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Sports X Leaders Program修了生によるキャリア論①
NCAAで活躍する現役アスリートが、Sports X Leaders Programと出会ってから気付いたアスリートにとって必ず必要なこと
Sports X Initiative(SXI)の魅力の一つに多様なメンバーが上げられます。現役アスリートやビジネスパーソンなどスポーツに関わる様々な立場のメンバーが関わっていることが私達の強みです。
今回、アメリカのNCAA(Division 1)でアイスホッケー選手として活躍し、Sports X Leaders Program(以下SXLP)1期生でもある三浦優希に、自身のアスリートとしてのキャリアや考え方、SXLPを通して得られた気付きや海外で挑戦し続ける理由について話を聞きました。
SXLPに通ってから知ることができた新たな世界
一番大きかったのは、関わることのなかった、知ることのなかった世界の人と関われたことです。ただホッケーをやっているだけでは得られない人との出会いや、学びがありました。アスリートって、基本的には自分が主役になりがちです。もちろん競技として成果を出すのはアスリートなので実際はそうかもしれません。
でも私は、リーグ運営に関わる方、ファンの目線、関わる人とアスリートという立場は平等だと思っています。アスリートをしていると、どうしても競技をする側の視点に留まってしまいがちです。アスリートは、自分が競技できることは能力が恵まれている、秀でているからと思いがちなんだけれど、実は当然それだけでない。自分の周りには環境を整えてくれる人がいます。そういった人たちのことを知っておくことは、アスリートにとって必ず必要だと考えています。
プログラムのことを振り返ると、周りのみなさんが僕のことをあたたかく受け入れてくれたのを覚えています。自分は学生で、周りは皆さん社会人経験が豊富な方々。違う道を歩んできた人が、受け入れてくれたのが嬉しかったです。受講生の皆さんと接してみて、他の人が見たことのない景色を見てきていることは、アスリートの強みだと実感しました。
また、全員がフラットに接することができるのがプログラムのとても良かった点です。皆さんに対してリスペクトを持ちながら接することができ、人生の仲間を見つけられたと思っています。
1期の活動としては、実際には自分の夏休み期間を利用して受講したので、セッションすべてを受講できたわけではありません。グループワークでは「アスリートの価値」をテーマに行いました。ワークの一部にオンラインで参加したり、最終プレゼンでNCAAの様子をお伝えしたりしました。
海外で挑戦し続ける責任
初めて海外に行った時に意識が変わりました。日本にいた頃は、基本的になんでも周りが準備してくれたものに乗っかるだけ、ということがとても当たり前のように感じていました。自分が活動するチームを自分で探すなんて経験もしたことがありませんでしたが、海外に行くと自分でチームも探さないといけませんし、入団するための手続きをしないといけません。行動力も、知識も必要だと実感しました。チームに入ってからも、自分の決断を必要とされる場面が増えました。
こういった経験を通し、それまで受け身だった自分のスタンスが能動的に変わっていきました。
いま多くのアスリートに対して投げかけたいのは、「自分がなぜアスリートでいられるかを知るのは責務なんだよ」ということ。アスリートとして競技をできる裏側では、どんな人達によるどういう努力があるのか。そういったことをアスリート自身も学ぶべきです。
自分は参加したことで、学べた。完璧ではないかもしれないけれど、感覚は養えたと思っています。
これからスポーツの価値はどんどん変わっていきます。
スポーツの立場は変わっていく中で、このSXIという集団が先頭に立って日本のスポーツ界を良くする集団であってほしいと願っていますし、自身もその一員でありたいと思っています。
三浦優希 Yuki Miura
1996年生まれ。アイスホッケーをやっています。高校2年生の時に早実を離れ海外挑戦を始めました。チェコ、アメリカを経て現在はNCAAのDivision 1に所属するLake Superior State University に通う学生アスリートです。
(取材・構成:SXLP1期/太田光俊)