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カントー地方のモデルを考える その1

仰々しいタイトルですが、ただの妄想です。
ポケットモンスターの初代「赤・緑・青・ピカチュウ」バージョンにおいて舞台となったカントー地方について、ゴールデンウィークのド暇なタイミングでちょっと仮説を立てて考えてみました。
ソースは俺だとか、要出典な箇所がめっちゃあるので、まあ酒の肴とかおおらかな気持ちで読んでもらえると助かります…。
このnoteに書く仮説を基に、街の歴史について調べたり足を運んだりしていきたいですね。


(前置き)モデルの通説について

長いので、どこがモデルになっているかすぐに確認したいかたは次のセクション「モデルと思われる街の仮説」に飛んでください。

地方は流石に関東地方がモデルで確定でしょう!

地方名・地形から考えて、「カントー地方とは、日本の関東地方をモデルとしている」と思われますしされています。
私も小学生時代(2000年代前半)に社会の授業で地図帳を眺めているときにそれに思い至り、教室の壁新聞にそういうことを書き連ねたような覚えがあります。

街のモデルは諸説ある(地理由来/生育由来)

Googleで検索した限り複数の見解がありますが、大体はポケモンの情報を非公式にまとめているWikiサイト「ポケモンWiki」さんの「ゲーム内の地名のモデル一覧」内にまとめられています。

大まかには下記のどちらかに当てはまる形になります。

  • 地理的に近隣の都市が当てはめられている(地理由来説

  • ポケモンの生みの親である田尻智氏の生まれ育った地域(東京都世田谷区・町田市周辺)から町をデザインし、その後マップ上に配置している(生育由来説

例えばマサラタウンの元ネタについて。
地理由来説の考え方に則ると地理的に近隣に位置する静岡県下田市付近/神奈川県三浦市付近となります。これは地理的にマサラタウンが半島の先に存在するためです。
生育由来説の場合は、「田尻智氏が幼少期に暮らしていた」「市内に設置されたポケふたに、全国のポケふたで唯一トレーナーが存在し、御三家ポケモン(フシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメ)も登場する」という特徴から東京都町田市となります。

これまでは地理由来説が有力だった

これまでカントー地方の町のモデルについては地理由来説が主流だったかと思われます。これは、Googleで「カントー地方 元ネタ」で検索した結果ヒットしたサイトの内容がことごとく地理由来でモデルとなった街を紹介していたり、

ポケモンWikiさんの記事内の情報量に差があったりするところから、そう認識しています。

また、都市・設備の中には地理由来説でしか説明できないものも混ざっています。
島に位置するグレンタウン・シルフカンパニーという摩天楼を擁するヤマブキシティについては、後述する田尻氏の地元には存在しないものです。
またむじんはつでんしょについても、ちょうど日本地図と照らし合わせると東海発電所(現在は閉所)東海第二発電所が所在する位置と重なる位置に存在するため、「ハナダシティの東に、ダンジョンを作成する」ことを目的として作られた場合、地理由来でモデリングされたものと考えやすくはあります。

とはいえ、「マサラタウン=静岡県沼津市」「ハナダシティ=栃木県宇都宮市」などは「それは縁もゆかりも無いんじゃないか…?」と思ってしまったことが、このnoteを書くきっかけとなりました。

生育由来説でも考えてみたい

生育由来説に脚光が当たったのは、恐らくポケモンの絵が描かれたマンホール「ポケふた」が、町田市内の芹が谷公園に設置されたタイミングでしょう。
根拠としては、ポケモンWiki内で生育由来説に則った町田近隣地名が登場するようになるのが、ポケふた設置以降になるためです。

参考:2020年8月21日(ポケふた設置日)以前最後の版(2020/5/29)。この時点ではマサラタウンのモデルとして町田市説が上げられている(田尻氏の出身地であるため)こと・ニビシティのモデルが田尻氏の出身高専の近隣である旧高尾自然科学博物館である可能性があることがわずかに触れられているのみ。

また、(原典絶版に付き読めませんでしたが)過去の田尻氏のロングインタビューについて下記のように引用がありました。
カントー地方の世界観が「少年時代の、自転車でちょっとがんばった世界観」であれば、モデルになった街も田尻氏が少年時代に自転車で行ける範囲内で考えるのも自然なように思います。

この問題は、私が「ポケモンストーリー」(日経BP社,2000)を読んで考えたものだったはずなので、さっそくこの本を読み返してどこに書いてあったかを探しました。
510ページからカントー地方について説明があります。
田尻さんが町田育ちだから「カントーのマップは関東地方がモデルになって」いて、「少年時代の、自転車でちょっとがんばった世界観」で、自分がいつも住んでいる場所と直接つながっている「リアリティが最も深い世界」がポケモンのカントー地方だそうです。

http://kyotounivpoke.blog91.fc2.com/blog-entry-112.html

今回は、以下の縛りを設けて考えてみます。

  • 芹が谷公園を中心とし、半径15~20km範囲を基本とする

    • 芹が谷公園を中心とした理由として、マサラタウンのモデルを芹が谷公園と定めているためです。理由は後述

    • 半径15~20kmの根拠としては、自転車通勤に最適な距離を15km以内として紹介しているこちらを参考にしました。頑張ると言っているので、少し広めに設定しています。また、小学生男子ともなれば大人より体力も多いため、まあ大丈夫かなと(適当)。

