欧州スーパーリーグ

急に動きましたね。青天の霹靂という言葉がぴったりの激動ぶりでした。事情知ってる人に言わせれば時間の問題であったらしいですが。

まだまだ状況は動いていくとは思いますが、今の状態での自分の意見を書いていこうと思います。

結論から言うと、条件付き賛成です。

・国内リーグに引き続き参加できること

・創設クラブの特権を撤廃or年数制限付きにすること

この二点が担保されるならいい話だと思います。逆にこれらの条件が満たされないなら参加は見送るべきです。

特に一番目の条件はサッカークラブのアイデンティティに関わるもので、軽視すると長期的には不利益を被ることになりかねません。

スーパーリーグ構想はアメリカスポーツ(NBA,MLB)を参考にしていると言われています。実際あのやり方で大成功しているわけなので、効果的なやり方なのは疑いないでしょう。

ただ、古い考えなのかもしれませんが、サッカーの魅力というのは必ずしも競技性だけではないような気がします。欧州では、単なる娯楽を超えて、地域を象徴するような役割をサッカークラブが担っています。

ブンデスリーガのチームがスーパーリーグ構想に否定的なのはサポーターの発言権が他リーグより大きいからでしょう。逆にセリエAのクラブがあっさり参加したのは驚きと言えば驚きです。かなり財政的に厳しいことの現れかもしれません。どちらにせよ、スーパーリーグに参加することになればファンからの反発は必至でしょう。

地域性という要素がアメリカよりも格段に強いと思うのですが、そこがやや軽視されているように思えてなりません。

また、二番目の条件もスーパーリーグの健全な運営には必要になるでしょう。スーパーリーグによる莫大な収益は魅力的ですし、その年の調子によって収益が左右されないのはビッククラブを応援している身としてはありがたい話です。

ただ、スーパーリーグを魅力的なコンテンツにするためには競争力の向上は必須ですし、実力が伴わないのに創設クラブだからというだけでずっといるという状態は健全なものではないでしょう。

もちろんいい話もあります。ビッククラブ同士のぶつかり合いは必ずいくつもの好ゲームを生み出すでしょうし、サッカーファンを増やすことにもつながるでしょう。Eスポーツなど他のコンテンツとの競合を考えたときには、スーパーリーグ構想は「フットボール」というコンテンツの魅力を上げる方法にはなるでしょう。

スーパーリーグは、現状だとやや不健全なリーグ、より悪く言うなら「フットボールをダシに金儲けを企んでいる」状態だと思います。金儲けが悪とは言いませんが、消費者のニーズに合わなけばいずれ廃れます。スーパーリーグが廃れるということは、欧州フットボールが廃れることを意味します。

ここまで割と否定的な論調になりましたが、私は基本的には賛成派です。現状のCLの放映権料配分はあまり公平なものとはいえませんし、そもそもUEFAの取り分が大きすぎます(放映権料の70%ほどがUEFAのものになるのだとか)。

スーパーリーグは参加するだけで今の総収益と同じぐらいの額が入ります。知名度上昇によるグッズ収入なども合わせれば従来の2倍、3倍の収益が出てもおかしくありません。

UEFAが提案しているCL案も試合数が増える上に、魅力が増すようなものになる気配は感じられません。試合数を増やして金を稼ぐやり方は代表戦でもやっており、案外、一番金に汚いのはUEFAなのではないかという気もします。

UEFA関連は諸々改革する必要はありますが、かといってスーパーリーグに全BETするのは様々な面でリスキーだと思います。

現段階では双方かなりやり合ってますが、多少の歩み寄り、妥協はあると思います。特に国内リーグからビッククラブが軒並み抜けてしまうとUEFA側も大ダメージを負うわけで、このまま決別というのは考えにくいです。

UEFAとビッククラブが、賢明な判断をすることを願います。


追記

CLの放映権料のうち70%がUEFAに入る…というのは誤った情報でした
申し訳ない

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