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月星真夜(つきぼしまよ)
2024年11月28日 07:01
その夜、ウサギは真夜中にふと目を覚ました。部屋の中はしんと静まり返っていて、暗闇の中に一人きりだと感じると、孤独感が胸にじわりと滲んでくる。「夜の帳がまだ降りているのね」ぎゅっと目を閉じ、私は眠れると自己暗示をかけてみる。それでも、もう眠りは訪れてはくれなかった。ウサギは冴えた目を擦りながら、ふらふらと小さな本棚へと歩み寄った。そして引き寄せられるように一冊の本を手に取った。「ぐるん
2024年10月22日 06:36
「今日も一日、よく頑張ったわね」ウサギは小さなあくびをした。時計の針は午後十時を指し、彼女の目も少しずつ重くなっている。ベッドに向かう前に、小さな本棚の前で立ち止まると、何気なく一冊の本を手に取った。そして、その本を胸に抱きしめながら、ベッドにふわりと飛び込んだ。「優しい一日の終わりには、絵本がぴったりなのよね」とウサギは微笑みながら、手の中の本を見つめた。ふと、もうすぐハロウィンだというこ
2024年9月29日 06:41
真夜中の暗闇の中、ウサギはぱちりと目を開けた。「どうしてこんな時間に目が覚めちゃったの…?」軽く息を吐き、もう一度まぶたを閉じる。どこか現実味のない夜の静けさが、彼女をそっと包み込んでいた。どれくらいそうしていただろう。眠れないことに気づくと、まるで世界の片隅にぽつんと一人取り残されたような孤独感が、彼女の胸の奥でじわりと広がっていった。彼女は手元に小さな明かりを灯すと、ベッドを抜け出し、
2024年9月19日 06:54
その夜、ウサギはベッドの中でじっと天井を見つめていた。窓から差し込む月明かりが、部屋全体を柔らかく包み込むように照らしている。彼女の瞳はいつの間にか暗闇に慣れ、静かに夜の静寂を見つめていた。今日も一日、精一杯やり遂げたはずなのに、なぜか今夜はまぶたが重くならない。体は疲れているはずなのに、頭の中は何かを探し続けているようだった。彼女は深く息をついて、そっとベッドを滑り降りた。足音を立てない
2024年7月30日 06:10
図書館の閲覧席で静かに物語の世界に浸っていたカメの隣に、ウサギがふわりと座った。彼女は、興味津々にカメに問いかけた。「ねえ、博物館ってどんなところなの?」「それなら、分類番号069の書架に博物館の本が並んでるよ」と、カメは物語に夢中になったまま、上の空で答えた。ウサギが本を探しに立ち上がろうとすると、カメは本に目を落としたまま、彼女の腕をそっと掴んだ。「ちょっと待って」と言うと、手探りで