弁理士は中小企業に対してどんな支援をしているのか?
今日は弁理士会・関東会主催のウェビナー「中小企業・ベンチャー支援委員会 オープンフォーラム」でお話をしてきました。
このオープンフォーラムは、僕が所属している中小企業・ベンチャー支援委員会が1年に一度開催している成果報告会です。
僕らが委員会活動の中で蓄積してきたノウハウを他の弁理士の先生方にシェアする場でもあります。
今日はこのフォーラムで話した内容の中から、弁理士は中小企業に対してどんな支援をしているのか?について書いてみたいと思います。
▶中小企業・ベンチャー支援委員会について
中小企業・ベンチャー支援委員会は日本弁理士会・関東会に属する委員会組織です。
この委員会は6つの部会から構成されていて、それぞれが特徴を持った中小企業・ベンチャー企業の支援を行っています。
● 知財ビギナー啓発部会
● 知財金融部会
● ベンチャー支援部会
● 外部連携部会
● グローバル化推進部会
● 委員長特命部会
この6つの部会の中で僕が部会長を務めているのが「知財ビギナー啓発部会」です。
▶「知財ビギナーの啓発」という形の中小企業支援
今日のフォーラムでは、「知財ビギナーの中小企業を取り込む知財啓発の考え方」というテーマでお話をさせてもらいました。
日本では特許権、実用新案権、意匠権、商標権等の知的財産権はその殆どが大企業によって取得・保有されています。
残念ながら、中小企業の中に「知財(知的財産)」という考え方はあまり浸透していません。
近年、知的財産の重要性が増してきているにも拘らず、知的財産と真面目に向き合おうという中小企業はまだまだ少数派です。
知的財産との関わりが薄い中小企業の経営者の方々に、知的財産にどう興味を持ってもらうか?
これが「知財ビギナーの啓発」であり、僕ら知財ビギナー啓発部会の腕の見せどころなわけです。
知財ビギナー啓発部会は、ここ5年ほど、知財ビギナー向けのセミナーを企画・開催する活動をしてきました。
僕が部会長に就任した後は、知財ビギナー向けセミナーの企画・開催を通じて、潜在的な知財ニーズを発掘し、中小企業と知財業界(弁理士業界)がWIN-WINの関係で発展していく、というイメージを持って活動しています。
とはいえ、知財に対する興味が薄い人たちに、どうしたらセミナーに興味を持ってもらえるか?
これが課題なわけです(笑)
僕らは経営者の方であれば誰でも興味を持つようなビジネスに直結するテーマを取り上げるようにしています。
知財そのものの話をするのではなく、知財の川上にある、もっとビジネスに直結するテーマでセミナーを行うという考え方です。
まずは経営者の人たちが興味を持つテーマから話を始めて、最終的に知財に興味を持ってもらえればいい。そんなスタンスでセミナーを行っています。
「知財の川上」、知財の一歩手前にあるテーマとしては、特許や実用新案(技術に関するアイデア)であれば、
新商品の開発や他社商品との差別化等
意匠(商品デザインに関するアイデア)であれば、
商品の付加価値(単価)の向上等
商標(商品名・サービス名、会社名等)であれば、
ネーミングやブランディング等
を挙げることができます。
実際、今期は中小企業のブランドづくりをテーマとして取り上げました。
新型コロナウイルス感染症、緊急事態宣言発令の影響で、残念ながらセミナーを開催することはできませんでしたが、
● 中小企業の皆様にもできる「ブランドのつくりかた」
● ブランドを大きく成長させる3つの手法
という2つの動画コンテンツを制作中です。
このようなアーカイブ動画のコンテンツは知財啓発の形態、セミナーの形態を多様化・豊富化することができるという点で意義があると考えています。
従来、セミナーの形態は会場参加型のリアルセミナーが主流でした。
昨年から新型コロナウイルス感染症・外出自粛の影響でオンラインセミナー(ウェビナー)という形式もポツポツ出てきました。しかし、このウェビナーはリアルタイム配信が殆どです。
これに対し、僕らがトライしたのがアーカイブ動画型のコンテンツです。
アーカイブ動画型のコンテンツには様々なメリットがあります。
視聴者側からすると、時間的な制約がなく、好きな時間帯に何度でも繰り返して動画を視ることができるというメリットがあります。
一方、僕ら弁理士の側からしても、セミナーをその場限りで消費するのではなく、コンテンツとしてストックし、資産化することができるのは大きなメリットなんです。
以上、僕が中小企業・ベンチャー支援委員会で取り組んでいる中小企業支援活動について紹介しました。
では今日はこの辺で。
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