売掛金の回収に行ったら中国マフィアが出てきてガクガクブルブルした話
タイトルどおり、中国マフィアに
「金を払え。払えないならなんか金目のモンを出せ」
とスゴんでみたけどガクガクブルブルが止まらなかった、という話です。
「海外では現金じゃなきゃ商売はやってはいけない」を改めて強く認識してもらえるはずです。
■中国人が使う大阪弁を誤解してしまった
ボクが働く会社の中国現地子会社が、売掛金を回収できずに困っていました。
担当営業に状況を確認すると
「毎日、払ってくれとメールしているけど返信がありません」
だそうです。
アホなのか・・・何でメール?
「今すぐに行って来い」と指示すると「アポが取れません」と...
バカなのか・・・何で金を回収するのにアポ必要?
「ごちゃごちゃ言ってないでさっさと行け!」と言うと「ムリです。怖いです。あいつらはヤ○ザです。」と。
この担当営業、日本語は下手だけど何年か大阪に住んで勉強していたことは聞いていました。
そしてこの情報がボクの判断を間違えさせたのです。
関西人って、職業としてではなくその人のなりを表現する時に「ヤ○ザ」という言葉を使います。
例えば、理不尽な要求をする人とか、見た目がいかつい人なんかのことを
「あいつはヤ○ザやな~」
「ほんまヤ○ザみたいやなぁ」
って感じで表現します。
要するに、この担当者は相手の話し方とか見た目にビビっているんだ、と解釈してしまったということ。
それならば、と同行することにしました。
でもね、実はこの会社の幹部は「吉林(きつりん)省のあるヤ○ザ」のメンバー達で、オーナーは組長だったんです。
中国こそこそ話:
中国では、吉林省と福建省の人間とはケンカをするな、と言われています。ケンカ慣れしていて怖いから、とか、大きなマフィアの団体があるから、と言われているみたいですよ。
■恐ろしさとメンツのはざまで
そんな詳しい内容を確認しないまま、会社に入って行きました。
その時は、
「出されたお茶のコップを地面に投げつけて叩き割る」
くらいの威嚇はするつもりでした。
つかみ合いになるくらいは覚悟していたので、かばんも名刺も車の中に置いたまま手ぶらで入って行きました。
この判断は後で後悔することになるんだけど...
◆◆◆
社長室に通されてすぐに分かりましたよ。
「あかん。こいつらはあかん。ホンモノや」って。
社長の「左まゆ毛」から「ほっぺた」にかけて、大きな傷跡がありました。
ボク達が来るから慌てて特殊メイクしたのですか?って聞きたくなるくらいに分かりやすい傷があったのです。
刀で切られたのかな?って傷跡。
実際は分からないですよ。小さい時にコケてできたキズかも知れない。
でもね、素人をビビらすには十分すぎる立派なキズです。
あとは、ドア脇に陣取っていた巨漢の2人。
そんな所に立たれたら、何かあった時にもそこから出られないじゃん・・・
◆◆◆
後輩の目もあるし、ボクにもメンツがあるので「金を払って欲しい」と言い続けましたよ。
手の震えがバレそうだったからポケットから手を出せないまま…
それでも、顔に刀傷のある社長さんは終始にこやかでした。
「金は出来たら払うから安心しろ」って繰り返すだけだったけど...
このままではらちがあかないな、と思ったので最後の捨てゼリフとして
「ボクも日本から来て手ぶらでは帰られない。今日はとりあえず、なんか金目のモンを1個もらって行く」
って言ったんです。
そしたら、社長さんの顔色が一変しました...
どうやら、それはNGワードだったようです。
急に真顔になって
「日本人がビジネスの打ち合わせに手ぶらで来るのはおかしいな。ケンカでもしに来たのか?」
と言われちゃいました。。。
最後はどうやって締めたのか覚えてないです。
震えながらだったけど、無事にその会社をあとにしました。
結局、数カ月後にその会社は潰れました。
うちは金額が小さかったのでなんとか回収は出来たけど、日系商社とか焦げ付きを出したところはいくつかあって未だに係争中のようです。
そもそも、なんでこんな会社を相手に掛け売りしてたのか・・・
今となってはめったにできない経験が出来た、と笑い話になるし、こうやってnoteに書くネタにもなるんだけど、もう二度としたくないなぁ。
みなさんもくれぐれも現金商売にこだわるよう、気をつけてくださいね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。