忘れられないLVMHの彼女。

おはよう。

最近、M&Aのニュースを耳にしますね。
LINEしかり、LVMHしかり…
LVMHのニュースを聞いて、私は一人の女性を思い出しました。

彼女と知り合ったのは、バルト三国の一番下の国、リトアニアのバーだった。
バルト三国を周遊していた私は、安いホステル住まいの旅をして「独立国家」の歴史を堪能していた。
その日、スーパーから出た私は、飲み物を買い忘れたことを思い出した。
スーパーに引き返すのは面倒だからと、どこかで飲み物を調達しようと思った。
そこで、ホステルの近くにあるバーに入り、"Tea"を作ってもらっていた。
お店のカウンターの左端に、若い男女が楽しそうに話している。
ん、よく見たら女性はアジア系の顔をしている。話している英語に耳を傾けると、発音の"仕方"が日本人に近かった。ただ、彼女の英語はとても流暢だった。
会話の内容を聞き取ると、彼女は日本人であることがわかった。
こんなところに、日本人が一人でいるなんて奇遇だなあと思い、声をかけた。それが、彼女との出会いだった。

結局、その日は時間がなかったが、二人ともエストニアに向かっていることがわかり、かつて仕事で滞在したことがあるという彼女にエストニアを案内してもらうことになった。

その彼女は、新卒でLVMHに勤めていたそうだ。
モエ・ド・シャンパンやルイ・ヴィトンのブランドマーケを担ったことがあるという。
しかし、途中で何か違うという"違和感"を感じて退職した。
退職後はかつてお世話になっていた法律事務所で働き、取得していた資格を使ってエストニアのベンチャー企業と仕事をしたことがあるという。
しかし、彼女がその時エストニアに居たのは別の理由だった。
彼女は、焙煎そばの実の良さを日本に広めようとしていた。

6ヶ月くらいを目処に、商品を作って売る準備するんだ。

そう言っていた。
彼女はそばの実が豊富なリトアニアに行きやすいように、エストニアの友人宅に滞在していた。
そんな彼女と別れ、私は帰国した。

それから約4ヶ月、彼女から梱包物が届いた。
女性らしい、そして中欧らしいデザインのパッケージの中に、彼女が作った焙煎そばの実があった。

当時、その商品を見た時、私は衝撃でソファでうなだれたことを覚えている。
当時、前の会社にいた私は、私がやっている仕事が本当に誰かのために、エンドユーザのためになっているのかと日々葛藤していた。そしてこの先、その会社にい続けている自分も想像できていなかった。なんて、彼女に相談したことも覚えている。
そんな時に届いた、彼女の想いがつまったそばの実。
有言実行で形にした彼女に感服した。

そんな風に私も頑張らねば、と思わせてくれる知人や仲間がいるって贅沢で素敵な環境ですよね。
良い旅に、良い出会いでした。バルト三国とスウェーデン周遊の旅。

今日もいってらっしゃい
そして、おかえりなさい

文章にあった絵を書いてくださる方、募集していたり。していなかったり。