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幻影勇者解説

はじめに

こんにちはなむるです。
私は様々なTCGをプレイしており、カードゲーム攻略サイトのライターとして働いていました。
遊戯王は年に5回ほど非公認大会(CS)に参加しています。
はじめて私のnoteを見たという方向けに簡単な自己紹介と実績の掲載をさせていただきます。

【自己紹介】
複数のゲームをプレイしており年に2~3ヶ月ほど遊戯王をプレイしています。
群馬の秘境にいるので基本的には一人回し中心で調整をしています。

【遊戯王の実績】
選考会出場
CS(大型非公認大会)優勝21回準優勝9回ベスト4以上30回以上

【その他TCG・DCGの実績】
ヴァンガードZERO
ランキング1位
公式解説10回以上

ドラゴンクエストライバルズ
ランキング2桁フィニッシュ×2
公式番組出演×2

シャドウバース
マネーフィニッシュ×2
レート2000以上

今回のnoteでは
10/3 朝霞杯3人チーム戦優勝
10/23 ネクストプレイ杯3人チーム戦ベスト8
10/31 朝霞杯2人チーム戦準優勝 
11/3 朝霞五遊祭準優勝 
の4つのCSで使用した幻影勇者の解説、および回し方や各種対面の立ち回りについて解説していきたいと思います。

このデッキは現環境で最もデッキパワーが高く、今後もトーナメントシーンでの活躍が望まれますので、今期の遊戯王の大会で勝ちたいという人は是非読んでみてください!

幻影勇者を選択するまで

昨今の遊戯王のトーナメントシーンはテーマ数が多くメタを把握しにくいです。
ですが殆どのデッキは下記の3つのデッキタイプに収めることができ、どのようなデッキを使うのが得策なのかを把握しやすいです。

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まずは妨害能力やリソース補強能力を持つ1枚のモンスターを中心にバックと手札誘発で戦う中低速デッキです。
これらのデッキは最低限の動きのパフォーマンスが高く、手札の噛み合いによっては爆発力も得る優秀なデッキ群です。

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続いてはカードの噛み合わせによって強力な盤面を形成し、逆転の機会を与えない展開系デッキです。
これらのデッキは制限改訂による弱体化や環境デッキとの相性の点からポテンシャルを発揮しにくく、当日の運に大きく左右されるデッキ群です。

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最後に罠を中心に相手の行動を妨害し、リソース差を付けゲームをコントロールする罠ビートデッキです。
明確なメタカードがあるものの相手のリソースを集約したエースモンスターを除去することで大きな有利を作れるデッキ群です。

以上のように現環境には毛色のまったく違う3つのデッキ群があり、様々なシーンに対応できるテーマを選択することが重要だと認識しています。
モンスターに対して強力であったり、魔法罠に対して強力なデッキよりもどの対面でもある程度戦えることが出来るデッキの方が現環境では安定して勝つことが出来るということです。

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中低速・展開系・罠ビートはジャンケンの関係性を持っています。

中低速vs展開系
中低速デッキは妨害能力を持つ主力モンスターに加え多くの手札誘発を採用しています。
手札誘発で展開系の動きが弱まれば盤面を返すこともできるので先攻後攻問わず展開系デッキ相手に有利に立ち回ることが出来ます。
また展開デッキが事故を起こした場合、妨害増加やライフを取り切ることもできるため事故から立ち直る機会を与えません。
こういった要因から中低速vs展開系は中低速有利と考えています。

展開系vs罠ビート
このマッチアップの有利不利は環境によって変わるのですが、今期は中低速デッキが環境に多く罠もそれらのデッキに合わせたものを採用するので不利になってしまいます。
先攻を取れれば罠ビート側が展開デッキの出鼻をくじいて勝てることもあるのですが、デッキの特性上ライフが取りにくいので相手に罠を乗り越える札を集められる可能性があります。
後攻の場合は手札誘発の採用枚数が少ないため相手の動きの弱体化も図れず、専用の捲るためのカードを採用していない限り基本的に相手の盤面を返しきることは出来ません。
サイド後も展開デッキはバックに対して強力なカードを用意していることが多いため罠ビートはかなり苦しい展開になりがちです。

罠ビートvs中低速デッキ
中低速デッキは召喚権を使用したモンスターをエクストラモンスターに変換して盤面を作るのが強力なのですが、召喚権を潰されてしまうと1ターン丸々失うことがあります。
単体のモンスター相手に強力な罠を採用することでかなり有利に立ち回ることが可能です。
また、中低速デッキが多数採用している手札誘発も直撃しにくいので間接的に相手のデッキのパワーを下げることも出来ます。
また、中低速デッキのリソース供給を止めたりリソース回復量で差をつけることでジリ貧にすることも可能です。
こういった要因から罠ビートvs中低速は罠ビート有利と考えています。