  • モデルとなった街・ランドマークについては1994年時点に存在するものを考慮する

  • 位置関係については、街と街・ランドマークのつながりは多少考慮するが、地理的なものは考慮しすぎない

  • 無理にこじつけすぎない(芹が谷公園半径20km以内に島やシルフカンパニー的摩天楼は無いので、少し離れた近隣地域のものを参照します)

モデルと思われる街の仮説(マサラ~クチバ)

マサラタウン:東京都町田市芹が谷公園周辺

芹が谷公園からの距離:0km

町田市は田尻氏が生まれ育った街として有名ですが、公園近辺は豊かな自然が残っており、マサラタウンの雰囲気にもマッチしています。
また2020年8月にはポケふたが設置されましたが、「ポケふた」企画全体として記念すべき100枚目のポケふたであるのと同時に、マサラタウンとゆかりのあるポケモンたちが描かれています。

  • 6枚のうち3枚には、カントーの御三家ポケモンが登場する。なおかつこれらの蓋はトレーナーが唯一登場する蓋でもある。

  • 残りの3枚は「ポッポ・コラッタ」「キャタピー・ビードル・ナゾノクサ」「ニョロモ」である。

    • 「ポッポ・コラッタ」はマサラタウンのすぐ上(1ばんどうろ)の草むらから出現し、多くのトレーナーにとって一番最初に出会う野生ポケモンである

    • 「キャタピー・ビードル」は序盤に出てくる虫ポケモンとして有名であり、ゲーム中最初のダンジョンでありマサラタウン近隣に存在する「トキワの森」に登場する。

    • 「ニョロモ」はマサラタウン内でつりざおを使うと出現する。

町田のポケふた図面

ポケふたという企画は「ポケモンローカルActs」という、ポケモンで地方の町おこしを行う企画の一環として全国各地で行われてます。また図面には「地域の文化・地形・気候に関連したポケモン」「地域の文化・地形・気候に関連したポケモン」が起用され、その観光資源が描かれる傾向にあります。

  • 地域の文化・地形・気候に関連したポケモンの例

    • 沖縄県南城市のザングース・ハブネーク

    • 福島県楢葉町(Jヴィレッジ所在地)のラビフット

  • 一部の自治体で任命された"推しポケモン"の例

    • 香川県のヤドン

    • 北海道のロコン・アローラロコン

これらを踏まえると、特に御三家ポケモン達が描かれているふたについて、「ありふれた草むら」「町田にはあまり関係ないポケモン達」が起用される状況は少し異質です。
ここで発想を変え、「町田・芹が谷公園がマサラタウンのモデルであり、『マサラタウンのモデルである』ことが観光資源である」であれば、話がつながります。

トキワシティ:東京都八王子市旭町(八王子駅)付近

芹が谷公園からの距離:15.72km

トキワシティは金銀時代にはトレーナーハウスが建設されるなど、人の行き交いがある街です。
また、街の西側へ伸びる道路は富士山がモデルとなっているであろうシロガネやまや、近畿地方がモデルとなっているであろうジョウト地方方面に繋がっています。
※セキエイ高原もこの街が最寄りですが、明らかにモデルとなっている高原がある訳ではないので割愛します。

このことから、三多摩地区でいちばんの人口を誇り、甲信越地方とのつながりがJR中央線を通じて存在する八王子市(とりわけ八王子駅・高尾駅付近)がモデルと思われます。
本考察では、ニビシティは高尾駅付近がモデルであると仮説を立てるため、高尾と町田の中間点にある八王子駅周辺をトキワシティと仮定することにします。

ニビシティ:東京都八王子市高尾町(高尾駅)・椚田町(東京高専)付近

芹が谷公園からの距離:19.07km

ニビシティは、おつきみやまに程近く、街の中にニビかがくはくぶつかんがあるアカデミックな街としてデザインされています。

山がちな学術都市ということで、多摩地区には大学が多いため東京都立大学南大沢キャンパス(南大沢駅) / 中央大学多摩キャンパス(堀之内駅)周辺も考えられますが、
田尻智氏との関連を考えると出身校である国立東京工業高等専門学校(狭間駅・高尾駅からほど近い)付近が適当かと考えます。
また高尾駅付近には、東京都高尾自然科学博物館(2004年閉館・2015年に跡地にTAKAO 599 MUSEUMが開館)があります。近隣には森の科学館もあり、意外と高尾って学術・研究施設が多いんですね。
そのなかでも高尾自然科学博物館は「かがくはくぶつかん」ということで、そのものずばりなモデルにも思えます。

