リヴァプールのGK達

リヴァプールに所属している主なGKのプレースタイルを主観的に書いていきます。Twitterで割と需要ありそうだったので。基本的にYouTubeのプレー集とWikipediaがソースだったりするので参考程度に。現代サッカーにおいて存在感を増すGK、割とプレースタイルば違ったりします。この機会にGKに注目して試合を見てみるのはどうでしょう?


・アリソン・ベッカー

アリソン

28歳
ブラジル代表
191㎝
91kg

言わずと知れたリヴァプールの正守護神。チームを救ったことは数知れない、世界最高クラスのGKです。そして私の推し。山小屋で肉とか焼いてそうだよね。
一家揃ってGK経験者という生まれで、アリソンの兄もGKをしているそうです。
彼のプレースタイルを一言でいうと、「ビックセーブをしないGK」。もちろん褒め言葉です。


その理由はポジショニング。世界一と言ってもいいぐらいポジショニングがいいです。ステップがめちゃくちゃ細かく、常にシュート方向の正面にいます。
セービングも非常に安定しており、確実なセーブができます。ハンドリングがいいので、こぼれ球を押し込まれるようなシーンも少ないですね。
そして、飛び出す判断。多分ここに関しては世界一でしょう。飛び出して交わされるというシーンがほとんどなく、相手の隙を見逃さず距離を詰めます。TAAの裏のスペースを使うのがリヴァプール攻略の定石になっていることもあって、毎試合一回ぐらいは裏抜けからの一対一みたいなシーンを作られるのですが、だいたいアリソンが対処しています。
後述のカリウス、アドリアンのように、リヴァプールはハイラインを敷く関係上、裏抜けされる機会が非常に多く、フロントも飛び出し技術の高いGKを選んで補強しているように思います。その中でもアリソンはこの技術が群を抜いており、チームの守備に一役買っています。
これらの高い技術も相まって、抜群の安定感を誇ります。調子の波というものがほとんどなく、止めれるシュートはいつも止めてくれます。ビックセーブをビックセーブのように見せない、常に完璧な準備をするGKだと言えます。

短所と言える短所はあまりないのですが、強いて言えば怪我がGKにしては多いことでしょうか。だいたいシーズン中に2、3試合欠場します。どうもお酒が原因のようで、控えて欲しいなぁ…とも思ったり。
あと、ボールを持った時の判断も割と危うい場面があります。足元の技術は確かで、バタつくことも無いのですが、ビルドアップ時に不用意なパスからピンチを招くことがあります。ここら辺はチーム全体の課題でもありますが…。
PKセーブ率もやや低いかもしれません。とはいえジョルジーニョのPK止めたりしているので苦手というほどではないでしょう。
リヴァプールの絶対的守護神であることに間違いはなく、今後数年は揺らがないでしょう。リヴァプールも彼の実力を認め、2027年まで契約を延長しました。プレースタイル的に急激な衰えがくるタイプでもありませんし、このままリヴァプールで活躍して欲しいですね。願わくばリヴァプールでレジェンドになって欲しい…。

・クィービー・ケレハー

ケレハー

22歳
アイルランド代表
188㎝
71kg

昨シーズンプレミアデビューを果たしたアカデミー産若手GK。おそらく今シーズンからは第二GKを務めるはず。今期リヴァプールで注目してほしいGK No.1です。
プレースタイルを一言で言うと「アリソン2号」。最近伸ばし始めたお髭もアリソンリスペクトなんでしょうか?
特に細かなステップがアリソンそっくり。セービングやハンドリングも安定感があり、ハイレベルです。ボールを持ってもバタつかずに捌けますし、キック精度もそれなりです。ここら辺は伸びしろでしょうか。飛び出しやハイボール処理など、経験が必要な判断も含めて、今後の成長に期待したいところです。
彼の実力的に多分プレミア下位クラブなら正GK争いできるレベルにあるんじゃないでしょうか。チャンピオンシップなら正GKの座を掴める筈です。第二GKとしてはもったいないぐらいの実力。なのでケレハーの契約延長は個人的に嬉しい誤算でした。ちょっとアドリアンのパフォーマンスが落ちてきた所に若手が台頭してくるのは嬉しいことです。アリソンという良きお手本もいますし、このままリヴァプールで成長して欲しい。アリソンの後継者とかになってくれたら嬉しくて踊っちゃいますね。

・アドリアン

アドリアン

34歳
スペイン
190㎝
80kg

陽気なリヴァプールの第三GK。「ピッチ外の貢献」が評価され契約延長を勝ち取ったレアな経歴の持ち主だったり。リヴァプールのトレーニング写真でも、アリソンやケレハーと談笑してる姿がよく見られますね。


