稽留流産の手術
さようなら赤ちゃん
前回の診察の少し前から、悪阻が始まっていた。
(気持ち悪いぃ……ふぅ…)って感じ
私の悪阻はこんな感じなのか…
朝一の空腹時間が辛かったけど、でもよく耳にする、生活臭で嘔吐するとか動けないとかはなかった。
ご飯食べたら嘔気は治るし、幸いこの頃は仕事はしていなかったので家でゆっくり過ごすことが出来ていた。
前回の診察のとき、手術当日まで腹痛や出血があったらすぐ連絡してねと言われていたが、悪阻だけ。
他は特に変わったこともなく過ごせていた。
手術の朝、夫は私の心配しながらも仕事へ行ってしまった。
どうにか休みは取れなかったのかと怒りと不安に感じていた。
少し経ってから母が来てくれて安心した。
一緒に病院へ行き、手術の流れをNsから聞いたら、どうやら手術が終わるまで付き添いはダメらしく、不安の中1人で過ごすことになった。
そしてとうとう手術の時間がきた。
初めての手術が流産、残酷すぎる。
麻酔を入れられる前にNsから『大丈夫ですよ、そばに付いてますからね』と励ましの言葉をもらったが、もう不安でしかない。
『はい、麻酔を入れますよー、一緒に数えましょう』と
1.2.3.4.5.6.7…あぁ、始まる………そしてそのまま眠りについて、手術が始まった。
始まってから1時間半ぐらい経った頃に目が覚めた。
悲しいと思うよりも先に自分の体調がよくなかった。
気持ち悪さで目が覚めて、すぐ嘔吐。
『麻酔がまだ少し残ってるから、ゆっくりでいいですよ』と言われたが、そわそわする。
気持ち悪いのか、気持ちが安定してないのか、
きっと両方だっただろう。
なかなか落ち着くことができなかったので時間も経たないうちに先生と話したいとお願いした。
『赤ちゃんは取り出しました、子宮の中はきれいですよ』と言っていた。
手術が終わって、1人の体になってしまった。
動いてなかったとしてもさっきまでお腹の中に赤ちゃんがいた。
そこのことがずーっと頭から離れない。
帰宅する時、母を呼んでもらい一緒に帰った。
帰りながら手術の経緯を話し、他に特別何を話すわけでもなく、『大丈夫?』と声をかけてくれた。
それでよかった。
その時はなにもしてくれなくても誰かそばにいてくれるだけでよかった。
母は手術が終わるまでの時間、終わってから私の顔を見て何を思っていたのだろう…。
夫が帰ってくる前に母は帰って行った。
朝からずっと1人だったら、絶対今まで感じたことのない恐怖を感じていただろう。
ただそばにいてくれた、感謝しかない。
しかし、夫が帰ってくるまでの1人で過ごす時間…寂しさが急に襲ってくる。
さっき聞いた母からの『大丈夫?』を思い出し号泣、泣いても泣いても泣き止めない。
外も暗くなってから夫が帰ってきた。
泣いて泣いてぐちゃぐちゃな顔を見て驚くが『大丈夫?頑張ったね、辛かったね』と抱きしめてくれた。
寂しいけど、うちに来てくれてありがとうだね
またいつか会えるかな?
夫とそんな話をしながら、その日は体をゆっくり休めた。
1週間後、もう一度子宮を確認してもらった。
特に異常はないとのこと。
一安心…
今はまだ無理だけど、また落ち着いたら赤ちゃんほしいなぁと考えていた。
でも次の妊娠が分かるまで時間がかかってしまった…。
今回もありがとうございました。