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俺たちはあの時UKにいた。 | DAY 1 [IN BRISTOL]


2020年3月11日にWHOからパンデミック宣言が出される直前の2月下旬、The Shamisenists(シャミセニスト)はイギリスにいた。


ツアー初日は、あのスプレーグラフィティ文化をアートとして広めた神出鬼没のアーティスト、バンクシーが生まれ育った街、ブリストル。

入り時間まで想い想いの時間を過ごし、いざその日のヴェニュー「The Old England」に入店したが、お店のオーナーは極東から来た無名のバンドの俺らに対し、しばらく目さえ合わせてくれなかった。

リハーサルは何時から?と聞くと、「とりあえず俺が良いというまでそこで待ってろ、野良犬たちが。」こんな感じで。(爆笑)

まあそんな事もあるだろう。
言葉にはしなかったけど、メンバーそれぞれ反骨精神が燃え上がったのかもしれない。

いざ、本番で音を出したら、バーカウンターでパイントを飲んでる若者たちや、二階でビリヤードを嗜んでいる英国紳士たちが、みんな駆け足でステージに集まってきた。

結局バンド史上初めてのヨーロッパでの音出しは、アートの街ブリストルで、地鳴りのようなアンコールを貰える程の盛況を魅せた。

例の冷たかったオーナーは終演後、

「次のUKツアーの時もうちに寄ってくれよな。いいか?ただ寄るだけじゃなくてライブも必ずやるんだぞ。万が一楽器なしなんかで来たら、ただじゃおかないからな!とにかく今日は最高だった。チアーズ!」

とキンキンに冷えたビールを渡してきた。
このライブ前とライブ後の態度の急変は、ある意味予想していた結果だった。(ニヤリ)

どっかのリーダー(俺)が投げ銭であることをアナウンスし忘れてしまったせいで、金額こそ少なかったが、このクイッド(ユーロの別称)の事は一生忘れることはないであろう。

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DAY2 STROUD編へと続く

寂空

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