[Young Sparrow]

ちょっと久しぶりの早朝散歩。

小鳥を見ようと双眼鏡。

あちこち見ながら河原の遊歩道を歩いていると、

少し痛んだアスファルトの道端に雀。

雀が三羽、四羽、地面やらをくちばしで突いてまわっている。

なにやら動きがおぼつかなく見えて、

よく見ると、どうも巣立ったばかりの雛鳥のよう。

ぷくぷくに膨らんだまんまるの躰は、親鳥よりひとまわり大きくて、鞠のようになっている。

わりと近づいても気にしない様子だが、これ以上近づくとたぶん、

彼らは飛んで逃げず、草むらに走って逃げ込むんだろうな。

少し離れた距離から双眼鏡で観察。

地面を啄みながら、ぷくぷくの鞠たちは、遊歩道を何度も横断するように、行ったり来たりする。

やがて、一羽の鞠が羽ばたいた。

鞠は不思議としっかり宙を舞い、遊歩道に並ぶ桜の木の、

立ち枯れた細い幹の先端にとまった。

そして、周囲の鳴き声に応える声を響かせた。

[Young Sparrow]
pencil & colored pencil on calligraphy(半紙)_2022