こういったジャンケン環境ですと完璧なデッキは存在しないことになり、デッキ選択の際はかなり頭を抱えました。
直前までの候補は『相剣』と『エルドリッチ』でした。

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相剣を外した理由
『相剣』は『灰流うらら』の直撃を避けられる点と『ディメンション・アトラクター』を採用できる点から中低速デッキ内で有利を持っており、爆発力もあるため筆頭候補でした。
しかし、『勇者ギミック』と『D-HERO』の妨害力により後攻を引く=敗北濃厚であり、先攻でもテーマの動き+αがない場合その手数によって妨害を超えられてしまうと判断し候補から外しました。

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エルドリッチを外した理由
『スキルドレイン』の絶対的制圧力から候補に挙がったのですが、『勇者ギミック』により永続罠の信頼度が落ちていること、『D-HERO』と『勇者ギミック』のリソース供給・妨害・ライフの取る速度についていけないと判断し候補から外しました。

D勇者を選択した理由

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今期は圧倒的なパワーカードである"D-HERO デストロイ・フェニックスガイ"と”勇者ギミック”をどう攻略するかが肝であり、裏返すとこれらのカードをどう活かすかが勝ちにつながります。
そして目をそらしてはいけないのがこれらのカードと相性のいいミッドレンジデッキが罠ビートの永続に屈さず、展開系を抑え込める力を手に入れたということです。

基本的にジャンケンである遊戯王において、今期はすべての手に有利を取れるオールマイティが存在し、それは『D-HERO』と『勇者ギミック』を最大限活かせるデッキです。
勝つことを目標とした際にこれらのカードを使わない択はないと考え、『D-HERO』と『勇者ギミック』両方と相性のいい『幻影騎士団』を選択しました。

なぜ幻影騎士団なのか

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『D-HERO』と『勇者ギミック』は強力ですが、これらだけでデッキを組むと出力も妨害も足りないため何かしらのテーマと混ぜることが必要になります。
そこで重要になってくるのが相性です。

『D-HERO』は『捕食植物 ヴェルデ・アナコンダ』さえ出せるデッキであれば基本的に問題がないのですが、『勇者ギミック』は癖が強く採用がそもそも難しいデッキの方が多いです。
『幻影騎士団』がなぜ相性がいいのかを説明するために『勇者ギミック』がどのような条件を求めているかを説明いたします。

『アラメシアの儀』

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このカードを発動するターン、自分は特殊召喚されたモンスター以外のフィールドのモンスターの効果を発動できない。
→通常召喚したモンスターの効果を使用しなければならないデッキ(相剣等)では採用しにくい。
『聖殿の水遣い』

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自分フィールドに「勇者トークン」が存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
→特殊召喚してただのリンク1以上にできる方がいい
手札・墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分のデッキ・墓地から「アラメシアの儀」1枚を選んで手札に加える。
→墓地に落とす手段があれば実質『アラメシアの儀』のサーチになる

『騎竜ドラコバック』

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このカードが効果モンスター以外のモンスターに装備されている場合
→勇者トークン以外に効果モンスター以外のモンスターを出せたほうがいい

つまり
・通常召喚したモンスターの効果を使わなくても動ける
・『聖殿の水遣い』のステータスを活かせる
・『聖殿の水遣い』を能動的に墓地に送れる
・効果モンスター以外のモンスターを出せる
に加え
・『勇者ギミック』を採用するスロットがある
・『勇者ギミック』以外の限られたハンド枚数で動ける

という条件があり『勇者ギミック』を採用するのであればこのうちいくつかは満たしたいところなのですが、『幻影騎士団』はほぼすべての条件をクリアしています。
更に、『幻影騎士団』はタダでタダを生む性質があり、『幻影騎士団』の展開をしながら『D-HERO』につながる『捕食植物 ヴェルデ・アナコンダ』を簡単に出すことができます。
『D-HERO』と『勇者ギミック』だけでは足りない出力と妨害の数を増やしながら両方のテーマにリンクするだけでアクセスできる『幻影騎士団』がベストだと考え選択いたしました。

デッキレシピ

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五遊祭で使用したレシピです。
個人は6-1で負けた試合は事故×2のマッチのみです。
先攻の場合は妨害を構え、返しにワンキル。
後攻の場合はワンキルor相手の盤面を更地にして妨害を構える。
と無茶苦茶なデッキパワーでなぎ倒していました。
予選開始の瞬間までレシピを考えていたので反省点も多いのですが、それは後述で解説いたします。

デッキ解説

メイン・エクストラについてはそのカードが持つ特徴や基本的な使い方を説明しています。
サイドカード・不採用カードについては採用理由と、今後の枚数変動の予定を中心に解説していきたいと思います。

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