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10年経って気付いたセックスレス 3 〜交わした言葉〜

夜の営みが無くなっても、、、

「今はしょうがないよね、子育てもあるし、、、
 二人の時間がつくれれば、できるよね!」

って心の中では思ってた。
でも、二人の時間はいつになったらできるんだろう。
そんな疑問はあまり持たなかったかも。
気持ちの中では手をつないだり、ちょっと肩を抱いたりしたかったけど、
子供の見ている前でなかなかそういうことができなかったというのもあるし、妻もあまり人前で触れられるようなことが好みじゃなかったような気がする。

仕事でちょっとミスをして落ち込んでいた時。
子供たちは学校へ出かけて朝の片づけをしている妻を見て、、、

ハグしたい、、、

心の中で呟いてしまった。

片づけがひと段落したところで、、、

「お願いがあるんだけど、、、」

「どうしたの?あらたまって、、、」

「ハグさせて、、、」

「ええええええぇぇぇぇぇ~~~~~!!!」

「そんなに驚くこと?」

「何で?なんでぇ?どうしたのぉ?」

普段から何気なく気持ちを伝えられればいいんだろうけど、言葉にできないような部分もあってなかなか伝えられない、、、

寂しさとか悲しさとか愛しさとかそういうだけじゃない気持ち。

一言二言、言葉を返したのだけど、妻はびっくりして笑い泣き状態。

なんでなんでと聞き返す妻にハグをおねだりする自分。

「嫌じゃないけど、、、なんで?って思っちゃう」

「ず~っとハグしたいって思ってたんだけど言えなかった、、、」

10年ぶりに妻を抱きしめて思わず、、、

「あぁ、、、ず~っとこうしたかったんだ。。。」

妻は相変わらず笑いながら涙を流している、、、

ぎゅーっと抱きしめたあと、離れ際に軽くキス、、、

10年ぶりのハグとキス。。。

「ありがとう、、、」

と伝えると静かに頷くけど、まだクスクス笑っている。

「じゃあ行ってくるね!」

玄関に向かうと、妻も玄関までついてきて、、、

「行ってらっしゃい!」

お見送りをしてくれたのが嬉しかった。
いつも妻は子供たちの見送りを必ずしている。
弁当を作っているときも、ご飯を食べているときも、
子供が出かけていくときは玄関まで見送りをして、行ってらっしゃい!と声をかけている。

「お見送りありがとう!嬉しいよ!」

と伝えると、、、急に妻は真顔になって

「何言ってるの、あなたが見送りはいらないって何度も言ってたじゃない」

ふと我に返る。

そうだ。

自分の言葉だ。

まだ子供たちがもっと小さかったころ、自分が出ていくときに妻がお見送りするのを大丈夫だから、、、と言って断っていた事を思い出した。

何故あの時、、、

「ありがとう!行ってきます」

と言えなかったのだろう。
子供たちがいて面倒見ているのが大変だからわざわざお見送りしなくても良いよと気遣ったつもりだったのだけど、、、
それは結局妻のお見送りを拒否しているということにしかなっていなかった。

自分の思い込み、自分のプライド、今になってようやくわかったこと。

気持ちは伝えない限り、、、わからないし、わかってもらえない。

わかろうとする努力も大切、、、あの時の自分に言ってやりたい。

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