜けてウユニへ移動していた。
ただ途中で犬に噛まれ、ウユニの街で狂犬病ワクチンを探したが見つからず。
結局カラマまで戻り、市内の病院で接種を終えた。
2回目の接種を3日後に控えているため、医療の整ったチリに留まることを決め、サンティアゴに移動して観光しつつワクチンを接種することにした。
次の目的地であるクスコへも、サンティアゴからは安価に航空移動できる点も魅力だった。
サンティアゴは驚くほど発展していた
南米に住むとしたら、僕にとってはサンティアゴが最有力だ。
1週間前にサンティアゴを訪れた際は空港近くで夜を明かしたのみであり、街へは行かなかった。
今回街を訪れて、その経済発展度合いに驚かされることとなった。
カラマやプエルトナタレスといった地方都市も含め、もしかしたら南米ではチリが1番発展しているのでは?と思えたが、チリがそれほど凄いと知っている日本人も少ないだろう。
僕は知らなかった。
十分な医療インフラ
僕は狂犬病ワクチンの接種のためいくつかの医療機関を回ったが、いずれも設備は清潔で衛生管理も行き届いているように見えた。
病院では皆マスクをし、当然かもしれないが注射前には自分の手を入念に洗って消毒しており、安心できる状態だった。
病院やクリニックはたくさんあり、いくつかは24時間対応している。
薬局に処方箋を持っていけば薬を出してくれる。この辺りは日本の光景とほぼ変わらない。
ちなみにもう一つ面白い薬局の役割が、SIMカードの通話やインターネットデータ利用をチャージしてくれることだ。
僕が利用したEntelはスマホアプリでもチャージ出来るが、最初は薬局で電話番号を伝え、お金を渡してチャージしてもらった。
SIMカードは何故か通信会社(docomoやauの店舗のやうなもの)では購入できず、家電量販店や売店で購入する。
発達した交通網
街中はとにかくバスが多い。
ラッシュの時間帯の信号待ちはバスで埋め尽くされるくらいだ。
そして6路線ほどだがメトロもあり、市内中心部を網羅している。
これらに乗るにはメトロの駅でBipカード(1550ペソ、約250円)を購入し、お金をチャージして乗る。
これが本当に便利で、電車もバスも10分も待たずに来るし、バスにに関してはGoogleマップでルートやバスの位置情報も見られる。
料金も時間帯によるが、1回あたりおおよそ100〜150円ほど。
特にメトロのカードに関しては世界的な半導体不足の影響なのかアルゼンチンでは全く手に入らず、日本でもSuicaカードが販売停止した話を聞いたが、ここでは豊富に在庫があるようだ。
Uberも簡単に見つかるので、移動は非常に快適だ。
晴天の多い天気、だが空気は汚い
サンティアゴに滞在した2日間は雲一つない晴天だった。
調べると夏のサンティアゴは晴天が非常に多いとのこと。
天気に気分を影響されがちな僕には、この点も気に入った。
ただ、空はかなり霞んでいる。
空港に着いた時からおや?と違和感を感じていたが、街を歩いていても少し離れたビルは霞んで見えづらく、街の背後に聳える山脈は消えかかっている。
近くに街を一望できる丘があったので登ったが、ここまで霞んでいるのはエジプトのカイロと並んで他に見た記憶がない。
丸の内を思わせる新市街
サンティアゴはオフィスビルが立ち並ぶ新市街と、歴史的な建築物が並ぶ旧市街に分かれている。
新市街といってもタカが知れているのでは?と思いつつ時間があったので行ってみたが、驚くほど洗練されていた。
道は広く、街をゆく人はオフィスカジュアルな服に身を包み、傍にはモダンなビルが立ち並んでいる。
思わず目を奪われるようなビルもあった。
また新市街の外れには南米で最も高いビルがあり、傍には巨大なモールもある。
ここにあったスーパーマーケットは規模・品揃え・清潔さ共に南米で訪れたどのスーパーよりも優れていた。
大通りから道を逸れると緑豊かで落ち着いた路地裏になっており、気持ちを落ち着かせてくれる。
観光名所とマーケットが集まる旧市街
旧市街の街並みはブエノスアイレスに似ており、通りにはコロニアルな美しい建築物が立ち並ぶ。
そのうちの幾つかは博物館や美術館になっている。
主要観光地のアルマス広場やモネダ宮殿周辺の通りは夜まで人で賑わっており、道端ではたくさんの露店が出ている。
ここまで経済が発展した都市には珍しく飲食系の露店が多く、食べ歩きも楽しめる。
ただ、警察官が来ると絨毯を敷いただけの露店商は皆一斉に急いで畳んで散らばるので、違法なのだろう。
とはいえ散らばると言ってもその場からいなくなるわけでも無く、素知らぬ顔で適当に歩きながらやり過ごし、警察官も特に注意するわけでも無く去り、また絨毯を広げる。
コントのような茶番だが、見ている分には滑稽で面白い。
また旧市街の外れにはマーケットがいくつかあり、安価にチリ料理を食べられたり、観光客価格で海鮮料理を食べられる。
マーケット周辺ではやはり露店が出ていて、食べ物が安く手に入る。
僕がワゴンカーの露店商から食べ物を買った時も警察官が来たようで、食べ物を渡されて猛スピードで逃げていった。
ソースが必要だったので僕もしばらく追いかけ、落ち着いたところでソースをかけてもらう羽目になった。
とはいえ外食代が高いチリで500円程度でお腹いっぱい食べられる露店は魅力的だ。
宿泊先の近くではいくつかキッチンカーが出ていたが、ここで食べられるホットドッグが非常においしく、2日連続で購入した。
日本と同程度の水準に発展しつつ、マーケットや露店を楽しめると言うのは、僕にとってはこの上ない魅力だった。
ファッションやアートを楽しむ人々
サンティアゴが明確に他の都市と異なる点は、街を行く若者の格好の多様性だ。
様々な服装、メイク、髪型や髪色の若者で溢れ、お洒落を楽しむ文化が浸透している。
この点は他のどの都市よりも多様性が顕著だった。
また街中の路地はペイントが施されており、もちろんただの落書きもあるだろうが本格的なペイントも多く、つい写真を撮りたくなる。
落ち着いた治安・物価
サンティアゴは南米の大都市の中では比較的治安が良いとされる。
実際、サンパウロなどと比較しても貧富の差は小さく感じ、ホームレスも目立たない。
おそらく国民の経済力の中央値が高く、それが治安の良さにも影響しているのだろうと推測できる。
夜も繁華街は人で賑わっており、あまり物騒な感じはしなかった。
また物価もアルゼンチンやウルグアイよりは落ち着いており、ブラジルと並んで日本に近いと感じた。
スタバやマクドナルドも日本より多少高いくらい。
ただ、外食代は安くない。
普通のレストランでもハンバーガー等の1品メニューが1,500〜2,000円ほどする。
最後に
サンティアゴは日本人にとっては存在感の薄い都市だと思うが、発展していて旅行しやすく、見どころもそれなりにあるので訪れる価値は十分にあると思う。
またバスで数時間行けば世界遺産のバルパライソや観光リゾート地のビニャデルマールもあり、合わせて訪れると良さそうだ。