【令和3年度介護報酬改定について思うこと〈地域包括ケアシステムの推進➁〉】
現在社会保障審議会の介護給付費分科会において、令和3年度の報酬改定に向けての議論が進められています。
主な論点としては、➀感染症や災害への対応力強化➁地域包括ケアシステムの推進、➂自立支援・重度化防止の推進、➃介護人材の確保・介護現場の革新、➄制度の安定性・持続可能性の確保の5点です。
その中でも、令和2年11月5日に行われた分科会では〈地域包括ケアシステムの推進〉に関する検討の方向性が示されました。これまでの分科会における主なご意見の情報を共有したり、意見交換ができたらと思います。
「在宅限界を高めるためにはリハビリが重要であり、老健施設がリハビリの機能を高め、在宅限界を高める役割を担うことが重要。また、認知症へのリハビリの実施や、認知症の家族の方のレスパイト的な対応も進めていくことが必要」 社会保障審議会 介護給付費分科会 第191回(R.2.11.5)資料1
在宅限界を高めるのは、本当に大事なリハビリテーション職種、老健施設の機能として非常に重要だと思います。
ただ、私が所属する老健施設では、在宅限界を高める機能より、特養化している現状があります。それは根本的に周辺地域の高齢化率が高く、在宅限界を高める段階の利用者の数が少ないこと、対象となる利用者の介護度が高い、地域に特養等の終の住処がないなどの地域課題があります。
このような背景がある場合、臨機応変な対応を取らざるおえない地域が存在していることをしっかりと考慮してもらいたいですね。
人間は確実に老化していく生き物です。それだけはすべての人間は平等に訪れる現実です。その現実に反して、すべての結果が良い方向に行くわけがないのです。老いていくことに目を背けず、向き合うことも大事なことだと思います。
ただリハビリテーション職種としては、「老いること」を言い訳にせず、専門職としてできる限りの結果を求める姿勢も重要かと思います。