スイスラボのハッピーカフェ vol. 2 レポート その3~ 「好きなこと・得意なことをどうやってお金にする?」と「みんなの印象に残ったこと」
こんにちは。
Swiss Lab. Go for it ↗︎
スイスラボです!
去る11月7日に、スイス発🇨🇭女性のための異業種交流オンラインイベント『ハッピーカフェ』の第二回目を開催しました!その模様のレポート記事を、先日からお届けしています。
1 スイスラボのコンセプトと “ikigai” チャート → レポート1
2 ブレイクアウト1回目「好きなこと・得意なことについて」
→ レポート2
3 ブレイクアウト2回目「それをどうやってお金にする?」
4 全体会「グループセッションで印象深かったことをシェアしよう」
この『レポートその3』では、「3 ブレイクアウト2回目」と「4 全体会」の模様をお伝えします。今回もルーム横断方式で話題をまとめました。
ブレイクアウト2回目「好きなこと・得意なことをどうやってお金にする?」
①海外で日本人がビジネスをするには、日本文化を活かさないと成り立たないのか?という疑問
外国でビジネスをするときに、自分が日本人であることを活かすのは、有効な戦略です。もともと、例えば茶道、生花、書道などの日本文化が「好きなこと」だったり「得意なこと」で資格を持っていたりすれば、それを活かさないテはありません。ある意味「日本人である」という属性が、「得意なこと」ならぬ「有利なこと」カテゴリーに分類されるということかも。でも、茶道とか書道にそもそも興味があるわけではなかったら・・・?実際、参加者の方からこんな(↓)葛藤が吐露されました。
着物・お茶、生花など、日本の伝統文化のバックグラウンドが自分にはないし、興味もそれほど深くないです。日本文化に関わらず、ビジネスにつなげられるような何かが自分にないのだろうか、という葛藤があります。
日本人の強みをビジネスに活かすのは確かに良い戦略だけど、あまり興味が深くないのにそこに固執しすぎると、ビジネスの内容が限られてしまうとも言えます。こんなお悩みに対して、二つの助け船が出されました。
まず、誰に向けてビジネスするか?を明確にするという方向性。
スイス(居住地)のものを日本に向けて?それとも日本のものをスイス人に向けて?ビジネスのターゲットをまず決めて、内容も考えていくという方法もあります。ただ、別のルームで出た話題ですけれども、近頃の日本の物価の安さは要注意のようです。ヨーロッパから日本に何か輸出する場合、高価格すぎてなかなか売れない恐れがあるそうです。付加価値やらブランディングやら価格設定の戦略を練るのが良いかもしれませんね。
それからビジネスの内容を、日本文化からアジア文化、はたまたもっと広げて、全人種共有のテーマ(例えば「健康」など)を切り口にするというアイデア。
この「日本にこだわらないあり方」は、全体会でも話題になりましたので、以下の「全体会」の節も是非ご覧くださいませ。
②キャリアチェンジ問題
キャリアチェンジを重ねた経験をお持ちの参加者の方が、次のようなお話しをされました。
間違った業界にいたら絶対にだめなんだって思いました。間違った業界にいたときは、お金にもならなかった。そういう時に、さっさと見切りをつけて違う業界へジャンプして行く勇気も必要。
これ、とても重要なんではないでしょうか?
同じ業界でキャリアを長く重ねれば重ねるほど、過去のキャリアや栄光、そこで培った常識などに縛られがちだったりします。「好きなこと」への愛が強すぎると、さらに転職が難しいかもしれません。「一つのことがずーっと好きでそればかりやっていると『それしかできない・他のことができない』コンプレックスもあるし、自己肯定感が低いと『私にはこれしかないし、ここで頑張るしかない』と思ってしまいがち。」という視点もありました。でも、
転職する時ってそういうものをちょっと一度リセットしてみる良い機会なのかもしれません。また新しく色々と学んでみようっていう姿勢が大事なのかなあと思います。
とはいうものの、スイスラボのハッピーカフェ参加者のボリュームゾーンでもある、私たちアラフォー・アラフィフ世代は年齢を足枷に感じがちです。そんな私たちに40代で新たに学位を取ったという参加者から、
「大丈夫です。何歳からでもできますよ。」
と、エールが送られました。
視点は変わりますが、好きなことをいざ仕事にしようとするときに、「自分の普段の仕事、どうしよう?」という問題もあります。
趣味を仕事にするとなると、収入がガクンと減るリスクがあります。軌道に乗るまでは現職を手放さずにいたほうがいいですし、現職と新しい仕事の時間配分など移行プランを考えないといけないです。職種によっては職場と調整が必要なこともあるかもしれません。半年ほどかけて少しずつ移行する、など事前に計画が必要です。
③仕事と家庭のバランス問題
好きなことを仕事にしてしまうと、仕事とプライベートの区別がつきにくくなってしまうという問題もありますよね。
私は仕事以外の生活があまりなくて、ずーっと仕事中心の生活なんですね。これがスイスラボに参加しようと思ったきっかけの一つなんですが、趣味と仕事が一分野に集中しているので、それ以外での繋がりや広がりが欲しい。
スイスラボをきっかけに、ネットワークをどんどん広げていただけたらスイスラボ一同、本望です!
