合理的市場仮説におけるセミストロング型の優位性
偏った意見はよくないといった日本人的な観点から、合理的市場仮説においてもセミストロング型の優位性を押しています。
セミストロング型が優位であることの導入
ます、合理的市場仮説とは、株価が市場に存在する全ての情報を反映しているという仮説です。
その中で、セミストロング型とは、過去の価格情報だけでなく、新たに公開される情報も瞬時に株価に反映されるという仮説です。
セミストロング型が最適解であることを示すには、以下のような方法が考えられます。
公開情報の発表前後で株価の変動を分析し、発表内容が予想外だった場合に限って株価が大きく動くことを示す。
企業の業績や財務情報などを分析したファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などの投資戦略が有効でないことを示す。
ランダムウォーク理論やEMH三段階仮説などの経済学的モデルや検定法を用いてセミストロング型効率性を検証する。
ウィーク型とストロング型について
セミストロング型以外のものとしては、ウィーク型とストロング型の二つが挙げられます。
ウィーク型とは、過去の価格情報だけが株価に反映されるという仮説です。ストロング型とは、公開情報だけでなく、非公開情報も株価に反映されるという仮説です。
ウィーク型の欠点は、過去の価格情報だけでは未来の株価を予測することができないということです。また、過去の価格情報にはランダムな要素が含まれているため、統計的に分析することが難しい場合もあります。
ストロング型の欠点は、非公開情報が存在しないということです。実際には、インサイダー取引や市場操作などの不正行為が起こり得るため、非公開情報が株価に影響を与える可能性があります。
発表内容が予想外だった場合の証明方法
公開情報とは、決算短信や有価証券報告書などの企業から発表される情報や、新聞やテレビなどのマスメディアで報道される情報などです。公開情報の発表前後で株価の変動を分析するということは、例えば以下のような手順で行われます。
ある企業が決算短信を発表した日とその前後数日間の株価データを収集する。
決算短信に含まれる利益や売上高などの数値が市場予想よりも高いか低いかを判断する。
株価が決算短信の発表によって大きく上昇したり下落したりしたかどうかを調べる。
この分析によって、発表内容が予想外だった場合に限って株価が大きく動くことが示されれば、公開情報が瞬時に株価に反映されていることになります。これはセミストロング型効率性を支持する結果です。
テクニカル分析などが有効でないことの証明方法
ファンダメンタルズ分析とは、国や企業の財政、財務状況を示す指標に着目して株価や為替の本質的価値を予測する手法です。テクニカル分析とは、過去の株価や取引量などのデータに基づいてトレンドやパターンを探し、将来の株価や為替の値動きを予測する手法です。
効率的市場仮説のウィーク型では、過去の価格情報がすでに株価に反映されているため、テクニカル分析が有効でないことを示します。
効率的市場仮説のセミストロング型では、公開情報が瞬時に株価に反映されているため、ファンダメンタルズ分析も有効でないことを示します。
市場がランダムウォーク理論に従わないことによる証明方法
ランダムウォーク理論とは、株価や為替などの金融商品の価格が過去の価格に依存せず、予測不可能な方向に動くという理論です。EMH三段階仮説とは、効率的市場仮説をウィーク型・セミストロング型・ストロング型の3つに分類したものです。
セミストロング型効率性とは、公開情報がすべて株価に反映されている状態を指します。セミストロング型効率性を検証するためには、以下のような手順で行われます。
公開情報(例えば決算発表)が発生した日とその前後数日間の株価データを収集する。
公開情報が市場予想よりも高いか低いかを判断する。
株価が公開情報の発表によって大きく上昇したり下落したりしたかどうかを調べる。
この分析によって、公開情報が発表された日以降に株価が変化しなければ、セミストロング型効率性が成立していることになります。
結論:極論はよくない!中道が一番
市場にはすべての情報が盛り込まれていないし、ファンダメンタルもテクニカルもそれだけではすべてを予測できない。市場がランダムウォークしかしないわけでもない・・・何でもかんでも極論から遠ざかることが一番だねって結論に至るわけだが・・・。これでは社会科学は衰退してしまいますね。