【ちょっと高度な英語表現】 cherry picking
前回の記事の中にあった,「チェリーピッキング」(cherry picking)という英語表現を取り上げます。元の形は,辞書によってさまざまな形で出てきます。
"cherry pick"
"cherrypick"
"cherry-pick"
などがあります。いずれも動詞で,「入念に選ぶ,良いものだけを選ぶ,えり好みして買う」などの意味になります。
wiktionaryで語源を調べてみると,次のように出てきます。
A metaphor, from the idea of picking through a bowl of cherries and seeking the best for oneself, or the idea of picking off the cherries for oneself from a cake or dessert.
ボウルの中のサクランボの中から自分のために一番いいものを選んだり,ケーキにのっているサクランボを自分のためにとっておいたりすることから生まれた比喩で,そこから転じて,「自分にとって都合のいいものを選ぶ」という意味になったことがわかります。
私たちの脳は,自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識的に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしなかったりする傾向にあるそうです。それを,
確証バイアス(confirmation bias)
といいます。特に,研究などでは,自分の見解に合うものを拾い上げ,自分の見解に合わないものは「例外」とみなしがちなので,客観的に考えることで "cherry picking" を回避するよう心掛けなければいけません。