正直な所、セービングはかなり衰えがきています。元々当て勘と反射神経に物を言わせてビックセーブするスタイルで、リヴァプールでもヒーローになったりしましたが、34歳という年齢もありシュートストップ能力はかなり下がっています。セーブできるシュートを確実に止めてもらえれば十分と言った所。彼も反応の良さを生かした飛び出すプレーが得意のようです。
足元に自信があるのか、変に持とうとすることがありますが、正直やめてほしい。心臓に悪いです。アトレティコ戦でやらかして流石に反省したのか、最近は寄せられたらロングボールを蹴るようになっていますが、たまに「チャレンジ」することがあるので気が抜けません。

また、試合でどんなにやらかそうが平然とTwitterを更新する極太メンタルの持ち主です。アトレティコ戦以降すっかり海外サポからは嫌われていますが、ケロッとしています。GKはメンタルが重要なポジションだと言われていますし、これぐらいじゃなきゃプロのGKなんてやれないのかもしれません。


昨シーズン途中からケレハーが台頭し、アドリアンがゴールマウスを守る機会は減りそうです。チーム内ではミルナーに次ぐ年長者であり、GKとしてよりもチームやGK組のまとめ役としてのバックアップを期待されているのでしょう。
愛すべき第三GKです。でも変に繋げようとするのはほんとやめて。こわい。

・ロリス・カリウス

カリウス

28歳
ドイツ
189㎝

あの日からもう三年が経とうとしていますが、まだ彼は悪夢から覚めることができていないようです。あの日以降、「お笑いゴールキーパー」になってしまった彼ですが、シュートストップ能力自体は悪くありません。安定感には欠けるものの、シュートに対する反応は鋭く、ダイナミックなセーブでチームを救います。また飛び出しの判断も素早く、ピンチの芽を潰します。獲得にはこの飛び出しの判断の良さが評価されてのこともあると思いいます。

ただ、彼には致命的な弱点があります。ハンドリング、すなわちセーブした後のボールの処理です。ダイナミックにセーブするまではいいのですが、セーブしたボールもダイナミックに吹っ飛ばしてしまい、コントロールができていないのです。プレー集でもややハンドリングが怪しいシーンが多いです。ハンドリング技術が低いとせっかくセーブしてもこぼれ球を押し込まれるようなことが多くなるのでどうしても安定感に欠けますし、ミスも多くなります。CLでのあのミス(特に三点目の無回転弾)にはハンドリング技術の低さも少なからず影響しているのではないでしょうか。

あの日の後、ベシクタシュにローンしましたがあまりうまくいかずまたミスから信頼を失ってしまい、その後も落ち着ける場所を見つけれずにいます。最近のプレー集等を見ても弱点は改善されておらず、リヴァプールでは構想外のままです。現実的な案としてはケレハー、アドリアンらとのサブキーパー争いでしょうか。おそらくアドリアンよりシュートストップは良いはず。ただ、外国人枠の関係でそれはなさそうです。彼がまたキーパーとして躍動する日は来るのでしょうか……。



・マルセロ・ピタルーガ

ピタルーガ


18歳
U-18ブラジル代表
191㎝
75kg

ブラジルのフルミネンセから加入した素材型若手GK。
リヴァプールへの移籍にはアリソンと彼の兄が深く関わっており、アリソンはピタルーガのポテンシャルに太鼓判を押しています。

最大の強みはシュートへの反応。神がかり的な反応でビックセーブを連発しチームを救います。また、PKストップも得意。しなやかなセービングも持ち味で、これからの成長によってもっとリーチは長くなるはず。

ただし、ポテンシャルこそ高いもののあくまで素材型のGKであり、今すぐトップチームに絡んで来るというようなことは無さそうです。FKのセーブが苦手だったり、やや予備動作が大きいなど、明確な弱点も多いですね。まだ10代ということから体も出来上がっておらず、サイズの割にやや細い(同じ191㎝のアリソンが91kg)ので、ハイボール処理もやや不安定です。

ただ、前述の通りポテンシャルは凄まじいものを持っていると思います。ポジショニングなどの基礎技術や経験を積めばデヘアやオブラクのようになれる可能性を秘めています。
今期は膝の負傷明けで、U23チームの守護神を務めるようです。アリソンというお手本もいますし、彼の成長に期待したいですね。




というわけで、リヴァプール所属のGK達のプレースタイルをざっくり解説しました。今夏のトレーニングキャンプに参加していたハーヴィー・デイビス君はプレー集が見つからなかったので書けませんでした。申し訳ない。(今シーズンはアンダー世代もウォッチしていく予定です…)
それでは、またどこかで。

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