現代4コマ鑑賞記(2024年8月・9月)
11月に東大で現代4コマの展示会があると聞いて、鑑賞記もため込まずに書いていった方がいいと思った。次からは月イチで書いていきたい。
会場そこそこ近くにあった(作:なむさん)
現4AS展の会場近くの地面にあったという4つの「G」シール。いかにもなフォーメーションを作っているように見えるところがイイ。正式名称は「ガス管用スコッチレーン」というようだ。
ハッシュタグの「#地面ほか」は地面の落とし物や不思議なものを撮るムーブメントのようで、九本さんが記事にしている。散歩中の発見感があって良き。
大蛇(作:なむさん)
大蛇が1コマの上を這ったせいで4コマに。コマ間を巧みに使う想像力がすごい。コマ角が丸みを帯びている点もヘビのニョロニョロ感の表現に寄与していて細かい。
ポータルを通過したせいで4コマのようになってしまった、長い2コマ(作:間鞘ン)
ふざけんなwww と思いつつ、これコマ内の左右をイイ感じに描く(ふわっとした言い方)ことで2コマでも4コマでも意味が通るマンガ的なものができるのでは? とも思うなどした。
貴方は枠の外にいて、(作:間鞘ン)
鏡の中から外の世界を見ているような作品。タイトルとあいまって、コマ枠が檻の格子のように機能している点が面白い。エモさあふれてる。
FILL(作:うりよしきば)
枠線と同じ色で塗りつぶしちゃったか~。4コマ目が真っ白で何もないことが確かな意味を持つ作品。
分布図の4コマ(作:えくるお兄さん)
四象限マップは何でも4コマになる可能性……!? 真面目な話、かなり便利な分布図なのではなかろうか。この分け方だと自分は「うわ凄」寄りの作品が好きかもしれないと思った。
ここからが勝負(作:ざくろ)
二人対戦カードゲームの正念場を表現したような作品。これからカードの応酬が始まりそうな緊張感がある。MTG ならきっとカウンター合戦ですよ。
全部のコマのメーカーがバラバラ(作:間鞘ン)
ふぞろいの4コマたち。百均で食品保存容器を買い足そうとしたときに、いま持っているものと形が異なるやつしかないことってありがちだよな、なんてことを思ってウンウンとなった。
鬼退治(作:えくるお兄さん)
ミニマルなイヌ、サル、キジ、および桃太郎。緑色(キジ)が少し離れた位置にあるのが作品にちょっとした動きを与えていてイイ。
定時(作:九本)
退勤するコマたち。漫符「))」による動きの表現がかわいくて好き。方向がバラバラなところに現代の世相を感じた。
4コマごっこに失敗して不機嫌になる3コマ(作:29)
鏡に2コマ映っちゃったか~。目線を上げればあるいは、と思ったら派生作品「目の位置を下げられて増々不機嫌になる4コマごっこをしたかった3コマ」でさらに煽っていくスタイルに笑った。
分類(作:ぷらりね)
「あんこ」の派生作品。コマ枠線を小豆の皮に見立てて、つぶあんとこしあんの差を表現している。4コマの天然と養殖の差をコマ間の有無に求めているあたりに、作者の4コマ観もうかがえる(そうなのか!?)。
ライス視点(作:ぷらりね)
なんのこっちゃ、と思ったらオムライスのライス側からケチャップ文字の方を見た景色(背景の黄色は玉子)だと分かって、なるほど、となった。「プッチンプリン側の視点」のオマージュとも言える。
リモコンどこ?(作:いととと)
リモコンってこういう隙間に入り込んで見つからないことって多いよね。時間的に使われていた4コマが突然空間的にも使われる、表現の詐術が面白い。
狙撃(作:モイル)
こちらも4コマを時空間的に用いた作品。4コマ目には下を支えてくれる別のコマがないからね。落下だけにオチがついているとも言える(やかましい)。
実際の速度(作:ぷらりね)
力学の授業で見たことがあるような図解。これまた時空間的な4コマ。
パラダイムシフト(作:トウソクジン)
非連続的変化の抽象表現。自然と左下から右上に読める点が面白い。
やまびこ(作:いととと)
やまびこが返ってきたせいで2コマが4コマに。しれっとコマを発声できてるあたりに、ふざけんなwww感がある。
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8月は「現代4コマオールスター展2024」もあった。
ひとつ前の鑑賞記はこちら。