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20241102 [syrup16g 遅死11.02] @ 日比谷野外大音楽堂 行ってきました。
土砂降りの中のライブ
2024年11月2日。日本列島全体を台風の残骸が襲い掛かったということで、その日はとんでもない土砂降りでした。開演前の待ち時間、連番の友人と話しながら雨粒がどんどん大きくなることに、「このライブは果たして完走できるのか」と不安を覚えました。
いざ始まってみると、台風なんて物ともしない三人のパフォーマンス(流石に雨と正対した状態で口を開いているため、歌は大変そうに聴こえました)に、開始前の不安は杞憂だったのだと強く実感しました。
それと同時に、事前に対策していたものの身体は少しずつ濡れて冷えていっており、今いる場所に強い雨が降っていることを実感しながらのライブでした。実感はしているんだけど、身体の方は全然「だから不快・不調です」とはならず、不思議でした。
舞台の上に居る彼らの平然とした態度と、ずぶぬれのボロ雑巾になっているであろう自分。どんどん現実感を無くしていくような、夢を見ているかのような不思議な気分になりました。その感覚が最高潮になったのは「エビセン」をやっているときでした。
「野戦病院のよう」とステージから客席の様子を投げかけられて、まあそうなんだろうなあと笑って聞いていたのですが、自覚としてそんな感じはしなかった。電車に乗ったらしっかり寒いし疲れ切っていたことに気付いたんですけどね。
ライブがすべて終わる頃に雨脚が弱まり、もう雨なんか止んだだろう!と思いレインポンチョのフードを外したのですが、傘が必要な程度の雨量はまだまだ残っていたのも印象的でした。
今までと印象が変わって聞こえた曲たち
コンセプト的にも恐らく「遅死10.10」から20年経ってのリメイクライブと思われ、過去に何度か生なりライブ映像で聴いた楽曲が多かったのですが、聴こえ方が異なる楽曲が多かったのも印象的でした。
(こう書いておきながら、実は10.10と11.02で大分やった曲が違うんですけどね)
普段以上に力強いベース
以前他のライブレポで、「ライブを成立させているのは、ベースとドラムの力が大きい」と書きました。今回のライブでもリズム隊が全くブレなくて、五十嵐がアドリブを入れたりしてもちょっとやそっとじゃ崩れない安心感が強かったです。
それ以上に、雨で普段と音の伝わり方が違うのか、いつも以上にベースの主張がめちゃくちゃ激しく聴こえました。「Breezing」も「もういいって」も初めて聴いたの17年も前なのに、こんなにベースラインめちゃくちゃ動く曲だったんだ!?と今更衝撃を受けました。
普段より早めに披露した曲たち
初めて行ったライブが武道館なので解散前のライブは殆ど行ったことがないのですが、「翌日」・「真空」・「明日を落としても」(ついでに「生活」も)あたりが本編終盤~アンコールで流れなかったことに驚きました。近年のライブだと「往年の名曲」みたいな枠でやることが多かった印象だったので、フラットな聴き方ができました。
そのなかでも特に「翌日」に関しては、シロップの中でも一番思い入れの強い楽曲である反面、ライブでは殆ど聴けていない曲だったので嬉しかったです。delayedeadの楽曲で当時唯一PVが作られているのが「翌日」であることから、20年前にプロモーションを打った時はきっと翌日がリード曲という扱いだったのでしょう。delayedeadの他の様々な楽曲で歌われている鬱屈・ままならなさの中に零れる一筋の光のような前向きさを、それこそPVを見たときに近いような印象を受けました。フラットに聴くとこういう風に受け止められるんだな。
※武道館で聴いたときはダブルアンコールでの披露だったこともあり、「これで終わっちゃうんだ」「私たちは翌日から、syrup16gがよく分からない状態でウダウダしてることもなく、もう復活しないことが確定した世界を生きていくんだ」「syrup16gは後ろ側でそっと見守る側に回ってしまった……」と当時しっかり目に凹みましたし、15年近く"ライブの"翌日についてはその印象が付きまとっていました。
聴けば聴くほど沁みるReborn
ダブルアンコール時は雨の勢いが相当落ち着いていたこともあり、五十嵐の声がこのライブ中で一番すんなり入ってきました。(土砂降りの間は色んな感覚が麻痺しており、ダブルアンコールの頃にはその感覚も落ち着いて現世に戻ってきていた、とも言えるかもしれません)
前回Rebornをライブで聴いてから、11/2のライブの最後でRebornを聴くまでの間、大げさに言えば普通に生きていて良かったことも嫌なことも色々ありました(その中に、警報級の豪雨の中立ち尽くしてシロップのライブを見ること、も含まれています)。
そういったものがRebornを聴いている間に洗い流されていくような感覚がありました。「時間は流れて僕らは年を取り/汚れて傷ついて生まれ変わっていく」という歌詞が、こんなに刺さったのは初めてでした。
初めて聴いた日から19年近く経ち、初めて聴いた日から感じ方も変わりました。正直、昔は「期待して諦めてそれでも臆病で」の箇所を除いて、歌詞にピンと来ていなかった曲でした。
ここ最近わかったこととして、「昨日より今日が素晴らしい日」であることが、最近ようやく「当たり前」に起こりうることだと思えるようになりました。(「当たり前である」と言い切れるほどかは、ちょっとまだ私には分かりません。。)
次聴くときには、もっと色んなことが分かっていると良いなと思います。
おまけ1:セトリをみて思ったこと
今回(11.02)のセトリ
syrup16g
— ショウユ (@time_i_slives) November 2, 2024
遅死11.02 日比谷野外大音楽堂
セットリスト
クロール
前頭葉
Heaven
もういいって
翌日
生活
真空
Breezing
エビセン
明日を落としても
赤いカラス
I Hate Music
In My Hurts Again
変拍子
光なき窓
---En.
