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「考える力」を身につけるためには

 PRESIDENT online の「東大生が断言『頭が悪くてすぐにググる人はもっと頭が悪くなる』」という記事を元に,「考える力」を身につけるために必要なことを考えます。

 この記事には次のような例がありました。

 さて、突然ですが今からみなさんにクイズを出します。以下の英文を和訳してみてください。

“Buffalo buffalo Buffalo buffalo buffalo buffalo Buffalo buffalo.”

……どうですか?わけわからないと思われた方が大半なのではないでしょうか?例え『どこがわかりませんか?』と聞かれても、『わからないところがわからない』と答えるような状態だと思います。

 この英文の意味がわからなくて調べたいとしても,「どこがわからないか」がわかっていないと,調べようがありません。この英文の

どこまでがわかって,どこからがわからないか

が把握できていないと,調べることすらできないということです。

調べることができなければ考えることもできません

 「わかる部分」と「わからない部分」を区別するためには,

「知識」

が必要です。上記の例で考えてみましょう。

 英文を読むときに重要なことは,「構造を捉えること」と「品詞で読むこと」だと「知って」いれば, "baffalo" を「名詞」しか知らないけれど,もしかしたら「動詞」があるかもしれないと「考え」,調べることができます。どれがメインのSVなのかを「考え」ようとします。「知識」を使って思考していく中で,つまづいている部分を発見でき,検索したり,質問したりすることができます。そうすると,質問が具体的になります。

 しかし,「知識」がなくて「考える」ことができない学生は,「この英文の意味がわかりません」というように質問してきます。前者と後者では,その後の伸び率も,質問に答える側としての解説の仕方も大きく変わります。

 グーグル検索は非常に便利です。“Buffalo buffalo Buffalo buffalo buffalo buffalo Buffalo buffalo. 意味” などと検索エンジンに入れれば,何かしらの解答は出てきます。

 しかし,そのような検索ばかりをしているとこの英文の意味を考えるプロセスをすべてカットしてしまうことになり,結果として「考える力」がつかない,もしくは低下することになってしまいます。

 「知識」と「思考」は表裏一体です。「知識」がなければ「思考」はできません。「知識偏重」でも「思考力」はつきません。誰かに聞くにせよ,グーグルで調べるにせよ,「知識」を身につけ,「わかる部分」と「わからない部分」を明確にし,分析するというプロセスを忘れないことが大切です。


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