しがない大学生が開発したサービスが400万ユーザーを達成する話②
前回→しがない大学生が開発したサービスが400万ユーザーを達成する話①
2017年2月18日 - サービスのリリース
この人狼GMbotはLINE公式アカウントということで、ユーザーからすると友だち追加という形でサービスが利用できるようになります。
その友だち追加のためのQRコードやURLをオープンに告知する、これをもってサービスのリリースと呼ぶことにしました。
リリース日(告知日)を2017年の2月18日に決めたあとは、バグがないかの最終チェックなどをして、Googleサイトで簡易的なホームページを作って、利用規約やルール説明や使い方などをまとめました。
あとは、公式から発信する用にTwitterのアカウントを作成して、リリース告知を1つ目のツイートにしようということになりました。
そして、いよいよ2017年2月18日(土)の16時に、満を持してサービスリリース告知の、このツイートをするのでした。
(「LINE」じゃなくて「Line」って表記なの気持ち悪いなとか…「人狼GMbotが完成しました!」って言われてもなにそれって感じだよなとか…「みなさん!」からの書き出しもよくわからないなと今見ると思うわけですが)
このツイートをしたあとは、自分たちや友人のアカウントがRTをして少しは拡散していったものの、ちらほらといいねとRTが増えるぐらいで、まぁこんなものだよなという出だしでした。
これだと拡散されないなということで、人狼に関わるサービスや有名人、趣味としてかなりやり込んでいそうな人狼プレイヤー(プロフィールなどに書いている人)といったコアなファンを中心に、とにかくフォローしまくるという、比較的単純なやり方をこの夜ぐらいにやりました。
そのおかげもあってかじわじわと拡散され、日付をまたぐ少し前にフォロワー数の多いアカウントにRTされたのをきっかけに、ふつふつと拡散され始めて、最終的には上にあるように1.7万RT・1.8万いいねをもらえるほどにバズることになるのでした。
ふと、当時のLINEの会話を辿ってみました。
リリースをした2017年2月18日の夜のグループLINEからスクショを1枚。
自分の当初の目標はユーザー数1000人超えでした。
当時、すでに他にも人狼ゲームができるBotは存在していて、そのBotが1000人ほどのユーザー数だったため、とりあえずそれを抜くことがAwardsで賞を取るための近道だと考えていました。
応募締め切りまでがたぶん1週間ぐらいで、そこまでに1000人だな、きついハードルだ…という発言だったのだと思います。
2017年2月19日 - 東京競馬場でデバッグに追われる
日をまたいで19日(日)の深夜2時前にこんな発言が残っていました。
人狼GMのTwitterアカウントをフォローバックをしてくれた人狼系アカウントの中に、人狼HOUSE渋谷店さんがいました(人狼HOUSEは来店した人たちで人狼ゲームを対面で遊ぶことができるお店です)。
当時、9000人ほどのフォロワーを抱えるハウスさんにRTされたことがきっかけで、あのリリース告知ツイートが飛躍的に伸び始めたのです。
なんせ、ハウスさんをフォローしているアカウントは基本的に人狼好きな人たちなわけで、そんな人狼好き9000人に拡散されることがどれだけのインパクトかは明白。
本当にこのRTからじわじわとRTといいねの速度が増していったのを覚えています。
ただ、それと同時にバグもじわじわと出て、その対応や調査に追われることにもなっていくのでした。
「オールが見えてる」は前回の記事の最後に書いたように、明けた日曜の2月19日はG1フェブラリーステークスの現地観戦の予定なのですが、始発で競馬場に行く想定だったので、これはもうオールだなと。
結局カバー画像などもアカウントに適用し、いろいろやっていたらもう朝の4時20分を回っている感じみたいでした。
そのまま始発ぐらいで東京競馬場に向かい、朝の開門と同時に始まる通称「第0レース」と呼ばれている席取りダッシュに参戦したのだったと思います。
画像フォルダを漁ったら、こんなスクショも残っていました。
競馬場で席をとったあとに、バグ修正やらの対応をしていた記憶があるのですが、朝の9時44分の1000RT記念スクショを見るとテザリングしていますね。
