シェフのお任せGKプレースタイル集

こんにちは。8月以来note更新をしていないという事実に驚愕している有村です。こんなはずじゃなかった。とにかく何か書かねば……ということで今回は有村セレクトGK詰め合わせセットです。とりあえずリハビリも兼ねて重い筆を執りました。

というのも、最近個人的に衝撃的な出来事がありまして。バルセロナの守護神テアシュテーゲンが来夏売りに出される可能性があるというのです。バルセロナの主力放出自体は財政的な理由によるもののようですが、テアに関してはパフォーマンスの低下もあるようで……。
自分のアンテナの狭さを痛感する出来事になりました。仮にもGKについて一家言持っているような顔するなら、せめて主要GKのプレースタイルと最近のパフォーマンスぐらいは知っとくべきでしょう。今回はそういう戒めも込めた記事になります。意識してプレミア外のGKを多めに入れています。

例によってトランスファーマルクトとYouTubeのプレー集を参考にしています。


・テア・シュテーゲン

まずは私に衝撃を与えた彼から。前述の通り、近年パフォーマンスが低下気味です。もともと高度な足元とキックでビルドアップに貢献する「新時代のGK」としてバルセロナ不動の守護神の地位をものにした彼ですが、反応を生かした理不尽なセービングにも定評がありました。世界を代表するGKの一人と言ってもよい選手でしたが、バルサのチーム状況と同じように、徐々にパフォーマンスが落ちていっています。

顕著なのは反応力と当て勘の衰えでしょうか。最近でもCL予選最終戦に比較的イージーなミドルシュートでゴールを許してしまっています。もともとサイズのあるGKでないだけに、一番の強みが衰えると厳しくなってきます。またハンドリングも不安定で、セービングしたボールをうまく安全なゾーンに弾き出せていないシーンが多いのも気になります。もっとも、これは最近現れた傾向ではなく、もともとの課題かもしれません。カリウスが代表的ですが、ドイツ産のGKはハンドリングの安定感が欠ける選手が多いように思われます。ドイツGK育成の課題かも。

擁護できるとしたら、彼を取り巻くチーム状況でしょうか。ご存じの通り、今のバルサはどん底の状態にあります。GKは特にメンタルが大事なポジションとも言われており、フロントと対立するような報道もちらほらあったテアには、周りを取り巻く環境がプレーに集中させることを妨げているかもしれません。またバルサのDF陣もまた安定感に欠けるため、テア一人を槍玉にあげるのもアンフェアでしょう。

なんにせよ、彼はまだ29歳であり、老け込むような年齢でないのは確かです。環境の変化で復活する可能性も十分ありますし、今後の動向に注目していくべき選手でしょう。

・マヌエル・ノイアー

バイエルンの、そしてドイツ代表の不動の守護神。もう35歳になるんですが、全く衰える気配がありません。相変わらず理不尽な反応力でストライカーたちに絶望を与えつづけています。ポジショニングや飛び出し判断も流石の正確さで、ハンドリングも比較的安定しています。足を使ったセービングが特徴的ですね。歳を重ねて落ち着いたのか、代名詞ともいえる超攻撃的な飛び出しは控えめになったようです。ペップが異常だっただけとも。流石にセーブの伸びやバネといった部分は落ちた印象がありますが、経験でカバーして衰えを感じさせません。反応に頼り切りではなく、細やかなポジショニングと経験からくる予測でフィジカル的な衰えを補う彼に弱点は見当たらず、ドイツGK界は当分彼の天下が続きそうです。ブッフォンみたく40ぐらいまで現役してそうですね。

・ティボー・クルトワ

ビッグマウスを飛ばして批判されたり、NTRでデブライネの脳を破壊したりと話題に事欠かないレアルマドリードの正守護神クルトワは、まさに理不尽を体現するGKでしょう。2メートルという規格外のサイズにハイレベルな反応力を搭載し、「ラスボス」としてゴールマウスに君臨します。大型GKにありがちなガチャガチャした感じがなく、しなやかに手足を使えるため、サイズという武器を最大限生かすことができ、大型GKが苦手としがちな近距離セーブやグラウンダーのシュートも全く苦にしません。当て勘も鋭く、長い手をより有効に活用しています。ただデカいというだけでなく、技術に裏付けられた理不尽さです。欧州サッカーにおけるヒールともいえるレアルマドリードに相応しい「白い巨人」であると言えます。

・ケイラー・ナバス

マドリーの正守護神の座を掴み取ったと思ったらクルトワが来て、PSGで安住の地を見つけたかと思えばドンナルンマがやってくるという不憫の人ですが、実力は確かです。185cmとGKとしては小柄な部類に入りますが、跳躍力と反応力、身体のバネを最大限に生かしたワイルドなセービングでチームを救います。本当に34歳なの?ってぐらい身体が伸びます。多分前世はネコ科の動物だと思う。タイミングの取り方だったり飛び出し時の距離の詰め方には円熟味を感じさせます。セービングの豪快さ、ワイルドさとは裏腹にポジショニングやハンドリングもよい辺りが彼の実力者たるゆえんですね。ドンナルンマがチーム加入しましたが、そう簡単に正守護神の座を譲る気はなさそうで、イタリアの次代を担う若者への壁として立ちふさがるでしょう。

