"さ"で揃えてみたかったけれどイマイチ「爽やかだけど、ささやかなそのヒソヒソ声」
トクトクトクトク…
ペットボトルの蓋をぐっと回してキャップを外し、小さな気泡を持つその水を、マグカップに注ぐ。
静まり返った作業机の中央から少し右側。右手を真っすぐに伸ばさずとも届くくらいの距離に、丸いコースターの上にちょこんとマグカップは佇んでいる。
作業に没頭していたら、ヒソヒソ声が聞こえた。
爽やかだけど、ささやかなそのヒソヒソ声は、何を言っているのかわからない。
フツフツフツフツ
誰かがいるわけでもない作業場で聞こえるヒソヒソ声の正体を探すため、顔を上げた。
あー、なんだ。
君ね。「まだ飲まないの?」って教えてくれているのね。
マグカップの中の炭酸水が、空気に触れて楽しそうに会話しているその音は、作業に没頭しすぎて固くなっていた気持ちをちょっとだけ軽くしてくれる。
***
そんな気がしたんだよね。つい先日。
自分の表現をこのマガジンで取り上げるのは初めての試みで、共同編集者のみほさんにお咎め受けるかもしれないけれど、ちょっと書いてみたいくらいに素敵な情景だったので書いてみました。
いやー、読み返してても陳腐だなぁ。
もっと良い表現があったんじゃないかなぁ。
気になる言葉、魅力的な言葉を集める共同マガジン「コトバツムギ」を始めました。共同運営者は以前ライティングスクールで一緒に学んだもりやみほさん。私は、月~土までのうち、火・木・土を担当しています。
文章にあった絵を書いてくださる方、募集していたり。していなかったり。