内面的に褒める「丹念な人」
角一つに隙がない、丁寧に包装された贈り物。
あなたは、どんな風に開けますか?
幼少期、どうやったらこんなに丁寧に包めるのだろうと、一折一折確かめるように止めてあるテープを剥がしていった。
それが癖になったのか、今でも確かめるように包みを開ける。
そんな様子を見た友達から言われた。
「丁寧に開けるね」
全く同じ状況で、同じように包みを開ける人に対して、こう言った人がいる。
「丹念な人だね」
一気に崇高な誉め言葉をもらった錯覚に陥る。いや、誉め言葉であることに間違いはない。
丹念という意味は、心を込めて丁寧に仕事をするとかそういった類だ。
丁寧は、その人の動作に対してストレートに表現した言葉で、丹念になると、その人の人柄や内面的なものに焦点が当たった言い方になる。
そんな印象を受けたのは、私だけだろうか。
相手を褒める。ただそれだけのことでも、言葉一つを選ぶだけで伝わり方が違う。私の言葉の辞書は、まだまだ乏しいものだと思わせてくれる体験だった。
さて、母はよく私に「あんたは、強い」と言うのだけれど、これを人柄や内面的な言葉に言い換えて褒めるとしたら、何と表現するのが良いのだろうか。
芯のある人、意思のある人… この辺りは褒めているかな。
頑固な人、こだわりの強い人、剛毅な人、剛直な人、強硬な人… こうなってくると褒めてはいない、よね。
言葉って面白いな。
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