Sonic Disorder
神のカルマ
落堕
coup d'Etat
空をなくす
---En.2
Reborn
前回(10.10)のセトリ
こうして見ると、
「クロール」~「もういいって」までの流れ
Free Throwからの再録曲
は固定で、その他のdelayedead曲は当時映像化されていない曲から選択。
当時delayedから何曲か選ばれてる箇所が今回そのままdelaidbackの曲に置き変わってる感じ。ここはコンセプトが同じアルバムの新旧で置き換えている、ということ……なのかなあ。
当時はレコ発ツアーと言いつつ既存楽曲も多くやっていたようですが、今回は本編ではdelaydead/delaidbackの曲以外は殆どやっていない(生活と、新譜のIn My Hurts Againくらい)のも、大きな違いな気がします。
生活は前回も翌日真空と同じくらいのところでやったんだね。
おまけ2:野外ライブの豪雨対策
今後のための備忘として残しておきます。
雨天時の野外ライブ参戦は初で、前日まで当日の天気なんて知らなかったのですが、Xにこんな書き込みが流れてきたため朝から慌てて対策を始めました。「おすすめ」欄もたまには見るものですね。
シロップの遅死が雨予報なので6月に野音でどしゃ降りライブを経験した際のこうすれば良かったな装備メモ
— 回電話 コミティア150東7 D33a (@kaidenwa) October 30, 2024
遅死!楽しみすぎて今から緊張してる!!!!!! pic.twitter.com/r8bIKhXw26
装備は上記ツイートを参考にさせていただきました。傘禁止とか冷静に考えると当然なんですが、普段雨の日は出かけない傘をさして出かけているのでめっちゃくちゃ焦ったのが正直なところです。
当日買ったもの
ご近所にあったプチプラ服屋で帽子とレインブーツ代替となる靴を買いました。
キャップ
手持ちの帽子がつばのあるもの or 毛糸製のものしかなく、レインポンチョのフードが広がってしまい隙間から雨が入ってくる or 浸水時にダメになることから採用できず……。キャップ型の帽子で安い新品を買いました。タオルを抑えておきたいので、ある程度は重さがあるのが良いなと思いました。
使い捨てになることも覚悟した方が良いかもしれません。
ブーツ
手持ちの靴がメッシュのスニーカーと履きつぶしたローファーしかなく、防水スプレーを掛けたところで無意味だったので採用できませんでした。
レインブーツが近所に売ってなかったので合皮の安いブーツを買いましたが、GUに売っているやつだと「リブニットソックスブーツ」がかなり良いと思いました。足首がキュッとなっているので水が入りにくそう。今回は、ツイートにも描かれているような「靴のバケツ化」は避けられました。
ちなみにツイート内には「サンダルでも良かったのではないか」と書かれていましたが、日比谷野音はすり鉢状の構造になっているので、サンダルは滑りやすくなって危ない気がします。フラットな土地(フェスなど)での豪雨対策ならありなのかも?
まあ晩秋の雨の日にサンダル履くとそもそも冷えが……という話はあります。
ちょっと工夫したもの
レインポンチョ
天気が微妙そうなときにチャリを漕ぐ用に買ったポンチョをそのままもってきました。何でも良いと思います。
袖があるものとどっちが良いかについてですが、絶対にオイオイしたいわけでなければ、手の温めやすさの観点から私はポンチョの方が良いと思います。色々あって避難が必要な状態になったときにすぐスマホを操作できる状態にしておきたいというのが大きな理由です。実際豪雨の中1.5時間ほど立っていてもポンチョの中で両手を合わせていたらかじかむところまでは至らず、感動しました。
鞄
ボディバックにした上で、ポンチョの中に隠しました。若干湿ったものの、中身は大体何も壊れなくて良かった。
次は持って行きたいもの
未開封のカイロ
手を温める手段はいくつかあった方がいいと思いました。特にポンチョではなく普通のレインコートを着ていく場合。
靴下のかえ
今回たまたまぬれずに済みましたが、靴下なんかどうせちっちゃいので鞄に忍ばせた方が良い。