
偽インフルエンサーがSNSを滅ぼす
フォロワーは、お金で増やせることをご存知だろうか?例えば、"インスタ フォロワー 購入"などと検索すれば、業者がたくさんヒットする。
これを利用し、インフルエンサー(人気がある投稿者)のふりをする、偽インフルエンサーが問題となっている。彼らの目的は広告主・フォロワーを騙し、利益を上げることである。インスタグラム・Twitter・Facebookなどほぼ全てのSNSでこのような行為が蔓延している。
偽インフルエンサーに広告料を出した広告主はいずれこの事実に気づく。
そして広告をやめる(広告の効果があがらないためだ)。
偽者に騙されたフォロワーも気づく。
彼らは良質な情報を求め、偽者が蔓延するSNSを去る(偽者の投稿は品質が悪いためだ)。
こうして残るのは、人のいないSNSだ。
偽インフルエンサーがはびこる理由、"いいね"の罠
投稿の良さは何で判断しているだろうか?本来は内容を精査し、良さを判断するべきである。
しかし、私たちは時間がない。そこで、簡単にわかる"いいね"の数やコメント数(エンゲージメント数ともいう)で判断してしまう。
これが、偽インフルエンサーがはびこる理由である。"いいね"の数やコメント数さえ多ければ、人々を騙すことが出来る。
そこで、偽者は偽フォロワー・偽コメントを購入する。そうすれば、すぐに偽インフルエンサーになれる。
まとめ:私たちが"いいね"の数で投稿の良さを判断するので、偽インフルエンサーがはびこる
偽フォロワーは排除できない
SNS各社はこの状況をただ見ているだけではない。対策を講じようとしている。例えば、インスタグラムは機械学習を用いて、偽いいね・偽フォロワーを検出し、排除することを試みている。
しかし、このような試みは失敗に終わっている。それは、高価な偽フォロワーを検出することは困難だからだ。
偽フォロワーといっても種類がある。最も安いのは、自動的に大量作成したもので、プロフィール・ツイート内容は、他人のものをコピペしている。高価な偽フォロワーは、何と人力で作成している。本物の人が作成し、ツイートしているのだ。
このように人力で作られた偽フォロワーは、通常のアカウントと全く見分けがつかない(人間がやっているので、当たり前だ)。機械学習を利用しようが、不可能である。
従って、粗悪で安価な偽フォロワーは排除できるかも知れないが、高価な偽フォロワーは排除できない。
まとめ:高価な偽フォロワーは、人力で作られる。なので、通常のアカウントと区別できず、排除できない。
偽インフルエンサーの目的
彼らは、広告収入を目的としている。企業は、偽インフルエンサー騙されて、彼らに商品を広めてもらおうとお金を支払う。
こうして、偽者はまんまと広告料を得る。さらに、人気者である、という名声も得ることができる。
まとめ:偽インフルエンサーの目的は広告料と名声
偽インフルエンサーがSNSを滅ぼす
こうして広告料を得た偽者であるが、広告主は騙されていることにいずれ気づく。その理由は、広告の効果が上がらないためである。
偽フォロワーは、偽インフルエンサーの投稿に"いいね"やコメントを(お金を払えば)してくれるが、商品を購入してくれることは絶対にない。
こうして、商品が全く売れないため、広告主は広告を出すのを取りやめる。こうしてSNSから企業が離脱するのである。
さらに、数少ない本物のフォロワーも、彼が偽者であることに気づく。それは、偽者の投稿の品質が低いためである。すると、本物のフォロワーは偽者を見限る。
さらに、SNSから、偽インフルエンサーを排除するのは困難である(偽アカウントを排除するのが困難なため)。そのため、偽者は消えない。すると、利用者は偽者だらけのSNSに嫌気が差し、他のSNSへ移り、離脱する。
まとめ:偽インフルエンサーによって、広告主と利用者がSNSから消える
=偽インフルエンサーがSNSを滅ぼす
参考文献
「Instagram、「偽いいね」「偽フォロワー」の排除に機械学習を活用」『CNET Japan』
https://japan.cnet.com/article/35128895/
(2019年4月6日アクセス)
アンソニー プラトカニス,エリオット アロンソン著,社会行動研究会 訳(1998)「プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く」,誠信書房
ヘッダー画像
NHKEテレ,「#フォロー・ミー インスタの偽り」『ドキュランドへ ようこそ!』,(2019年4月5日放送)
いいなと思ったら応援しよう!
