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🇵🇪ペルー・🇨🇴コロンビア アマゾン地帯とハンモック船

クスコの次の目的地はアマゾンの都市イキトス。
この旅で何度もお世話になったLATAM航空で移動した。
ここアマゾン地帯が、南米周遊最後の目的地となる。



陸路で行けない世界最大の都市、イキトス


アマゾン地帯にあるイキトスへは陸路では行けず、船か飛行機を利用することになる。
イキトスは人口40万人を超えるペルーの主要都市。陸路で行けない世界最大の都市と呼ばれる所以だ。

これまでの南米諸国の都市と異なり、ここでは主な交通手段はトゥクトゥクとバイク。
これらが忙しく走り回るその光景は東南アジアを思わせ、南米において異国情緒を漂わせる。

現地の路線バス
手を挙げて止まってもらう

市場では焼いた芋虫や亀の肉などが見られ、街の端まで歩くと目の前にアマゾンが広がっている。

街の川沿いの光景。
見えるのはアマゾン川ではなくマラニョン川。


1泊2日のアマゾンツアー


イキトスでは1泊2日のアマゾンツアーに参加した。
利用したツアー会社はAmazon Green Treasure Tours。

対応も良く、空港送迎もしてくれる等とても良かった。
後述するスローボートには、彼らのおかげで乗れたようなものだ。

アマゾンツアーの詳細は以下の通り。

1日目
9時頃にホステルでピックアップ
 ↓
1つ目の施設を訪問。ピラルクやピラニアなど水生動物を主に観察
 ↓
アマゾンの中にある宿にチェックイン
 ↓
ジャングル探索と村訪問
 ↓
夜のジャングルを探索

2日目
ジャングルを散歩して朝日を見に行く
 ↓
猿の保護施設を訪問
 ↓
動物の保護施設を訪問
 ↓
先住民族であるるヤグアス族を訪問
 ↓
18時頃にイキトスに帰着

※多くのツアーは2泊3日が一般的なため、僕の旅程はイレギュラーかもしれない

まず、多くのアマゾンの生き物たちを見られたことがよかった。
ピラルクやピラニアは代表格だろう。

ピラルク。とにかくデカい。
オオハシ。鮮やかな青色が美しい。
アナコンダ
ナマケモノをこれほど近くで見たのも初めてだ


そしてアマゾンに住む人たちの村では、彼らの生活を窺い知ることが出来た。
村には初等学校(小学校に相当)はあるが、それ以降は近くの村まで1時間ほど歩いて通学する。
大学に行くことは金銭的にも不可能に近いそうだ。
そのため、彼らの多くは生まれ育った村周辺で生涯を過ごすとのこと。

初等学校の教室
村の一般的な家

家は木を継ぎ合わせた簡素なもの。水位の上昇に備えて少し高床式になっている。
当然ドアや窓は無く、部屋という区切りも見当たらなかった。

行政の支援もあるのか、意外にも電気と水道は通っていた。

夕方になると子供達が広場に集まってきてサッカーを始め、暗くなると散っていった。

子供達がサッカーをする広場


そして個人的に楽しみにしていたのが、ジャングルの中を歩くこと。
ジャングルを歩きながら、生える草木についてこれは頭痛に効く、この葉は昔は皿代わりにしていた等、ガイドが教えてくれるウンチクが面白い。
夜の散歩ではタランチュラにも遭遇した。

ジャングル探索
様々な実がなっている


最後に訪れたヤグアス族は所謂観光部族とも受け取れるものだったが、実際は観光客が自分たちの村に来ないよう、あえて寄りやすい場所に滞在してくれているそうだ。
実際はそこから徒歩で2時間ほど奥まったところに住んでいるとのこと。

ヤグアス族を訪問。
彼らは独自の言語で会話している。


住民たちの足となるスローボート


2日間のアマゾンツアーからイキトスに戻り、そこからはスローボートというものを利用して、2泊3日でブラジル・コロンビアとの国境の島サンタロサまで移動した。

乗船した船
皆ハンモックでくつろいでいる

こういった船は元々貨物を運ぶためのものだったが、住民が移動のために乗り込むようになったのが始まりらしい。

僕が乗ったものは1階が貨物になっていて、2、3階が乗客用のスペースになっている。
皆それぞれハンモックを持ち込み、その上で過ごす。
日本のバックパッカーの間ではハンモック船とも呼ばれている。
乗船料金は80ソル(約3,300円)だった。

