ゴールドフィルド。ところでナニ??
この10年ぐらいで一気に浸透した素材
14金ゴールドフィルド。14kgf。
僕の多用しています。が、ぶっちゃけ謎多き素材。
今日もデザイナーの憶測と妄想と経験則をズラズラ…ゴールドフィルドについて個人の使用した感想をもとに文字化してみます。
まず14kgfとは?
具体的に言うと「表面を14金で覆ったジュエリー素材、製品」で
メッキ同様本体は金じゃありません。
基本は真鍮か銀で、表面に薄く伸ばした14金で覆われた物。
では金メッキと何が違うのか?
・高温をかけて圧着させてある(強度が高い)
・14金の層がメッキより厚い
↑この2点なんですが、コレは調べるとやたら出てきます。
では僕の感想。。
強度の違いについて、イメージで言うと
14kgf…板金塗装
メッキ…スプレーペイント
これぐらいの別物じゃないかと。。
ご参考までに。
ゴールドフィルドは製品重量の5%は14金を使用せねばならぬ!という規則があります。
メッキは通常0,1ミクロン〜とかかなり薄いので
メッキよりも金の層が厚くなる。(はず)
そして板金塗装ではないですが、高温高圧で「焼付ける」イメージ。
メッキは電解で金属表面に付着させるのに対し
GFは金属同士の結着が強く剥がれにくい。
さらに金の層が厚いので、寿命も長い。
これが理論上だとゴールドフィルドの構造になるかな。
では使用感。個人の感想ですが、
★見た目が貴金属ぽくてキレイ
★金色が変わりにくい
★金アレが起きにくいとのご意見多数
こんなデータを感じました。
これだけ聞くと良いじゃん!!と思うんですが、次。
デメリットだってゼロじゃない。サクサク行きましょう。
①海外製品なので日本での厳密な規定が無い
殆どがアメリカ産らしいのですが、あくまでアクセ素材。
日本では貴金属には分類されないので、現状は販売元の善意で紹介されている商品です。
なので本当にGFなのか?厚さはしっかり規定を満たしてるのか?
ほんとに14金が使われてるのか?などなど
パーツ1つひとつ調べられないので真偽やクオリティーの均等性などは求められない。
(ウソついてまで売られてはないと思いますよ!)
②14金である
18kgf , 12kgf , などもありますが、パーツで出回ってるのは14金がほとんど。
14金ってそもそも
18金メインの日本だとほぼ使われない素材。
金の含有率が下がるので、そのぶんのデメリットもありますが
「きれいな金色が出にくい」面があります。
西洋人視点なのでしょうが、金色が薄く、若干赤味がある印象。
また14kgfは表面加工なので研磨ができません。
製品の仕上げとしてはピカピカつやつやってのが難しいので
どうしてもややくすんだ表面感になります。
14金の金含有量は58%。
その他は全く違う金属を加えて作られた合金です。
そのため18金よりは変色や金アレは起こりやすい。
ではこの残り42%にナニが加えられているか?
それは製品ごとに違うので判別不能。
専門機関に有料で依頼するしか方法がなく、販売元だって全部を検査にかけてたら破産します。
この点において、GFは貴金属ではないので、作り手が熟知しておかないとならないポイントかと。。
③形状に限界がある
真鍮パーツに高温で金を圧着して作られるGF素材。
「高温で」ってことで高温に耐えられるパーツしか作れません。どーゆー意味かと言うと
鋳造と言って金属を型に流して作られるパーツではGFは不可能
また表面加工なので「削り出し」て作るのも不可能。
プレスと言って型で挟んで成型する工法のものしか作れません。
GFのパーツってペラっと薄いものしかないでしょ??
それは↑そのため。
そして中身が真鍮なので、基本「軽い」。
貴金属のような重量感がなく、気持ちチープな印象にはなります。。
機材や生産ラインの点で、今後も国内で製造される事や新たな形状が発売される事は無いでしょう。
④高い
やはり本物の金を一定量の使用しているので、価格は高め。
さらに輸入になるので、貴金属である銀(sv925)よりも3~4割高額な印象です。
でも貴金属じゃないので素材買い取りの対象外。
金としての価値はありません。
またそれなりの価格で販売されてますが、劣化は免れられない…
⑤メンテナンスが難しい
使ってくうちに少なからず痛みは出ます。
その際に貴金属なら研磨したりロウ付けで直したりリペアが効く。
GFは同じようにいかず、物によって修理できない。
結果高い素材でありながら、ダメになった部分を取り替えて、古いものは破棄
メッキパーツと同レベルの対処になることが多いです。
彫金などの知識がある方なら多少の策はこうじれるでしょうが、素材自体が不明瞭。
変色もしやすいのでキチンとしたリペア、リフォームには向かないし
業者さんも難色を示すと思います。
こーゆーデメリットも多い14kgf。
それでも扱いやすい素材で、種類も増えてきてますので、
アクセサリー作りには良い素材。ハンドメイド作家さんにはトライしやすい。
ただし本格的なジュエリーを作るには不向きな面の多い素材です。
一般的なパーツ類に比べてけっこう高いので、アレコレ買い難いですが、
理解を深めるなら先ずご自分で。
着けて、使用して、で良かったらリリースしてみましょう。
成分検査教えろ!とか
メーカーさんにダル絡みだけはしないように★
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