偲ぶ

おはよう。

母校から便りが届いた。
特別なものではない。同窓生向けの学園報だ。
普段、まじめに目を通さないそれを、さっと目を通した。
「偲ぶ」という欄で目がとまった。

そこには、亡き恩師の写真が印刷されていた。
恩師といっても、担任や部活の顧問だったわけではない。
家庭科の先生だ。

我が母校は、中学生の時に浴衣を一枚の布から縫い上げるという一大イベントがある。
亡き先生には、その時に多分にお世話になった。

恩師の悲報を知って思うことは、そんな年齢になったのだということだった。
母校は私立なので、恩師たちが今でも同じ校舎で教鞭をとっている。
毎年少しずつ変わりゆく教師陣の面々を見て、自分はひとつ、またひとつ歳を重ねていることに気付かされる。

そんな母校がまだ当時と同じ場所に、ああして残っていることは素敵なことなんだろうと思う。

コロナで遅れた今年度の授業を取り戻すべく奔走している先生と生徒たち。
秋は、例年通りといわずとも、対策をした上で講師として出向けることを楽しみにしている。

今日もいってらっしゃい
そして、おかえりなさい

文章にあった絵を書いてくださる方、募集していたり。していなかったり。