・エドゥアルド・メンディ

 ペトロ・チェフの推薦でフランスからやってきたセネガル人GKは、今シーズン最も株を上げたGKの一人でしょう。195cmの恵まれたサイズ、脅威的な反応力と身体のバネで勝負する、ザ・アフリカ産GKです。このタイプにありがちなムラッけが少なく、ハンドリングやポジショニングも安定している、非常に完成度の高いGKです。行動キャンセル後の動き直しが早いため、イレギュラーへの対応力が高く、人外じみた「クレイジー」なセービングをする場面も。

チェルシー守備陣の堅守も考慮に入れるべきですし、プレス耐性やキックなど課題がないわけではありませんが、しかし超一流GKとしてその地位を確固たるものにしつつあるのは間違いないでしょう。

・アーロン・ラムズデール

今年アーセナルに加入した彼もまた今年大きく評価を上げたGKの一人でしょう。獲得が発表された当初は「サブキーパーには高すぎる」「レノでいいじゃん」「まず他に補強すべきポイントあるだろ」と散々突っ込まれましたが、アルテタ監督の起用に応え、前評判をひっくり返して見せました。

まず気が付くのは喉が張り裂けんばかりのコーチングです。軽視されがちですが、DFラインとの連携もGKの仕事であり、ラムズデールの積極的な声出しとガッツあふれるプレーはこれまでガタガタだったアーセナルのDFラインの再建に大きな役割を果たしています。全体的に若く、頼れるベテランが不在のチームにおいて、キャプテンシーという貴重な役割を補うことができています。

冷静で正確な足元とキックも大きな武器になります。ここは間違いなくレノとの差別化ポイントであり、アルテタが彼を欲しがった最大の理由でしょう。プレス耐性が高く、常に冷静にボールを捌いて、アルテタ監督の理想のサッカーを実現するために必要な能力を備えています。

セービング面では、近距離戦の強さが目立ちます。鋭い反応と当て勘でチームを救い、鼓舞することができます。素早い飛び出しも強みの一つでしょう。ただ、若さゆえにハンドリングやポジショニング、判断など全体的に粗削りな感はあり、セービングだけで言えばまだレノを超えることができているとは言えないと思います。特に、セービング時の伸びやしなやかさが足りないようにも思えます。良く言えば、ガッツがある、悪く言えば安定感に欠ける、そんなGKです。

まだこれから成長していGKという点で、若さは強みでもあります。自らと共にアーセナルというチーム全体を成長させ、経験を積んで「チームを勝たせるGK」への道を歩んでいけるでしょうか。

・ジョゼ・サー

ポルト、オリンピアコスと5大リーグ外の名門クラブを渡り歩いた28歳のポルトガル人GKは、ペナルティーエリア内での超近距離戦の強さで対戦したビッククラブを苦しめてきました。素早い判断と当て勘で、至近距離でのセーブに無類の強さを発揮します。アグレッシブな飛び出しと高いキャッチング技術も相まった完成度の高いGKは、プレミアでもビックグラブに牙を剥くはずです。

・ヤン・ゾマー

EURO2020でのスイス代表でヒーローになったゾマーの秘密は、完璧な準備です。183cmというGKとしては小柄な体躯を全く感じさせない正確で緻密なポジショニングは絶品で、常にシュートを正面で受けれる位置にいます。ハンドリング技術も高く、非常に安定感があります。並大抵のシュートではゴールを割ることはできません。一対一の場面で「待てる」GKであり、慎重に、粘り強い対応でゴールを守ります。「待てる」特性はPKにも発揮されており、エンバぺやセルヒオ・ラモスのPKをストップしています。

もっと知名度を得るべきハイレベルなGKですし、個人的にも大好きなGKです。

・ヤン・オブラク

世界一のGKと名高いアトレティコ・マドリードの正守護神です。188cmとサイズこそ平凡ですが、正確なポジショニングとハンドリングに理不尽なレベルの反応力というセービングに必要な要素を全て兼ね備えており、弱点がありません。飛び出し判断やPKストップも高いレベルにあり、セービングだけの評価ならシメオネイズムを体現するアトレティコ守備陣を考慮しても世界最高の位置にあるのではないでしょうか。

・アリソン・ベッカー

最後は我らがリヴァプールの守護神、アリソンです。正直彼だけでいくらでも書けてしまうので、今シーズンのパフォーマンスに絞って書こうと思います。

何と言っても目を見張るのが一対一の強さで、彼が特別反応力に優れているタイプではないのにも関わらず異常な強さを誇ります。毎試合一、二点分のセーブをしており、おそらく一対一の技術なら世界一なんじゃないでしょうか。スピーディでタイトな飛び出し判断で相手がシュートを打つ前に寄せ切りコースを消します。

足元やキックも精度が高く、安定しています。昨シーズンはミスや怪我で評価を落としましたが、今期は完全に復調しており、ほとんど離脱なく戦えています。全てが高いレベルでまとまっている総合力の高いGKでハイラインを敷くリヴァプールにとって最高のGKであることは間違いないでしょう。個人的には世界一のGKは彼だと思っています。

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