行雲流水

皆さん、ライフワークとライスワークという言葉をどこかで聞いたことありますでしょうか？

ライスワークとライフワーク

ライスワーク＝ご飯を食べるための収入源を得るための活動　
ライフワーク＝夢や自分の生き甲斐を追い求める活動

砂漠の旅人のたとえ

まずはちょっと抽象的な話から。
例えば、ある目的地を目指して歩いている砂漠の旅人がいるとして、彼はその目的地に向けて一心不乱に旅路を進めているのですが、当然砂漠ですから喉が乾く訳です。
できたら目的地までの距離を縮めたい。でも本当に喉が渇いた。
そんな時A地点で、すれ違いざまの村人から北へ10キロ歩いたところにオアシスがあると聞いて、旅の軌道からは大きく外れてしまうけど、まずは渇きをしのぐために旅人は村人に言われた通りオアシス目指して北へ向かいます。
ようやくたどり着いたオアシスで思う存分乾きを潤し、水筒いっぱいの水を汲んで、またA地点に戻って旅を再開させる訳ですが、また数日後に水筒の水が底を尽きてしまいます。今度はB地点でまた別の村人に教えてもらいます。南東に30キロ行ったところにオアシスがあると。
一晩中歩いてようやくたどり着いたオアシスで潤沢な水源に歓喜するのですが、翌朝その輪郭を露わにしたオアシスを見て旅人は驚愕します。
今いるオアシスは数日前にA地点で村人が教えてくれたオアシスと全く同じオアシスなのだと。

最初っからゴールから逆算した日数の食料や水をどこかの街で確保していて、その軌道上を歩き進んでいればペースが遅かれ早かれ、まったく健全だったはずなのですが、進んでいると思っていた道がいつのまにか背後にあり実は後退していたり、大きく横道を逸れてしまって数日後には食糧や水が枯渇しまっては文字通りの死活問題です。

つまり何が言いたいのかと言うと、いつのまにかライフワーク=生き甲斐として情熱を注いでいたものがいつの間にかお金を稼ぐ手段=ライスワークに変わってしまい、結果的に大きな遠回りになってしまう。と言う事が自分も含め誰にでもあるのです。　　

ジブンの話

元々自分は自分の追い求める三味線奏者像みたいなのがあってそれを目指し、ビジョンを追い求めて活動をスタートさせた訳ですが、途中で少しづつ専門分野としてお金を頂く様になって行き、近年お陰様で少しづつ責任のある舞台も増えてきました。
その道が自然で、無理なく、しかもそれが当人にとっての幸せな人生とイコールになるんだったら誰も文句は言いません。
しかし、僕はまた違ったベクトルの世界で人生を遊泳しています。

先の砂漠の話に例えると、僕にとっての目標はオアシスで乾きを凌ぐ事ではなく、目的地に辿り着く事。いや、正確に言うと目的地を目指すその行為そのものに価値を置いていると言っても過言ではありません。

例え最終的にその場所にたどり着けなかったとしても、その道の過程にこそ人としての成長があり、周りに影響を与える事のできる人物像に繋がってくると信じています。

どちらかというと、オアシスなんかどうでも良いから水のありかを教えてくれた村人と仲良くなって、現地の事を学んだり、彼らと酒を酌み交わしながら心と心の交流ができる人間でありたい。目の前で困っている人がいればその人を救える人間でありたい。とそう思うのであります。

とは言いつつも、言葉にするのは簡単で、僕も今までなんども何度も道につまづいて、自問自答をしながら大小さまざまな軌道修正をしてきました。

そういう意味ではライスワークとライフワークは、使命と天命のセットや転職と天職というセットにも置き換えられるかもしれません。

コロナ禍がもたらしてくれたもの

このコロナ禍の中たくさん時間があったのもあり、自分の現在地点と目標地点の座標が少しづつクリアに見えてきた部分があり、その中で一つわかった事があります。それはライスワークとライフワークを混同しないように注意を払わなければならないという事。

"自分が本当にやりたい事がお金と直結することは希である"というドリームブレイカー的な現実主義を訴えたいのではなく、自分の中でのライスワークとライフワークをしっかり頭の中で、そして心の中で整理することによって、より真っ直ぐに目標を追いかけられるガソリンになるんじゃないかと確信しはじめているのです。

多くの人がやりたい事とお金を稼ぐ事を天秤にかけてしまうと思うのですが、共存させるようなイメージで新しい自分のライフスタイルを創造していきたいと意気込んでいます。

ついつい長くなってしまいましたが、次の記事では今後僕が展開して行くライスワークについて皆さんに少しづつ発表していければいいなと思っています。

寂空-JACK-   #収束後のより良い世界を願って