アイスのスプーン。
おはよう。
最近、めっきりアイスは食べなくなってしまった。
なんだか、アイスメーカーに申し訳ない。
この前、インスタグラムで大人のメロンクリームソーダの作り方とやらを発見して、これはやらなあかんな!という強迫概念にも似た感情に襲われ、街に出て材料を探し歩いた。
メロンソーダのあのフォルムが、「大人」という形容詞をつけているなんて、洒落てるよなあ。そう思いながら、一番肝心な「ほろよい メロンサワー」が見当たらない…
まあ、いいか。今日はぶどうで我慢しよう。材料のアイスの実だって、奇遇にもぶどう味があるじゃないの。
強い強迫概念に対して、あっけなく妥協した。
レジで、店員さんが商品を袋に詰めるとき、アイスのスプーンを入れてくれた。あの、木のアイスのスプーンだ。
懐かしい。
幼少期は、アイス食べたい!と急に親にせがむと、お駄賃をもらって、社宅の目の前にある"酒屋さん"(我が家ではそう呼んでいたが、こぢんまりした町の売店のようなところ)に走って買いに行った。
観光地とかにある大きな古びたアイスケースを上から懸命にじっと眺めては、渾身の「キミに決めた!」を探す。
当時から私は、コーン付きのアイスが苦手だったので、カップのアイスを好んで"キミ"にしていた。
そうすると、漏れなく付いてくるのが木のアイススプーンだ。
今となっては、木のスプーンに有り難味も珍しさもなくなってしまったけれど、当時は木のスプーンに特別感と高揚感を感じていたものだ。
でも、クリームソーダという一見、子供用の飲み物(食べ物?)を脳の半分以上に入れて歩き回っていた私にとって、店員さんがなんともなしに入れた木のスプーンは、かつての高揚感を思い出させてくれたように思う。
ちょっとだけ、ちょっとだけ ぬくぬくしながら家路についた。
数日経った今、我が家の冷蔵庫の中には、「ほろよい メロンサワー」が2缶入っている。
今日もいってらっしゃい
そして、おかえりなさい
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