オープンバッジの勉強会に向けて
オープンバッジのオンライン勉強会を学校広報ソーシャルメディア活用勉強会(通称 GKB48)で開催することになりました。そこで事務局として事前に少し勉強しておこうと思ってノートに書いています。
オープンバッジとは
オープンバッジは、世界共通の技術標準規格に沿って発行されるデジタル証明・認証です。 物ではなく、データとして授与され、自分専用の「オープンバッジウォレット」で一元管理されます。 授与されたオープンバッジは、SNSでの共有ができるほか、後述する資格に対するオープンバッジであれば、その内容証明としても使用されます。
また、ブロックチェーン技術を活用することで、偽造や改ざんが困難な信頼性のある証明書として使用される事例もあります。たとえば、講座や研修、資格試験などの修了証明として活用することで、その人のスキルを可視化することができます。
(デジタル庁ホームページより)
オープンバッジの機能について
オープンバッジのシステムでは、リコグニションとクレデンシャルが組み合わさって、学習者の成果を認識し、それを他者に証明するための強力なツールとして機能します。
リコグニション(Recognition) リコグニションは、個人の達成やスキルを認めるプロセスです。具体的には、教育機関や企業が特定の成果を達成した個人に対して、公式にその成果を認めることを指します。オープンバッジのシステムでは、バッジ自体がそのリコグニションを示すデジタル証明となります。
クレデンシャル(Credential) クレデンシャルは、個人が特定のスキルや資格を持っていることを証明するためのデジタル証明書です。これは、教育機関や認定団体によって発行され、学習者が学習成果やスキルを他者に証明するために使用されます。クレデンシャルは、バッジや証明書として提供され、デジタル形式で簡単に共有することができます。
勉強会の概要
開催する勉強会はオンラインでどなたでも参加できます。(参加費1100円)
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2024年現在大学でのオープンバッジの導入が進んでいると聞いているので、どのように利用されているのかを調査しています。上記勉強会では成城大学 データサイエンス教育研究センター長・経済学部教授 小宮路雅博先生に成城大学の例をお話しいただきます。また海外大学の事例を株式会社インフォザインの教育環境デザイン部 水野裕子さんに紹介いただきます。全般的な話は一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク 常務理事/事務局長 吉田俊明さんからお聞きできると思います。大学以外の事例は一般社団法人ファーストスタープロジェクツ 理事長 渡邉純一さんに紹介してもらえます。
大学でのオープンバッジ導入事例
ネットで「オープンバッジ+大学」で検索すると成城大学のようにデータサイエンス教育での活用からまず始まったようです。
数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムのニュースレターのバックナンバーを見ると事例が見つかります。
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vol.20(2024/3)
東京工業大学では、異分野融合による課題解決および教える力を育てることをミッションとしており、2022年度にデー タサイエンス・AI全学教育機構を設置し、全ての部局のデータサイエンス・AI教育をまとめて運営している。学部1年次 から博士3年次までカリュキュラムを作成しており、エキスパートレベルでは大学院修士課程、大学院博士課程を対象とし ており、大学内の教員による理論的な側面からの授業である基盤系科目群および企業から提供された課題を学生と共有す る応用系科目群・実践型科目群がある。プログラム修了者には、オープンバッジを授与している。
九州大学
>また単位数に応じて 段階的にオープンバッジを認定する。
さらに調べてみると卒業証書をデジタルバッジにするところが増えています。
以下、参考LINK集
◆一般社団法人日本1EdTech協会
◆東北大学 導入事例 | 一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク
◆サイバー大学のオープンバッジ | 通信制大学 | サイバー大学 https://www.cyber-u.ac.jp/faculty_course/open_badge.html
◆デジタル証明書「オープンバッジ」について|専修大学
https://www.senshu-u.ac.jp/education/datascience/openBadge.html
◆オープンバッジ|キャンパスライフ|成蹊大学https://www.seikei.ac.jp/university/campuslife/openbadge.html
◆学修スキルを示すデジタル修了証「オープンバッジ」の導入について | 和歌山大学
https://www.wakayama-u.ac.jp/dtier/openbadge.html
◆オープンバッジ | 大学概要 | 駒澤大学
https://www.komazawa-u.ac.jp/about/dx-and-diversity/dx/openbadge.html
◆香川大学 :: オープンバッジ
https://www.kagawa-u.ac.jp/research/education/30873/
◆東京工科大学オープンバッジ | 大学概要 | 東京工科大学 https://www.teu.ac.jp/gaiyou/openbadge/index.html
◆オープンバッジ | AI活用人材育成プログラム
https://www.kg-vlearning.jp/open-badge
◆異分野共創型教育プログラムの推進に向けてオープンバッジを導入します | 国立大学法人 神戸大学 (Kobe University)
https://www.kobe-u.ac.jp/ja/announcement/2023_04_11_01/
◆取扱証明書について/証明書の発行/キャンパスライフ|神奈川大学 https://www.kanagawa-u.ac.jp/campuslife/certificate/openbadge/
◆北陸大学データサイエンス・AI教育プログラムの修了証として オープンバッジを導入|TOPICS|北陸大学
https://www.hokuriku-u.ac.jp/sptopics/202210240857.html
◆学習スキルを示すデジタル修了証「オープンバッジ」を導入 | 国立大学法人群馬大学
https://www.gunma-u.ac.jp/information/120884
◆法政大学
2023spring_MDAP_openbadge.pdf
◆会員一覧 | 一般財団法人オープンバッジ・ネットワーク https://www.openbadge.or.jp/partners/
補助金要件としてのデジタル化の重要性
さて、文部科学省の私立大学等改革総合支援事業のタイプ1では、「学修歴証明のデジタル化に向けた取組」が求められています。これにより、学修歴の携帯性や大学事務の効率化を図り、デジタル証明書としてのオープンバッジが大学の国際化や生涯学習の推進にも貢献することが期待されています。
【参考】 私立大学への補助金である文部科学省の私立大学等改革総合支援事業の中のタイプ1「『Society5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開」の調査票に「⑬学修歴証明のデジタル化に向けた取組を実施していますか。
1 全学部・学科・研究科等を対象に実施している。 2点
2 個別の授業科目や講座、履修証明プログラム等の単位で実施している。 1点
3 実施していない。 0点」というのがあり、その要件に「「学修歴証明のデジタル化」とは、学修歴の携帯性・利便性の向上や大学事務の効率化等を図るとともに、我が国の大学等の学修歴証明の国際的な通用性・信頼性の向上、大学等の国際化、生涯学習の推進に向けて、各種証明書等(卒業証明書・修了証明書・成績証明書等)のデジタル化(インターネット等を利用して保管・共有できるようデジタル形式に変換すること。オープン・バッジの利活用を含む。)を進めること。学生の卒業後(受講後)もデジタル形式で各種証明書を受領することが可能であること。
「1」の場合、各種証明書(卒業証明書・修了証明書・成績証明書)のデジタル化を実施していること。個別の授業科目に限定された取組や正課外の活動に関する取組は該当しない。
「2」の場合、基準時点までに個別の授業科目や講座、履修証明プログラム等において、履修証明書や成績証明書等のデジタル化を実施していること。 」とあります。
オープンバッジ導入の背景と今後の展望
多くの大学がオープンバッジに取り組み始めた背景には、補助金獲得の動機もあります。これにより、大学間でのスキルの可視化やデジタル化の促進が進み、日本の高等教育が国際的に通用する人材育成に寄与することが期待されています。
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