テザリングをしてネットに繋げたMacで、増えるユーザーとサーバー負荷によって巻き起こるバグの嵐をさばくのに必死で、馬券は二の次だったような気がします。
たしか、当日起こっていたバグの1つで、ユーザーのプロフィール名をプレイヤー名として使うような仕様だったのですが、プロフィール名に特殊記号(顔文字とか)を入れている人が結構いてエラーが起きていたのは覚えています。
SQL周りでプレースホルダーを使っていなかったか、エスケープ処理ができていなかったかでエラーが頻発していました(コード的にSQLインジェクションは起こせないはずではあったものの、稚拙なプログラムだったのは確実で…)。
エラー通知が来ては調査をして新たなバグが見つかり、直すけど次のバグが見つかるし、拡散スピードが日曜ということもあってどんどん増していき、ユーザー数の増加とともにまともにBotが動作しなくなっていく…そんな感じで、この日はサービスを止めるしかありませんでした。
そして、想定以上に広まり、ユーザーの期待が大きくなったということもあり、相方のペンギンとまずはユーザーにいろいろと説明しないといけないことがあるよねという話になりました。
当日のLINEを見返したのですが、
LINE非公式のサービスであること
このサービスは期間限定であること
この2つの説明をする方針になっていました。
当時はLINE@(現在はLINE公式アカウントとして統合)というものが今ほど広く認知されていなかった気がしますが、それによってユーザーは「 LINEがグループで人狼できるようにしてくれたぜ!」みたいな感じで、公式がやっていると勘違いする人もそれなりにいたため、非公式だということを主張したかったのは覚えています(所詮、ただの大学生が作っただけのやつだから、バグばっかで申し訳ないけど仕方ないよね、みたいな言い訳がしたかったわけです…)。
あとは、ユーザー数が100人ぐらいなら、Awardsが終わってサービスを終了しないといけないときが来たら、速やかに終了してしまっても別に文句も言われないでしょぐらいに思っていたわけですが、想定以上に伸びてしまったがゆえに、突然今日でサービス終了ですとはいかないよねという話もしていました(リリース時点でのスタンスは、サービス出す側としてはあまりにも楽観的で不誠実な感じですね)。
そういったところを踏まえて、ユーザーの方々には混乱のないように、人狼GMはAwardsが終わるまでの残り1ヶ月ぐらいの期間限定サービスであり、それをわかった上で遊んでもらうという形で、もろもろ告知しようということを話し合ったわけでした。
それからサイトに謝罪ページを作成し、想定以上のユーザー増加とバグの多さでまともにサービス動かないので、数日間はサービスを一時的に止めて直しますという内容と、前述の2つの説明を書いて告知したのだったと思います…。
このときの気持ちとしては、バズるのはめちゃくちゃ嬉しかった反面、こんなにバグばかりのコード・プログラムなのが自分なりに不甲斐なかったり、せっかく面白そうと追加してくれたのにいきなり遊べないという点でユーザーへの申し訳無さなどがあり、メンタルがだいぶやられました。
サービスをリリースしたこともなかった当時は、言ってしまえば大学生がお遊びでリリースしただけのものという感覚で、突如降って湧いた責任に押しつぶされそうになったと…(言い訳がましい)。
とはいえ、やるしかないわけです。
それから怒涛のメンテナンス期間が始まるわけですが、バグ修正やサーバー強化をして、3~4日間に渡ったメンテナンスは2月23日(木)の19時30分に明けることになるのでした。
本当に当時は技術的な知識も経験も足りていなかったのですが、Botの処理が遅い原因がDBとの間にありそうとわかってDBとの接続に関してのコネクションプールというものを知るとか、絵文字がうまく処理できないのはExpressの設定とコードが悪くてJSONが正しく変換できていないからだと知って解決するとか、大学の座学じゃ学べないものを生のサービスを通して知れる良い機会でもあったと思っています。
このあとは、Awardsの残りの審査期間内にいかにBotのブラッシュアップができるかというところになっていくのですが、長くなったのでこの辺で。
続きはまた次回に🐺。
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