ハナダシティ:東京都立川市立川駅周辺

芹が谷公園からの距離:17.04km

ヤマブキシティとのアクセスが良好な、それでいて街中に花の咲く穏やかな街並みです。ぼったくり自転車屋とかロケット団に泥棒に入られる家とかロケット団に無理矢理勧誘しようとしてくる輩とかいて治安はそこまで良くなさそうですが、、
街の北側にはトレーナーが多数集まるゴールデンボールブリッジがあり、岬の先のマサキの小屋や、ミュウツーが住まうハナダのどうくつに繋がっています。

さて、芹が谷公園から半径20km以内に岬はほとんど存在しません(しいて言うなら横浜の端っこは該当するのですが、これは次に記載するクチバシティっぽいんですよね…)
なので地理的にバッチリ合致するところはありません。ですが、岬の辺りを「海辺」ではなく「水辺」と考えると、川沿いにあたる箇所なら結構ありそうです。

これらを踏まえ、ハナダシティについては「立川駅付近である」という仮説を立てました。下記にずらずら書いています。

  • 人が沢山集まる水辺、ポケモンバトルが盛んな24・25ばんどうろが北側に存在する→昭和記念公園

    • 実際には親水施設を擁する公園だったのでは

    • 候補としては吉祥寺の井之頭公園・立川の昭和記念公園辺り

      • あきる野の東京サマーランドまで行くと、なんか、違いそう

      • 吉祥寺はちょっと町田から遠いかも?

  • 治安が悪化しはじめているが、穏やかな街

    • 1970年代頃から始まった立川飛行場の返還・跡地再開発に伴い、1990年頃はちょうど賑わいが広がりつつある時期だったのでは?

  • ハナダのどうくつへの玄関口

    • Let’s GO ピカチュウ・イーブイではハナダのどうくつは鍾乳洞として描写されていた。

      • 都内の鍾乳洞と言えば「日原鍾乳洞

      • 原作のクリア後ダンジョンのため、人里離れててもおかしくない。原作だと街の対岸だが、なみのりと殿堂入りするほどの実力が必要。

    • 高尾・八王子方面から日原鍾乳洞に向かう場合、玄関口となりそうなのは福生・立川辺り。(下図)

      • 福生の発展具合はそこまでではなく、横田基地に隣接しているため福生をモデルにするなら米軍的要素(マチスみたいな)を拾うのでは?という考えから、立川の方が近そう

滅茶苦茶遠くてほんまか?感ある

クチバシティ:神奈川県横浜市みなとみらい地区(地理由来)

豪華客船サントアンヌ号も寄港する港町です。米軍帰りのマチスがジムリーダーを務め、国際色が豊かとも言えそうです。

正直生育由来で話せることは無さそうです。町田から自転車や電車一本で行ける港町は横浜しかないのですが、自転車で横浜方面行くことなんてあるのか?疑問です。東京湾沿いには色々なところに港があります。大人になった後なら、どこの港町にも行けますよね。
このなかでもあえて横浜こそがクチバシティである、と言うとすれば、「ワンリキー」と「ピカチュウ」がカギとなります。※先に言っておきますが、後付け感がややある考察となります。

まずワンリキーについて。
クチバシティ内にはワンリキーにひたすら地ならしをさせ、これからビルを建てさせようとしているおじさんが居ます。
赤緑開発段階の1990年代初頭、みなとみらい地区も埋め立て・開発がこれから着手されるような頃合いでした。かつて日本一高いビルとして名をはせた横浜ランドマークタワーも、1990年に着工し1993年に完成しています。
おじさんのビルは3年後、お金が足りずに建設を断念した旨が金・銀ゲーム中にて語られますが、そういう時代背景が反映されていると考えるとほほえましいですね。

ピカチュウについて。
言わずと知れたポケモンの象徴であり、でんきタイプのポケモンです。そういえばクチバシティジムはでんきタイプジムでしたね。
冒頭で紹介したポケふたですが、ピカチュウが登場するポケふたはみなとみらい地区に集中しています。そういえばクチバシティジムはでんきタイプジムでしたね(2回目)。
その中には「ライチュウとピカチュウがタイマンで戦う」図柄もあり、こりゃあもうクチバシティでの戦いですよね(ピカチュウ版での構図となりますが)。また、先に取り上げたワンリキーも脈絡なく登場し、この仮説を裏付けています。そう、クチバシティは横浜なのだ!と!

「ピカチュウ」のポケふた検索結果
横浜市とありますが、みなとみらい地区の風景が描写されています

さらにさらに、クチバシティはゲーム中での「ポケモンだいすきクラブ」初出の地ですが、なんとそんな土地で昨年、日本で初開催となる「ポケモンワールドチャンピオンシップス」が開催されました。

……一応。ここで仮説として取り上げたピカチュウとWCSについてですが、赤緑時点では影も形も無い要素を拾っていったものとなります。
横浜からクチバシティが生まれたのではなく、後からクチバシティの要素を行政と連携しながら横浜にまぶしていった側面の方が強いかと思います。中華街的要素もないですし。

タマムシシティ~グレンタウンは次の記事で!

長くなっちゃったので、この辺りで一回切ります!
頑張って5月中に後半書きたいな。よろしくお願いいたします。

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