好きなことを仕事にできているけれど、週末に自宅を使う必要がある。そうすると子供や家族に負担がかかるので、好きなはずの仕事が原因で家族と揉めてしまう。という別の問題が・・・
こちらは「仕事と家族、どっちも大事」だからこそのお悩みです。これも全体会で再び取り上げられました。「全体会」の節もご覧くださいませ。
④好きなことを仕事にできているけれど、お金になってる・・・?
サービスを安く見積もってしまう問題
ブレイクアウトルーム2回目で浮き彫りになったことに、「自分のサービスの対価の付け方が難しい」問題があります。
みなさん、自分のサービスの対価を低く見積もりがち。日本人はもう少し値段設定を高くしたほうがいい気がします。皆さん、結構謙虚すぎる(笑)。
とのご指摘がありました。実際、どう値段設定していいかわからない方もいらっしゃいました。そんな方へのアドバイスは:
いいサービスを提供しているという自信を持って、人よりも高く値段をつけてみる。それで去るんだったらそれでいいという形。ある意味強気にでてしまった方がいい気がします。安いものって、人は買った時にありがたみをもたないんですよね。お金を出して買ったものは、やはり大事にします。
日本人には値段設定を低くすることが、善であるみたいな風潮があるけれども、ヨーロッパ(というかフランス)では値段設定を低くすると「安かろう悪かろう」と思われがちなんだそうです。「良いものをお安く!」な日本(特に西方面?)で育った私たちは、自分の提供するサービスを安く見積もらない訓練もしていかないといけないようです。そのためには、
自分がサービスをどのようなパッケージとして提供できるのかってことが明確に見えている必要がありそう。そういうアドバイスも必要かも。
その一方、値段設定には、次のような問題もあります。
お金のない方にもリーチしたい商売の仕方ってどうしたらいいのでしょう? 例えばお料理教室だったら、健康になってもらいたいのは、お金持ちの方にもですが、特に一番悪い食事をしている貧困層の人にリーチしたい。そんなときお値段をどう設定したらいいものか・・・
これには、飛行機の座席のお値段設定的なアドバイスをいただきました。
飛行機は「ファーストクラスやビジネスクラスのお客様が払ったお金で飛んでるようなものだ」というウワサがあります。お金持ち対象のラグジュアリーなファーストクラス・ビジネスクラスの座席には高い値段を設定し、庶民向けのエコノミークラスにはそこそこのサービスとお値段を設定する。そうすることで様々な階層の人々にリーチしつつ、なおかつお金持ちに支払ってもらったお金でビジネス全体を回していくこともできる、というやつです。それと同じことをお料理教室など、他のビジネスでもやってみたら?ということ。
お金はある所から無い所へ流していく。その流れをつくるのをビジネスでお手伝いする、という発想。こんな発想をアタマの片隅に置いておくことも大事そうです。
全体会「みんなの印象に残ったこと」
前回のハッピーカフェのあと「他のルームでどんな話題が出たのか知りたかった」というご感想をたくさんいただきました。それを受けて今回導入した全体会では、参加者の皆さんに、それぞれのルームで印象に残った話題をシェアしていただきました。ブレイクアウトルーム毎に「印象に残った話題」をお聞きしていったのですが、みなさんそれぞれの視点からの感想を伺い、時間は足りませんでしたが、意見交換をすることもできました。
①日本人であることにこだわらない&日本文化の伝道師
このレポートの最初のほうで取り上げましたが、日本人で海外在住だとどうしても日本関連の仕事をしなきゃいけないのではと思いがちです。有利なことを活かすという視点は、外国に限らずどこに居ても、生き抜くために必要ですから、当然とも言えます。でも、それに捕らわれずに自分ができることの可能性を探すありかたがあっても良いのかも、という話がありました。それに対して、大事な洞察を提示してくれた参加者がいらっしゃいました(↓)。
それとは逆に、日本のことをこれから伝えていきたいという方もいて、両方の視点が大切なんだろうなと思いました。日本関連のビジネスを深める人と、それ以外の分野でビジネスチャンスを得る人と、両車輪のようにいくといいな、と思いました。
