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東大駒場祭2024に「現代4コマ展in□(コマ)場」を見に行った #現代4コマ展inコマ場


はじめに

現代4コマ展in◻︎場ー東京大学現代4コマ研究会 (@gendai4komaba)


 「東京大学現代4コマ研究会」が大学祭で展示をやると聞いて、11月22日(土)に見に行った。駒場祭に行くのも駒場キャンパスに行くのも初めてかもしれない。

 展示会場は7号館の講義室。館内には展示企画の宣伝ポスターが貼られており、この段階から悪ふざけ満点で良かった。

宣伝ポスターの「サムネイル画像」。たぶんこう「トリミング」するのが正しい。
「トリミング」前の全体像。

出展者展示作品

 展示会場である講義室はいくつかの展示が共用しており、その一角が東京大学現代4コマ研究会の空間だった。ちょうど側面の黒板がある場所で、出展者による作品がずらりと貼られていた。今回の展示作品のうち新作は主に匿名で募集されたもののようで、作品にタイトルはついているものの作家名がついておらず、「もしかしたらあの現代4コマ作家の作品かも?」と想像する面白さがあった。

日直欄にも4コマが。
新作の展示作品。いずれも匿名である。

 新作の展示作品をいくつか見ていく。

顔(作:匿名)

 駒場Ⅰキャンパスの正門から時計台(ただし4コマになっている)を望む。この作品のような感じで実際に木が時計台を隠していた。伝統ある時計台こそが駒場の「顔」なのか、それとも前方にある木の方が「顔」なのか。時間と空間の重なりを感じさせる。

フリマサイト御用達の5コマ(作:匿名)

 「厚さ測定定規」というモノのようで、例えばダイソーで売られている。左端にある円状のくり抜きをコマと見なして5コマとしたものとだろうか。タイトル枠派(?)との論争が起きそうな作品である。

ドタバタ逃亡録(作:匿名)

 4つの黒塗り領域とそれらを隔てる白抜きによるマンガ的な表現。上から下への視線誘導と重力的な読みで、逃走→「!」→箱への飛込み→冷や汗、と4コマ様の物語になっている点が上手い。絶対なむさんの作品だと思う。

映像作品

 この他にも、講義室前方のスクリーンには映像作品がプロジェクションされていた。こちらは撮り忘れてしまったが、ドラムのリズムに合わせてコマがフラッシュする映像と、『2001年宇宙の旅』冒頭のオマージュでじっくり4コマが完成していく映像と、プロモーションビデオ風のオシャレな感じの映像(伝われ)が印象に残っている。会期後でもいいからどこかにアップされてくれたらいいな。

来場者制作作品

 会場では出展者による展示作品だけでなく、来場者がその場で作品を制作して、講義室の卓上や壁面に展示できるようもなっていた。いま・ここで味わうライブ感はリアル展示の醍醐味と言えよう。こちらもいくつか紹介する。

ロケット発射の瞬間(作:匿名)

 『運命を思い付いた瞬間』のオマージュ。下方についたタイトルから始めて下から上へと読ませるようになっている点が上手い。

現代4コマCARDGAME(作:間鞘ン)

 あの具現化されたカードを間近で見られるとは! 「チーズイン4コマ」はレアカードなのかキラキラしていて凝ってた。「4コマ」カードだけでなく「イベント」カードもあるの、トレカっぽくて良き。次の弾では「現代4コマ展in□場」イベントカードが追加か!?

前の先生筆圧強いな(作:^筍^)

 4コマの消し残し。しっかり書かれた4コマではなく消し残した風にした点が、大学における日常の解像度が高くて良い。

無題(作:匿名)

 ビニールタイの切れ端で4コマ。普段の講義室ならゴミになってしまうところ、現代4コマな空間だからこそ作品として成立してしまう際どさに笑ってしまった。問題作でしょこれ。

運命を思い付いた瞬間(作:匿名)

 「ポカリスエットのラベルを貼っただけじゃねーか!」という情動と「いやしかし、ラベルのテキストは確かに元作品っぽく領域分割されている……」という理性が、鑑賞時にせめぎ合う。これも相当な問題作ですよ。

その他の思い出いろいろ

  • 最初は会場を勘違いして本郷キャンパスの方に行ってしまった。

  • 展示会場の入場時にヨングラスをかけている方がいらっしゃって、いとととさんと思ってご挨拶したら、いとととさんではなかった。(その後、本物のいとととさんにもご挨拶した。)

  • トウソクジンさんが展示スペースの一角で現代4コマの概論をされていたの、とても大学っぽかった(語彙力)。

おわりに

 そんなこんなで濃密な現代4コマ空間を体験できた展示だった。私は2日目にしか行っていないが、1日目や3日目にはまた別の面白さがあったようだ。他の方々の実況や感想はハッシュタグ「#現代4コマinコマ場」を参照されたい。