🇪🇬エジプト④ ルクソール滞在
ルクソールには定刻通りに到着した。
8時発、20時着なのでちょうど12時間だ。
カイロ〜ルクソールは鉄道で500km離れており、これは新幹線の東京〜大阪とほぼ同じだから、如何にエジプトの鉄道が鈍足かが分かる。
のぞみなら2時間30分程度で走破できる距離だ。
ルクソールの街
ルクソールはカイロの一部分を切り取って圧縮したような街だった。
道路は狭く、人はカイロより密集しているように感じる。
馬車が走っているため、道路は馬糞まみれでカイロよりも汚い。
もちろんゴミだらけだ。
ルクソールはナイル川を挟んで東西に分かれているが、街の中心部は東側だ。
西側は静かで、砂漠と遺跡が広がっている。
古代ルクソールではナイル川の西側は死者の場所と考えられていたようで、最大の見どころである王墓は西側に集中している。
西側観光
ルクソール博物館前から対岸へ渡るフェリーが出ているので、10ポンド(約50円)支払って対岸へ渡る。
ここでも客引き達が熱心に自分のボートへ勧誘してくるが、50ポンド程度と割高な上にすぐ横に公共のフェリーがあるので、一体誰が利用するのか分からない。
対岸へ渡って5分ほど歩くとマウンテンバイクのレンタルをしている店があるので、17時の閉店まで175ポンド(約850円)で借りた。
まずは1番奥にある王家の谷から行くことにし、登り坂メインの道を40分ほど行くと到着した。
王家の谷
入場料は600ポンド。(約3,000円)
狭い範囲に古代エジプトの錚々たる王達の墓が所狭しと存在している。
10箇所ほど公開されている墓のうち、3つの墓のみ入場可能だ。
また追加オプションで入れる墓もいくつかあり、有名なツタンカーメンの墓は500ポンド(約2,500円)、状態の良いセティ1世の墓はなんと1,800ポンド(約9,000円)だ。
入場券だけでは3つしか入れないのは何ともケチくさいが、ここはエジプト。各墓の前にはチケットをもぎる人がいるが、50ポンド(約250円)ほど賄賂を渡すと中に入れてくれる。
僕は3箇所ほど賄賂を渡して見せてもらった。
王墓はロマンの塊だった。
いずれも3,000年以上前のものが、そのままの姿で残っている。
わざわざ来る価値のある場所だった。
追加でツタンカーメンの墓にも入ったが、なんとここには彼のミイラが置いてある。
物凄い有名人にあったような気分だ。
ミイラと2ショットを撮っている人もいたが、流石に死体と撮る気にはなれなかった。
上の写真に写っている石棺は元々4重の木棺に入っており、その石棺の中は3重の黄金の棺になっており、その中に黄金のマスクを被ったツタンカーメンがいたそうだ。
凄い話だが、墓自体は他の王の墓よりもかなり小さく、王としては目立たない存在であることを物語っていた。
盗掘を免れたのはツタンカーメンの墓だけのようだが、それぞれの墓は密集しており、彼の墓もなぜ見つからなかったのか不思議なくらい分かりやすい位置にある。
その他の西側観光地
古代エジプトで栄華を誇った女王の祭殿も大人気だった。
こちらも3,000年以上前のものだ。
また少し離れたところに王妃の谷もある。
その名の通り、王ではなく王妃の墓がいくつかある。
入場料だけで入れる墓が3つと、追加料金でネフェルタリの墓に入れる。が、追加料金の額はなんと2,000ポンド(約10,000円)だ。
僕は王家の谷でお腹いっぱいになっていたので入らなかったが、保存状態が非常に良いらしい。
ちなみにネフェルタリは、古代エジプトの王で最も成功したと言われるラムセス2世に寵愛された女性だ。
有名なアブシンベル神殿には2つ神殿があるが、ラムセス2世の大神殿とネフェルタリの小神殿で構成されている。
ハトホル神殿
ルクソールから車で1時間ほど離れたケナという街にハトホル神殿がある。
ここは本当に素晴らしかったので、余裕のある人はぜひ訪れて欲しい。
アブシンベル神殿が霞むくらい規模が大きく、圧倒される。
僕はルクソールからの往復タクシーを800ポンド(約4,000円)で手配した。
東側観光
東側はルクソール神殿とカルナク神殿、2つを結ぶスフィンクスの参道が見どころだ。
西側よりは簡単に回れる。
ルクソールは見どころが多いが、2日あれば主要観光地は回れる。
僕は西側観光に1日、ハトホル神殿と東側観光にそれぞれ半日かけた。
殆どの遺跡はチケットブースが16時に閉まり、遺跡自体も17時に閉まるようだった。
ルクソールからアスワンへ
アブシンベル神殿を見るため、アスワン行きの鉄道のチケットを買う。
1等席は21ドル、2等席は16ドルだった。
カイロからルクソールまでは1等席に乗ったため、今回は2等席に乗ることにする。
1等席よりだいぶボロく汚いが、割と快適だ。
電車はちょうど1時間遅れてきた。
その間にも何本も電車が来るので、その度に売店の青年などにこの電車で良いか聞いた。
英語もヒントも一切ないので、外国人が独力で正しい電車に乗るのは不可能に近そうだ。
アスワンへは所要3時間30分ほど、1時間遅れで到着した。