見出し画像

新しい当たり前

もっともっとメディアは何度も取り上げて、こんな当たり前のことはとっくの前から当然だと訴えている知識人や有名人の声もたくさん広めてほしい。

そうでもしないとなかなか本当には変わっていかない。

変えていかなければいけないことを、未だに意識できない人が残念ながらまだまだたくさん存在する限り、もっと多くの人たちで流れを変えていくしかない。

新しい内閣が発足してからの、河野行政改革担当大臣の発言のことです。

大臣就任直後の会見の在り方に関して「前例主義、既得権、権威主義の最たるものだ」と発言されました。

それ以降も、具体的にハンコの廃止を唱え、そして昨日は書面・FAXの廃止にも言及しました。

やっとです。

遅すぎるくらいですが、これを皮切りに本当に日本全体が変わっていってほしい。

行政が旗を振って変えていかないと、国民全体が意識して変わっていくことはなかなか難しいのだなと日々感じていたので、これを機に当たり前になっていってほしいと切に願っています。

ただ一人のパティシエとして、ただ一個人事業主として仕事をしている分には、まぁそこまで多くの事務作業に追われるということはありませんし、お店という組織も自分で作っているものなので、前例主義や権威主義も自分がしっかり気をつければいいことで済みます。

それでも、請求書は未だに書面で捺印で郵送だし、八百屋や一部の材料卸業者、包装資材卸業者には注文がFAXだし、取り引きしている百貨店からの注文も未だにFAXだったりしてます。

それらは日々の営業の中でそこまで多い数量ではないので、まぁなんとか今まで我慢はできましたが、昨年の春から業務を請け負っている「洋菓子協会事務局」の仕事は、結構な量の書面を未だにFAX・捺印・郵送を当たり前にやっていて、この1年半で変えられる所は変えましたが、どうにも理解したり動いたりしてくれない方々もまだ相当います。

どれも相手があり、その方々との間で交わすものだから、いくらこちらがペーパーレス・電子メール化を訴えても、相手が了承してくれなければ勝手に進めるわけにもいきません。

たしかに、古くから営業されていらっしゃる高齢の家族経営のお店に、「時代の流れだから」とFAXではなくメールで対応するように説得しても、なかなか難しいだろうなというのは容易に想像できます。

地元レベルではそういったケースが何件かありますが、それはまぁ仕方のないことだと思っています。

ただ、本当に心配なのは全国レベルでの連合会事務局です。

日本各地の道府県の協会を束ねる組織なのですが、まだまだFAXか書面郵送が主流です。

メールでのやりとりを提案していますがなかなか進みません。

進まない理由もわかりません。

そして何より驚いたのは、このコロナ禍において、さして大きな議題があるわけでもないのに、毎年やっていることだからと、このタイミングで全国から各道府県の会長を東京に集めて会議を開催しようとしていることです。

確かに、GO TOキャンペーンなども少しずつ活発になってきて、感染防止に留意した形を心がければ外出も問題ないだろう、という考え自体を否定はしません。

ただ、何故リモートではダメなのか、リモートでやってみようという議論はちゃんと尽くされたのか、絶対に集まらないと決められない議題があるのか。

そこが激しく疑問なので記しておくことにした次第です。

全国の会長を務める方々の多くは、いわゆる高齢者です。

(念のため、僕が事務局を務める宮城県の現会長は、まだ高齢者と呼ぶにはだいぶ若い方ですが。)

それでも出席には反対しました。

会長は、宮城県の会長である前に、一企業の社長です。

協会の会長であることが、(万が一でも)自社の経営の足かせになってしまいかねない事態は避けるべきだと考え、事務局として出席に反対の意思を示しました。

未曾有の事態の中で、今後どのようにしていくべきかを話し合いたいという思惑はもちろん理解できます。

ただ、前例に従うばかりで、代替手段の模索や検討の程度があまりに低いことを心から懸念しています。

組織がこれまで長く存続してきた歴史の中には、様々な新しい改革があったかと思います。

その度に、その時代の当事者の方々が知恵を出し合って変えてきた努力があったからこそ、今に繋がっているのだと思います。

しかしそれは、時代が変わればまた同じく変わっていかなければならない、それを繰り返していくことが不可欠です。

連合会の今の組織構成がどのような形なのか僕にはわからないし、決して体制を変えるべきという話しでは全くありません。

少しずつ、やれることから、でも確実に「新しい当たり前」に向けて変わっていこうとする姿勢が大事なのだと思います。

noteにアップして、自分の周りの数人にだけ理解していただいて「いいね」がもらいたくて書いてるわけではないので、自分で思ったことをちゃんと伝えるべく、言葉を整えて然るべき相手にお伝えするつもりです。

重ねて書きますが、体制の批判ではなく、これまでの恒例・慣例・前例に頼りすぎず、変えるべき点は柔軟に変えていける体質にしていきましょうという話しです。

また、今回の発言に関しては大賛成ですが、河野大臣のすべての政策や理念・思想の全てに賛成しているという立場ではないことも念のために記しておきます。

いいなと思ったら応援しよう!