【SXLP7期 Day5レポート】ソリューションコンセプトと、それを導くCVCA・WCA
みなさん、こんにちは!SXIコミュニケーションチームです。6月末から始まったSports X Leaders Program(以下SXLP)7期Day5レポートをお届けします。
Phase1では、SXLPのコアである「システムデザイン思考(システムズエンジニアリング&デザイン思考)」を体得し、物事を多視点で捉えていきます。3-4日に1講義のハイペースで進み、毎回新たな概念を頭にも身体にも染み込ませていきます。新しい概念を学ぶPhase1もいよいよ後半戦となります。
■本講義のテーマ
ソリューションコンセプト
■講義内容
まず初めに、今回扱うことになるソリューションコンセプトの定義をご紹介します。
前回のDay4の講義では"Innovative Problem Statement(IPS)"をテーマに問題を定義することを学びましたが、今回のソリューションコンセプトは"IPSが解決された時にどんな世界になっているのか"を表したものです。そのため、Day4の講義と非常に密接に結びついた内容となりました。
また、その抽象的なソリューションコンセプトを出すための手法として、今回の講義では2つの分析方法を学びました。今回のPhase1では”貧困世帯とスポーツの関係性をリデザインする”をテーマに演習を通して各概念を学んでいるため、今回もこのテーマに沿って、下記の分析ワークを実施しました。
顧客価値連鎖分析
- Customer Value Chain Analysis(CVCA)
ステークホルダーとステークホルダーの間でどんな価値連鎖が起こっているのかを矢印を書きながら関係性を記述していく手法。
"出張で家を外していたお父さんがお肉を買って帰る"という事象の裏に、なぜ購入したのか、そこで生まれる感情や価値をCVCAを使った分析で炙り出すことで、ステークホルダーを含めた構造全体が機能しているのかを理解することができます。
欲求連鎖分析
- Wants Chain Analysis(WCA)
CVCAは客観的に関係性を定義・図示化していく分析ですが、WCAはそのCVCAを軸に、それぞれのステークホルダーの行動の裏にある欲求を深掘ります。
良いプロダクトやビジネスであればあるほど、そのシステムを構成している各ステークホルダーは実は1対1の一つの関係性だけでなく、複数のステークホルダーの欲求を満たすシステムとなっていることが多いです。逆に、途中でうまくいかなくなってしまうシステムは、そのシステムを構成するステークホルダーの欲求が満たし切れていないことがあります。
WCAを通して、CVCAで定めた関係性に重みづけがされ、全体観を把握することで、あるシステムが動き始める理由に関してより深い理解を得ることができます。この俯瞰プロセスを通して改めてDay3で学んだインサイトを発見し直して、元のワークに戻ってみるといったアクションも非常に有効です。
■グループワーク
今回は実際に、Phase1共通のワークテーマとなっている「貧困世帯とスポーツの関係性をリデザインする」を題材に、各グループがDay4で設定したIPSを元に上記CVCAとWCAに関するグループワークを行いました。
どのグループも少し詰まりながらも積極的に付箋ツールで手を動かしながら議論を推進し、ソリューションコンセプトを定義しました。ソリューションコンセプトと裏表にあるIPS、及びDay1-4の全てのプロセスががきっちりと設定されていないとどうしてもソリューションコンセプトも定義しづらくなるため、このワークを通して改めてこれまで学んだ一つ一つのプロセスを怠らず、深く理解して丁寧に進めていく必要性が伝わったかと思います。
■受講生の声
7期白井凌太郎さん(株式会社ユーフォリア)
これまでの問題定義に着目したフレームワークから、創出価値さらには、実際に課題を解決するソリューションを考え始めたことで、『イテレーション』とどこにフォーカスするかといった『スコープ』の大切さがよりわかりました。
どうしても、日々向き合っている業務の中では目の前の顧客の課題解決に集中しがちで、そもそもなぜその課題が起きているか、顧客は何を求めているか、ステークホルダーは誰か、その関係性はどうなっているか、真に解決すべき課題は何か、最適なソリューションは何かをシステムとして捉えることができておりませんでした。
次回講義まで少し時間が空くので、今自分が顧客と捉えている存在、ステークホルダーを整理し、日々の業務にも活かしていきたいです。
また、毎回のグループワークを通して今まで自分が捉えられていなかったステークホルダーや、ステークホルダーの関係性から見える課題を見つけることができました。
引き続きイテレーションすることになるかとは思いますが、グループCの方々と一緒に課題に対する解像度を上げ、現時点で私達が考えられる最適なソリューションを導き出したいと思います。
■最後に
Solution ConceptはSolutionを考える一つ手前の重要なフェーズで、ここがブレてしまうとうまく課題設定に移れない重要なプロセス。アルムナイである筆者もここの概念を叩き込むのに苦戦した経験があるため、改めて重要な講義だったと思います。次回講義は7月17日。今までの5回の講義で学んだ概念を一度総復習した上で、それらを実際に試してみる、「プロトタイピング理論」をテーマに実施予定です。次回レポートもお楽しみに!
■Sports X Leaders Program
「システムデザイン思考(システムズエンジニアリング&デザイン思考)」をコアに据え、物事を多視点から捉え、自らが直面する課題や取り組んでいるプロジェクトに当事者意識をもち主体的にアクションを起こせるリーダーを育成するプログラムです。
■Sports X Initiative
Sports X Initiativeは「スポーツ×〇〇」の様々な切り口から価値創造に取り組む人々のコミュニティであり活動プラットフォームでもあります。スポーツをシステムとして捉え、社会とのつながりをシステムとして捉え、その中で課題解決や価値創造に取り組む多様なメンバーの交差点でもあります。
日本のスポーツの未来をつくるために、私たちSports X Initiativeは「Sports X Leaders Program」「Sports X Conference」「Sports X Lab」の3つの活動に取り組んでおります。
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