
フリートラストな世界
前々回「ニューノーマル」について調べたときに出てきた「ゼロトラスト」というのはなんだろうということで↓を見てみた。
自分なりに要約すると
セキュリティを完全に個別に考えようということで、従来の境界型(守るべき内部と敵である外部という境界で対処する)と違い、防御がしやすい上に、ITの閉鎖的環境から解放的な環境となって、情報共有なども進むというもの。
情報の共有というのは結局、知恵の伝達なのだから、そういうものは広く共有しあった方が、さらに進歩できる。
「コピーレフト」という考え方と少し似ているかもしれない。
コピーライト(著作権)の反対の概念であるコピーレフトでは、著作物の利用権は、制限なく共有される。
先ほどの「ゼロトラスト」のリンク先では、従来の境界型を「鎖国」的状態で、ゼロトラストは「開国」状態だと喩えているが、コピーレフトも「開国」的だと思う。
著作者は変わらず著作権者なんだが、”すべての者が著作物を利用・再配布・改変できなければならないという考え方”(上リンク先より引用)だそうで、その利点は、それこそ「知恵の伝達」である。
自分も絵の著作者なので、コピーライトは持ってるが、コピーレフトの考え方に同意している。金銭的損得が小さくて、それよりも共有してもらったほうが、自分にとっても良いことだと思えるからで。
この考え方は、やっぱり「開国」的だし、それは「ゼロトラスト」の解放性と同じ内容の考え方じゃないだろうか。
情報は、占有するよりも共有するほうが、より進歩する。
ただ、この共有は、ゼロトラストのように、より堅固な管理が必要になり、社会はそれにつれてますます管理化されていく。
管理しやすくする過程で失われるのが多様性で、グローバリズムの問題点も同じところにたどり着く。
また、情報資産の管理が必要なのは、個人の所有の概念があるからだとも言える。
社会主義的な発想が今後役立つこともあるんだろうか。
著作権者=作家の立場から言うと、SNS(ネット)のおかげで毎日作品を誰かしらにみてもらえるし、メッセージのやり取りなどで、リモートな生活を快適している。
作品のデータファイルがなくなっては困るし、とはいえ共有されればありがたいしで、いたし返しなリモートライフである。
しかし、生活にさえ困らないのであれば、コピーはレフトに舵を切って、ゼロトラストはフリートラストにでもなってほしいものだ。
モノのない無質量の世界(ネット)で、所有権を言い出しても虚しくなるばかりの、それくらい無質量な世界は、リモートなニューノーマルの先になるとも思えなくもないではないか。
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