結局は「自分は何が好きで何が得意なのか」が分かって仕事を選ぶのが大事なこと。その際に、「有利であること」を活かせるなら活かした方が良いのは当たり前。でも、もしそれが「好きなこと」でなかった場合、生き甲斐チャートの「得意なことでも『好き』という情熱がないと虚しくなる」のワナに陥るリスクがあります。ですから、「有利なこと」に捕らわれすぎないという視点も覚えておきたいものです。
②心と時間における、家庭と仕事のバランス・仕事の意味
仕事と家庭のバランスはいつも難しいもの。自宅のスペースを利用するなど、仕事のために家族に負担をかけざるを得ないという場合には、家族の生活を巻き込んで、更に難しい問題になります。かくいう筆者の実家も、父が自宅で塾を経営していましたので、この問題は他人事とは思えません。
△◎教室をスイスのご自宅で主宰している方が、仕事と家庭のバランスの葛藤をシェアしてくださいました。
スイスでは△◎設備付きの手頃なレンタルスペースが無いので、結局自宅で開催になります。参加者の希望に沿うと週末に開催することが多いので、週末家にいる家族にどうやって家を空けてもらうかが課題になります。心と時間における、家庭と仕事のバランスが大変です。家族の負担に見合うだけのお金が結局稼げているのかどうか、とても心に重く感じます。
「心と時間における、家庭と仕事のバランス」という言葉がとても印象に残りました。家族にどこまで仕事に協力してもらえるか、というのはとても難しい所。筆者の父は雷オヤジでしたので(そして実際雷オヤジの塾のお陰で生活できておりましたので)「オマエら何のおかげで飯食えてると思ってるんだーッ!」の一喝で家族全員全面協力を強いられました(いや、彼なりに当時必死だったので雷オヤジだったんだと、今ならちょっと分かりますヨ)。そんなボヤキはさておき、「家族に我慢してもらった分稼げている」みたいな言い訳(?)がない場合、どうしても家族に引け目を感じてしまう、という葛藤だと理解しました。
でも、仕事の価値って、お金を稼げてることだけ?家族を養えてるという雷オヤジ的価値だけでしょうか?
仕事にはお金以外の色々な価値があるという視点も大事じゃないでしょうか?
という疑問が投げられました。自分が社会に貢献する方法、あるいは自分の居場所としての仕事、などの考え方もあるということですね。家族に負担をお願いする時に、雷オヤジ的価値観から自由になって、こんな切り口で説明してみるというのは、どうでしょう。もちろん納得のいく収入が得られるように、ビジネスのアイデアを学び合うことが大事なのは大前提。でも、そういう努力が実を結ぶには時間がかかるもの。それまでの間、家族や自分自身と折り合いをつけなくてはなりません。そんなとき、こんな視点は如何でしょうか?というご提案です。
ただ、裏を返して、もし大金が稼げるようになったとして「このお陰で稼げてるんだから、多少ガマンして当然」と家族に対してウッカリ思ってしまうと、摩擦が起こりかねない。そういう摩擦に育てられたといっても過言ではない筆者としては、この視点はわりと救いになるかも?と思ったのでした。
③異業種交流・情報交換として役に立った
ビジネスを始められたばかりの方から、
ちょうど自分が悩んでいたことなのですが、リアルな入金システムのアドバイスをいただけたのが助かりました。自分でビジネスするとなると、色々と自分で決めないといけないことが多いけれど、自分で調べるにも限界があります。こういう場で色んな人たちとお話できて、アドバイスを聞けてとても良かったです。
というご感想をいただきました。情報交換の場としてスイスラボのハッピーカフェがお役に立てたようで、何よりです。そして、最後に
ポジティブに考えることができました。
という嬉しいお言葉をいただいて、ハッピーカフェの第二回目は閉会とあいなりました。
ハッピーカフェにご参加くださったみなさま、この長~~いレポートを最後まで読んでくださったみなさま、どうもありがとうございました。
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