”全員の共通言語は「スポーツ」。だから熱くなれる。” ”「課題感を共有してやっていく」という仲間意識や使命感が高まっています” SXLP受講生第4期生インタビュー②
Sports X Leaders Program(以下、SXLP)第4期がスタートしてはや3ヶ月。Phase2が終了となりました。
ここまでの受講を終えた感想を、受講生である杉山友規さん、池山諒太さんにお聞きしました。(インタビューは11月12日実施)
ーー普段のスポーツとの関わりを教えて下さい。
杉山)大学卒業後、中高の教員をしていました。ホッケー部顧問として全国大会に出場したり県代表監督を務めたりし、30歳で退職。スポーツマネジメントを学ぶことを決心しオーストラリアに留学しました。Bond University Master of Sports Managementで学んだ後帰国し、東京2020ではホッケー競技のデジタルマーケティングを担当しました。
池山)2014年からベトナムに在住し、主に日本人駐在員の子どもを対象としたスポーツクラブを経営しています。はじめはサッカーからはじめ、2019年にはチアリーディング、2021年からスイミングの事業をはじめました。クラブを経営する一方で、プロリーグクラブのマーケティング代理店の仕事や、ベトナムリーグのクラブのスポンサー企業をサポートしたりしています。
ーーSXLPを知ったきっかけ
杉山)3期で参加していた飯高さんのきっかけで知りました。彼はドイツでホッケーをプレーしていて、オンラインで出会いました。ホッケーという共通項もあり、彼と似たような課題感を持っていたと同時に、飯高さんからも「同じようなビジョン持っているから」と言われたこともあり、SXLPに興味を持ちました。
池山)SXIのTwitterで知りました。去年通っていたスポーツ系のビジネススクールで一緒だった方が「学びになった」とツイートしており、それをみて興味を持ちました。それまでぼやっとしていたスポーツへの課題感がありましたが、SXLPならそのようなことの解決に活かせる学びがあるのではと思いました。
ーーSXLPを受講した理由、期待していること
杉山)物事をいかに箱の外から見ていけるかが重要だと感じています。課題感を持つ人の多くは、よく解決を望みます。ただ、前提が大丈夫かどうかと考え直したり、全体感を俯瞰しないと、答えありきになってしまい、課題にぶつかったときに行き詰まります。自分の持っている課題の解決方法が最適解なのか?という自問自答を日々考えています。
Phase1のDay1では、最初のセッションで池山さんと一緒でした。私はもともと教員出身のため、部活というのは比較的イメージしやすいと思いますので、私から「これがこれが」って答えをどんどん話ししてしまう。ただ、部活を今度はビジネスとして捉える池山さんの視点があった。もっと別の視点が必要なんだと思った。SXLPに参加し、グループワークを重ねながら複数の視点を持つことの難しさに気づきました。
池山)SXLP受講した理由は2つです。まず、自分は今ベトナムで自己資本で会社経営をしスポーツクラブを運営しています。正直、コロナ前までは特に課題感はありませんでした。ベトナムは日本人駐在員が増えており、子どもも増えているため、経営状況も特に困ることがありませんでした。
ところがコロナがあり、社会主義国ならではの政治判断のあいまいさや、厳しさを味わいました。今まで直感的に会社経営をしてきて問題なかったところが、どうにもこうにもならなくなりました。昨日OKだったことが明日NGになったりすることが出てくることもあり、直感の判断ではなく、色んな角度から見て総合的に判断できるようにならないといけないと思いました。
もう一つの理由としては、最近日本に住むベトナム人が増えてきている点です。中国人を抜き、日本で今一番多い外国人がベトナム人になりました。ところが、ベトナム人技能実習生の事件や犯罪といったニュースを耳にすると「ベトナム人が悪い」「またベトナム人か」といった見え方になってしまいます。こういった印象を持ってしまうことが悲しいです。原因を考えてみると、ステークホルダーたちの利権を考えたしわ寄せがきているところもあるのかと感じます。日本にやってくるベトナム人が、「日本での生活が楽しい」とか、「日本にいてよかった」と思ってもらえるようになってもらいたい、技能実習生日本人と共存共栄してもらいたい、といったあたりに課題を感じました。
