ブルーマンデーなシャバ夫と幸福【ブログ転載記事】
とある日曜日の夜、シャバ夫はグダついていた。部屋のソファーに寄りかかって、何だかやる気が起きない。今日は幸せな休日だったが、明日からの仕事にアンニュイな気持ちだった。録りためたテレビ番組でも観よう。こんな気持ちの時にこそ観たい番組があった。
NHKの番組「スーパープレゼンテーション」による『史上最長の研究が明かす幸福な人生の秘密』。シャバ夫は
良い人間関係こそが幸福と健康の秘訣だと知った。
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/pastprogram/160616.htmlhttps://www.ted.com/talks/robert_waldinger_what_makes_a_good_life_lessons_from_the_longest_study_on_happiness/transcript?language=ja
そしてシャバ夫は思ってしまった。「ぼくは仕事に長い時間を費やしているけど、自分の時間の使い方を間違っているんじゃないか」
これはハーバード大学で行われている研究らしい。75年間724人の男性を追跡し、休むことなく仕事や家庭生活、健康などを記録したもの。なんと研究は現在も続いている!。
研究は1938年からAとB、2つの男性グループを追跡している。グループAは研究が始まったときハーバード大学の2年生だった。彼らは第2次世界大戦中に大学を卒業し、ほとんどが戦争に参加した。
グループBにはボストンの極貧環境で育った少年達が選ばれた。彼らは水道設備もないような安アパートにほとんどが住んでいた。
研究が始まるとすぐに10代の彼らはインタビューと健康診断を受けた。彼らの両親達もインタビューを受けた。
少年達は大人になってから様々な人生を歩んだそうだ。工場労働者や弁護士、レンガ職人や医師。1人はアメリカの大統領になった。中にはアル中になった者や統合失調症になった者もいた。
研究から分かったことをまとめよう。第一に周りとの繫がりは 健康に本当に良いという事。孤独は命取りだ。家族・友達・コミュニティとよく繋がっている人ほど幸福で身体的に健康。孤独は害だと分かった。
ただ、群衆の中や結婚生活の中でも孤独を感じることがある。大切な事は友人の数ではなく、生涯を共にする相手の有無でもない。大切なのは身近な人達との関係の質。喧嘩の多い結婚は健康に悪影響を及ぼし、恐らく離婚より悪い。愛情のある良い関係は人を守ってくれる。
2つ目の発見として、良い関係は身体の健康だけでなく脳をも守ってくれるということがある。良い関係を80代にまで持ち続ける人は、その関係に守られている。何かあった時、本当に頼れる人がいると感じている人の記憶ははっきりしている。一方、パートナーには全く頼れないと感じている人には記憶障害が早期に現れ始める。
シャバ夫は日々仕事を頑張っていた。彼なりに。それが自分と家族のためになると信じていた。しかしハーバード大学の研究はシャバ夫を戸惑わせた。シャバ夫は頑張りの方向性を間違えているかもしれなかった。生計を立てることに頑張りすぎているんじゃないのか。もっと自分の人間関係を温めつつも生計を立てる方法はとれないのか。
番組はマーク・トウェインの言葉を引用して終わっている。1世紀以上前、彼は人生を振り返りこう書いた。
「かくも短い人生に諍い、謝罪し、傷心し、責任を追及している時間などない。愛し合う為の時間しかない。それが例え一瞬にすぎなくとも」美しい言葉だと思った。シャバ夫はもそうありたいと思った。