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私は、演劇をどう学んでいったのか(中編)

こんにちは。演劇をデザインする人 アサカワミトです。
大阪府枚方市で、演劇体験をもっと身近に、そして未経験の方にも気軽に演劇を体験してもらえる機会を作っています。

今回は「演劇を学ぶ」をテーマに、アサカワがいままでどうやって演劇を学んできたか。
そしていま、演劇をどう学んでいるのかを数回に分けてお話ししたいと思います。

ということで、今回は中編。
前回はアサカワの演劇スタートを語るだけというただの自己回顧録となってしまい、本題とはほぼ関係のない話題で終わってしまいました。なので、今回はちゃんと「演劇を学ぶ」ことについてお話していきたいと思います。

ちなみに前回の記事はこちらです。
↓↓↓


そもそもなぜ芝居に興味を持ったのか。

そもそもボクがなぜ芝居や演劇に興味を持ったのか。
そこには面白い理由もドラマチックな理由もありません。
気が付いたら好きになってた。というのが本当のところ。
小さい頃からテレビが好きでドラマや映画をよく観ていました。

演劇も初めて観たのはテレビからでした。

NHKがたまに舞台を放送していて、何もわからず観ていたのですが、今振り返るとあれは「贋作・桜の森の満開の下」。デカい桜の木とダイナミックな演技をする俳優の記憶。それと父親が「これ野田秀樹やな」って言って「誰よ」って聞き返した記憶も残ってます。

わけもわからずただ観ていたのですが、それは面白かったからではなく、「この人たち、なんでこんな大袈裟に芝居してんねやろ」
と不思議がったから。

好きというより、不思議に思う好奇心で観ていたのです。
それがボクの演劇初体験。むしろ苦手意識を感じました。

「あ、芝居やってみたいな」と思うようになったきっかけは、テレビドラマ『踊る大捜査線』を観たときでした。

当時小学生だったボクにとって『踊る大捜査線』は衝撃で。
舞台芝居と違って自由気ままで力が抜けていて、普段を暮らしているように演技をしている俳優たちの姿が印象的でした。

「ああ、芝居ってこんな自由で、勝手にやっていいんだ」と知ってから、芝居の世界への興味関心が深まっていきました。今思えば、大いなる勘違いだったのですが。

ちなみにその後、ちょうど中坊の時に『ケイゾク』というドラマにハマってしまい、悪ふざけとアドリブ演技に魅了。それがボクをさらに勘違いさせてしまって、随分と人に迷惑をかける演技をしてきたのですが、今ではアドリブの危なさと、良い効果も分かってきたので、これについてはまたいずれお話しようと思います。

演出しても意図が通じない…

『踊る大捜査線』や『ケイゾク』を中心に様々なドラマや映画、そしてそのメイキングを観たボクは、演出や良いお芝居がわかったつもりになって大いなる勘違いをしたまま、演劇を続けていました。

高校を卒業後、仲間たちと劇団を旗揚げ。そこでは演出もするんですが、困ったことにまるでイメージが伝わりません。

今になってわかるのですが、ボクの当時の演出は「こうやって」とか「こういう風に言って」と決めて掛かることしかせず、相手の理解をまるで無視。自分が良いと思うものだけを押し付けていました。

それでも何度か演出をしましたが、あまりの通じなさに段々と演出することが怖くなりました。

「わからないけど、やっていれば上手くなるだろう」そう思って続けていきましたが、わからないことはわからないまま。場数ばかりで手応えの無い芝居を繰り返しました。

ようやく「演劇を学ぶ」ことを知る。

アドリブを入れては共演者を困らせ、やっている芝居の質は上がらず手応えも掴めない。そうやって完全に行き詰まっていたある日、とある演劇ワークショップに行ったことからボクに転機が訪れます。

それはマイズナーテクニックという演技理論で、それによって演技は「こういう風な言い方で言う」なんて決めたり、役になりきって嘘をつく、ということじゃないんだということがわかりました。

そうして、ようやく大いなる勘違いに気づき始めると、演技とは何なのかがおぼろげに見え始めたのです。
自分の中で抱え続けた「なんで?」が解かれたとき、理解が急速に深まって、それは探求への大きな意欲へとなりました。

演劇を始めてとっくに十年が経っていましたが、ここに来てボクはようやく「演劇を学ぶ」ことを始めたのでした。

まずはやっぱり「型」を知ることが大事。

ボクは演劇が積み上げてきたものを軽んじていました。

自分の悩みなんて誰かがもう味わっていて、それを克服するテクニックは、もう誰かが開発している。
専門的に学んで来なかったボクは、そんなことにすら気付きませんでした。

でもその分、人一倍演技や演劇に対する疑問をずっと抱えてきたので、色んなことを知ると深く繋がって理解することが出来ました。

遠回りしましたが、ようやく演劇と、そして人生においても「学ぶことの大切さ」を痛感させられたのでした。

具体的にどう演劇を学んでいったか

さて、いよいよ長い長い前振りが終わり、本題に入ります! と、言いたいところですが…長くなったので次にまわします。(おいっ!)

次はいよいよ具体的にボクがどういう風に演劇を学んでいったのかを、実際に読んだ本を紹介しながらお話したいと思います。

それではまた次回。

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