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東大入試で学ぶ英文解釈(1) 解説(SVの発見)
解説に入る前に,記号の確認をしておきます。英語は「品詞で読む」ものなので,以下のようにカッコは品詞で分けます。
名詞句・名詞節 ⇒[ ]
形容詞句・形容詞節 ⇒( )
副詞句・副詞節 ⇒ < >
さて,本文の解説に入りましょう。この文章はポイントが多いので,何回かに分けて解説していきます。
* 問題はこちらです☟
今回はこの英文の
SVの発見の仕方
に焦点を当てます。構文的視点と内容的視点の2段階に分けて説明したいと思います。
(1) 構文的視点
最初が前置詞句で始まっています。文頭にある前置詞句は副詞句と決まっています。だから,主語にはなれません。
【構文ルール】文頭前置詞句は< >のはじまり
したがって,文頭前置詞句を< >でくくります。一瞬,
<In the example>
でくくり,I(=S),talking(=V)と考えてしまうかもしれません。しかし,後ろを見ると,continues があります。continue には三人称単数現在の "s" がついていることに着目してください。
三人称単数現在の形は,述語動詞
にしかなりません。だから,ここで,
continues が V
と捉え直します。Vの前はすべて主語なので,述語動詞が三人称単数現在の形になる名詞を探すと,"the person" しかありません。これをヒントに構文を捉え直すと,
<In the example (I am talking of)> the person continues …
となります。"In the example I am talking of" が副詞句で," the example" の後ろには関係代名詞が省略されていて,"I am talking of" が,"the example" にかかる形だと判断できます。
(2) 内容的視点
第3文と第4文のつながりを考えてみましょう。
I am not talking hereabout victims of senile dementia.
In the example I am talking of the person continues …
太字の部分がきれいに対比されていることに気づきます。第3文と第4文の間に,"but" を補いたくなる感じがします。
「私はここで…に関して話しているのではない。私が話している事例では…」とつながります。仮に,"I am talking of the person" ととったとしても, "the" person とあるので,「どの人?」となってしまいます。内容面を考えても,
<In the example> I am talking of the person …
は無理だということになります。
英文を読むときは,構文的視点と内容的視点の両方を常に捉えながら思考することが重要だということを教えてくれるような良問ですね。
* 解説の続き(解説編②)はこちら☟