僕は駆け込みで乗船したためハンモックを準備できず、船長から20ソル(約830円)で借りた。
メッシュになっていて涼しく、快適だった。

何故駆け込み乗船になったかというと、アマゾンツアーの帰りの送迎中にフェリーの有無を確かめるため港で降ろしてほしいと言ったところ、ツアー会社の方がトゥクトゥクに乗せて一緒に探してくれた。
イキトスには港がいくつもあるが、2ヶ所目に寄った港で30分後に出発する船を見つけたため、そのまま乗船した。

旅程の都合上翌日に乗船することは厳しかったため、この日のうちに乗れたことは幸運だった。
1人では時間までに辿り着けなかったかもしれない。

ちなみに座席が完備されたファストボートもあり、こちらの所要は12時間ほど。

船上での生活

船自体はかなりボロい。
扱いも雑で、村へ停泊する際になにかと他の船に体当たりしている。
操縦室もかなり簡素だが、それでもちゃんと動くのだから意外となんとかなるものだ。

船旅自体は至って快適で、川のため波で揺れることもない。
走っている限りは風が心地よく、ハンモックでくつろぎながら他の乗客と話をしたり、Kindleで本を読んで過ごした。

船からの眺め
途中の村々

船内には売店もある他、なんと3食のご飯もついてくる。
そしてこれが普通に美味しい。

売店
朝食。スープはアベナと呼ばれるもので、お汁粉に似ている
昼食。豆、米、鶏肉、芋、バナナが入っている。
夕食も似たようなものだった。

トイレやシャワー、洗面台もあるが、蛇口を捻るとアマゾン川の茶色い水がそのまま出てくる。
僕はこの水で歯磨きやうがいもしたが、特に腹痛等は起こさなかった。

洗濯物があれば、甲板の手すりに干しておけばすぐに乾く。

クルーズ旅行はしたことが無いが、多くは豪華な船旅だろうからこういうのも悪く無い。

村では人も牛もあらゆる貨物も乗り降りする

2日目は少し進んだら川沿いの村に寄ることを繰り返したため移動距離が進まず、また停泊している時間が長いため風に当たれず暑かった。

村に着くと一部の乗客は降りて行き、新たな客が乗ってくる。
牛や豚も乗ってきたが、豚はいつの間にかいなくなっていた。

途中から乗ってきた牛

途中からはトゥクトゥクも乗ってきて、運転手はハンモックでは無くその客席で寝ていた。
なんとも変化があって面白い。

最後に寄った村では巨大なエンジンのようなものを降ろそうとするのだが、村には搬入のための機材もないため上手く降ろせない。

最初は20人ほどで持ち上げようとしたがびくともせず、他の荷物を固定していた長い綱を使い、住民や乗客の男総出(もちろん僕も)で引っ張ることに。

皆で綱を引っ張る

ただ岸と船で高低差があり落としたら確実に壊れそうな高さのため、より適切な高さだが木々で覆われた別の岸に勢いよく船首を突っ込み、木々を押し除けて着岸した後に皆で綱引きの要領でなんとか引き降ろした。
ざっと100人くらいは綱引きに関わったのでは無いか。
それでも数メートルほどずつしか動かせなかったので、最初の20人ほどで持ち上げようとしたことがどれだけ無謀だったかは言うまでもない。

コロンビア側のアマゾンの街、レティシア

船は3日目の午後3時頃にサンタロサへ到着。
出国手続きをした後に小舟で対岸のコロンビアへ渡り、入国を済ませた。

のどかな光景のサンタロサ

コロンビアのイミグレーションオフィスはまさかのボート。
川の水位上昇に対応するためだそうだ。
今まで様々な国境を超えてきたが、イミグレーションオフィスがボートになっているケースは初めてみた。

街の名前はレティシア。
サンタロサは小さな村と呼ぶに相応しいが、こちらは結構栄えている。

レティシアの街中
川沿いの家は高床式になっている

街中にはやはりトゥクトゥクのようなものが走っており雰囲気はイキトスに似ているが、こちらの方が狭い範囲に店や人々の生活圏が集中しているためか、中心部はかなりの活気を感じる。

路地は露店で賑わっている
市場では魚もたくさん売られている

物価は相変わらず安く、お店でビールを飲んでも200円未満、露店のパンはほんの何十円といったところ。
南部のチリやアルゼンチンとは相当な経済格差がありそうだ。

ここレティシアに1泊したのち、日本への帰路に着く予定。
イキトス〜レティシアまでの旅で、アマゾンとそこに住む人々の生活を間近で観察することが出来、素晴らしい体験になった。

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