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「薬局で順番待ちしていた時に、おじさんの着メロから流れたメロディーは…」

 以前、夕方に病院へ行き薬局で順番待ちをしてい時のことであった。

♬何やら怪しげで昭和レトロな着メロが聞こえてきた。♬

今、ここにいるのは

どう見ても

私とおじさんの二人だけ。


というのは


どっからどう見ても明らかな事実だ。

おじさんの順番が受付で呼ばれると同時に勢いよく鳴り出したのは

『帰って来たヨッパライ』であった。

次々と名前を呼ばれ、待合室からは薬待ちをしていた患者は少なくなり
静まりかえっていた矢先の出来事であった。

♬『おらは死んじまっただ~ おらは死んじまっただ…』♬
ひたすらこのメロディーがリピートされて流れているではないか‼

 この曲は、かつて私が子どもの頃にテレビの懐メロ特集か何かの番組で聴いたことがあった。それ以来は私の中で


「一度聴いたら耳から離れがたいメロディー」
として認定された曲であった。

そのため

「まじか…」

「なぜ、そのタイミングなんだ…」

「なぜ、この場所でなんだ…」

「リアルコントか…」

怒りを通り越して笑い

さらに、それをも超越して

ただ

ただ

呆れの境地にいた。

その後おじさんは、直メロが鳴り出した後

しれっと電話にでた。

「まじか、ここ一様病院の敷地内だよな…」

しかも、歌詞の内容を知っていただけに

直接何も悪い訳ではない私の方が
なぜだか恥ずかしさや気まずさのあまり

「早く会計すませててとっとと帰りたいー」

という衝動に駆られた。





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