ごく抹茶、そして不知火②
ケーキの組み立ての話しより先に、今回掲載していただいたS-styleについて書いておきたい。
せんだいタウン情報誌S-styleさんには、お店単体としてオープン当初から何度も取り上げていただいた。
もちろんそれはいつでもありがたいと思っているのだけど、今までで一番嬉しかったのは、仲間と立ち上げたSweet Action SENDAIをチームとして取り上げて掲載していただいたことだ。
2017年だったので、もう5年前になる。
あれは本当に嬉しかった。
「春一番」というテーマをいただいて、メンバーそれぞれが本気の創作をしたケーキが、大きく見開きで一斉に誌面を飾ったのだ。
掲載後には、誌面で募集したお客様を招いての試食会も開催でき、心から楽しいと思える経験をさせていただいた。
掲載の反響で仙台放送「あらあらかしこ」でも特集を組んでいただき、それ以降はエスパルや藤崎での催事出店、カフェミティークでのイベント開催や花降る街仙台との共同イベントなど、様々なことにチャレンジしてきた。
S-styleとSweet Action SENDAIの関わりについては、佐藤直美さんとの繋がりが大きかった。
メンバーそれぞれと取材等で顔見知りになっていた中で、ある時に神戸での「オリジンコウベ」の結成と活動について直美さんが教えてくれたことがあった。
ちょうどその頃、まだチームとしての名前もない状態だったが、神戸でフランス菓子店を開業しているシェフたちの集まりが始まったという情報で、我々にもできるはずという意欲が高まり、チーム結成に向けて拍車がかかったというのがいきさつだった。
結成してすぐには誌面で取り上げていただくことはさすがになかったが、地道に繋がりを続けていたことで2017年の掲載に至った。
そんなこともあり、あくまで個人的な感覚だが、S-styleで掲載されるという時には、Sweet Action SENDAIとの繋がりを全く意識せずにはいられないのだ。
掲載される時には、S-styleさんにお題をもらって創作したあの時のケーキ、Sweet Action SENDAIで仲間と決めたお題で創作したあの時のケーキ、それらの文脈を何かしら踏まえたものであることが、誰にとってのものでもなく、自分にとっての創作だ。
お店としての文脈、そして掲載されるS-styleというメディアとの文脈、そこに関わってきたSweet Action SENDAIとしての文脈。
普段から商品開発にそこまでいろんなことの伏線を読みながら取り組んでいるわけではもちろんない。
ただ、そういう意識が必要なポイントかどうかは常に測っているつもりだ。
なので、今回の掲載の依頼を受けた時には、すぐに、これは今の自分が紛れもない本気のアウトプットをするべき案件だな、と感じた。
いろんな方面の文脈を考えすぎて、いや、シンプルに美味いだけのやつでいいか?と折れそうにもなったのだけど、諦めずに考えて良かったと今は思っている。
どんな繋がりがあったから今の自分が形成されているかを認識し、その縁があったから今できる表現がある。
表現の中で感謝を示す、表現の中で自分を見出す。
自分だからこそできる、自分らしいもの。
ページを刻むもの、文脈の中に踏まえるべきもの。
まだまだやるべきことはある。