ーーPhase1,2が終わってここまでの感想を聞かせてください
杉山)Phase1学んだ因果ループ図やフレームワークについては、ワークをやっていくごとに学びがありました。様々なステークホルダーがいて、ステークホルダーの思惑を知ることで、「ここが変わればいいのかな」と気づく瞬間がありました。
池山)経営者的な視点でいうと、一緒に働いている人たちからの相談も多く、SXLPのPhase1を学んでから、「どうやったら仕事って落ち着くんだろう」「現場の人が解決していくインサイトはどこにあるか」「どこに問題の根源があるか」といったことを考えるようになったと感じています。
ーー第4期のみなさんとはどんなコミュニケーションを取っていますか
杉山)正直なところ、まだ「みなさんいい子ちゃんぶってるな」と思うところはあります。みんながスムーズに進むように頭を働かせているとも感じますし、みなさんスマートに見せようという風にも見えるときがあります。もっと切り込んでいく人がもっといてもいいなと思っています。
池山)ここまで毎回オンラインなので、やりづらさは多少感じています。やはりリアルで対面できた方が、ちょっとした会話をしながらお互いのことを知るまたは知ってもらうということがあるでしょうから。
杉山)それぞれが相手の意見に対してのリスペクトがある。「あ、それ自分になかった意見だった」とか「あなたのコメントを聞いて自分の考え変わった」とかを素直に口に出せるメンバーが集っていますよね。それは素晴らしいと思います。
池山)もちろん全員の共通言語は「スポーツ」。だから熱くなれるし、バランスがいい。年齢やそれぞれの背景はバラバラでありますが、皆さんフラットに接してくれます。「スポーツ」という共通言語になった瞬間に目線が合う。それぞれがやはりスポーツに対して熱いと感じます。
ーーPhase3,4ではグループワークが中心となります。グループワークに向けた意気込みを聞かせてください
杉山)私のグループでは「アスリートたちキャリアに対するマインドセット」をテーマに設定しました。グループワークでシステムの観点を持ち、スポーツ界の裾野の人が同じ課題感を持って人たちでムーブメントを作っていけるといいと感じています。SXLPに集まっている人たちは、自分たちができることが火付け役になっている人たちだと感じています。
これまでは自分の悪い癖として、自分の課題感と結びつけようと思うと半分の思考を捨てしまっていました。課題の周囲に有る要素を「あれもこれも」となると考えるのが大変だったので、自分で線を引いてしまっていました。ですがここまでのSXLPでの学びを通し、かなり刺激してもらっています。
自分は海外の大学院にいったので、じゃあそれを日本にどう持ってくるかというところが大事だと思っています。そこにいくまでの前段階でステークホルダーたちの視点を踏まえ、課題解決に向けたよいグループワークにしたいと思います。
池山)テーマは「ベトナム人技能実習生を対象とし、スポーツを用いながら犯罪の数を減少させる」と設定しました。グループメンバーの一人は車椅子、一人はアフリカで、貧しい子どもたちをサッカーで支援している方です。この3人には「マイノリティ」という共通項がありました。「ベトナム人技能実習生による犯罪」という課題をもっと引いてみていくと、「マイノリティがどうやって共存共栄していくか」と同じような課題を持っていることが透けて見えるようになってきました。
グループメンバー同士で「自分たちは課題感を共有してやっていく」という仲間意識や使命感が高まっています。
Phase1,2が終わり、ここから点と点がどう線になるのかというモヤモヤは正直あります。これからどうなっていくかなという。今の課題をチームのメンバーとやっていく不安と、やろうという前向きな気持ちと両方ありますが、楽しみです。
(取材・構成:SXLP1期/太田光俊)
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