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黒人女性ジャズハーピスト

 レアグルーヴが流行った90年代にとあるコンピ(確か"free soul"と言うUKのコンピ)に入っていたのがDorothy Ashbyと言う名の黒人女性ハーピストの"Little Sunflower"だった。そこから見つける度にコツコツと買いためてきたものの、なかなか高価なものが多くて未だ半分には満たない。調べてみると日本独自企画のアルバムなども発表されていたことが分かり、尚更コンプリートには程遠いことを知る。

 ハープ〜西洋琴の音は俺が言うまでもなく心地よいのは皆さんご存知だろう。この、縦に張られた弦の振動は人類を癒してきた。そして偶然にもアジアを含む世界各地に同じような仕組みの琴が誕生してきた。ただ、西洋琴は勝手なイメージで白人のものと思っていた俺は、黒人女性が、しかもジャズハーピストとして存在したという話だけでなんだか色んな物語が想像させられてムラムラしてしまった。黒人オペラ歌手の系譜があることを知った時と同様。

「なぜ差別を受けてきた人たちが、
差別をする側の西洋の看板を張ったジャンルの、
西洋的な楽器(歌)に触れることになったんだろう?」

 そして最近ふとTiny Desk Concertをハシゴして見ていたときに彼女を見つけたのだ、Brandee Younger

 まるでErykah Baduのような装いで奏でられるハープのなんと心地よいことか。しかもCurtis Mayfieldの"Makings Of You"オマージュのような楽曲、これは一目惚れならぬ一曲惚れ。俺は不勉強でこの時初めて知ったのだが、彼女は既に2011年にはソロデビューしていて、2021年にはグラミー賞も受賞していた、現在40歳。そして、調べてみると当然ながら影響を受けたアーティストにDorothy AshbyやAlice Coltraneなどの名がある。そしてBrandeeの新譜"Brand New Life"(2023)はDorothy Ashbyの未発表曲を仕上げた楽曲も収録されていると言う。

「これはレコードで聴きたい」

と思って早速、彼女のメジャー2作品をレコードで購入。Tiny Desk Concert同様のこのR&B的な佇まいも素敵。曲によってはHip HopプロデューサーのPete Rockが参加していたりするから尚更キュンと来る。彼女は8月にはBlue Note Tokyoに来日するそうだが、残念ながら俺は都合がつかず、、、興味を持った方は是非行ってみて感想をください。

 そして彼女の師匠的な(と言ってもDorothy Ashbyは1986年没・Brandeeは1983年生まれなので接点は実は無さそう)Dorothy Ashbyの名盤を聴きながら過ごす日曜の午後なのでした。

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