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線路は続くよいつまでも

今日は消費した黒の色鉛筆とフィキサチーフ(色鉛筆を紙に定着させるスプレー)の補充のため、画材屋さんへ。

久しぶり、というか先日も乗ったんだけど、電車。

どちらかというと、車を使うことが多いこの頃だが、実はけっこう電車好きである。

平日の昼間、郊外の路線は人もまばらなので、久しぶりに先頭車両、運転席のフロントウィンドウから世界を覗く。


この風景、何度写真に撮ったか分からない、電車の旅のたび、ローカル線の線路の世界を各地で覗いてきたな。

線路は続くよいつまでも。

と言いたいところだが、いつまで続くの?ローカル線。
各地で消滅の不安を抱える路線が多いかもしれない。


と、線路の景色を楽しんでいると、お父さんに抱っこされながら、同じくこの世界を覗きにくる3〜4歳の男の子。

毎度の高確率で彼ら小児とこのウィンドウ世界を共にするのは、ちょっと恥ずかしくもあり。そこで、偶々(たまたま)ここに立ってただけだよ感をさりげなく出そうとするんだが、先頭車両には他に数名いるだけで、席はたっぷり空いているので言い訳もできない。

男の子は、運転席のあちこちを見渡し、「扇風機がついてる!」「(扇風機が)回ってる!」などと次々発見をし、お父さんにその次々を報告している。

ああ、この発見を言葉にすることの大事さ。

見ることに忙しく、発見することに忙しく、報告をすることに忙しい。
子供の時間は忙しく、しかし、時間に追い立てられているわけではない。

時間はいくらあっても足りないが、だがしかし、過ぎ去る時間を惜しむこともない。

そして、自分がここ先頭車両の運転席ウィンドウを陣取るのも、これと同じ理由であるのだ。電車に乗っている時も、その電車に乗る作業を蔑ろにして時間を忘却したくはないのだ。電車に乗っている(=移動している。ムーブしている)にも関わらず読書やスマホなどして時間を償却したくはないのだ。

結果、小児とポジションを奪い合う。そこが先頭車両の運転手フロントウィンドウという場所なのだ。


また旅行きたいな。

続く線路でいつまでも。


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