見出し画像

【ネーミングには自分の思い・理念・メッセージを盛り込む】

名前には「将来こうなって欲しい」という思いを込めるもの。子供の名前だけじゃないよ。自分の会社や商品の名前にも。ただの思いつきではダメなんだ。もっと自分たちの思いやお客様に対する姿勢、メッセージを盛り込んだものにして欲しい。


先日、SNSでとあるコミュニティに誘われた。その名も「ケーキ部」。「スイーツ弁理士」を標榜する以上、答えは決まってる。「はい」か「YES」か「喜んで」だ。この「ケーキ部」という名前、違和感を感じた人もいると思う。普通の人なら、今風の名前なら、「スイーツ部」にするんじゃない?

なぜ、「スイーツ部」じゃなくて、「ケーキ部」なのか。名付け親だって、「スイーツ」という言葉を知らないわけじゃない。「スイーツ部」という選択肢もある中であえて、「ケーキ部」という名前を選んだんだ。そこには名付け親の意図があるってことだ。

確認したら、「このSNSには、既に『パフェ部』があったから」とのことだった。後発組の自分たちが「パフェ」の上位概念である「スイーツ」を標榜するのにためらいがあったんだろうね。なんて奥ゆかしい!この名付け親は日本人10人のうち9人は忘れてしまった「謙虚さ」を持った人ってことだよ。

そこまで気を使う必要はないんじゃない。そう思う人もいるだろうね。でもそれが「名前」。名前には名付け親の思想や考え方が漏れ出るもの。そういう意味で、お客様の商標やネーミングを見てみると、まだまだ浅いよね、思考が。もっと深堀りして、自分の思いを伝えられる名前を作って欲しいなと思う。

追記:
「ケーキ」と「スイーツ」。「甘いもの」という意味で一緒くたにして使われることも多い。でも、「ケーキ」と「スイーツ」は似て非なるものだ。特に、僕らのような昭和世代には特別な何かを感じる人も多いと思う。

僕らが子どもの頃、「ケーキ」は特別なものだった。食べられたのはせいぜい、誕生日かクリスマスのときくらい。日常的にお目にかかるものじゃなかった。たまに父親がリボンがかかった小さな紙箱をぶら下げて帰ってくると、狂喜乱舞して喜んだものだ。

祖母のお土産も楽しみだった。祖母は品川に住んでいたから、大井町・阪急のケーキが定番だった。僕の好みもわかっていて、子どもが喜ぶいちごのショートケーキではなく、フルーツコンポートのケーキを買ってきてくれた。僕にとって「ケーキ」って言葉には昭和のノスタルジーが詰まっているんだよね。